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来戸 廉
2024年3月11日 09:38
ん? 山田が気づいた時、いつ来たのかベッドの傍らに五歳ぐらいの子供が佇んでいた。「坊やはどこから来たんだい」「……」「坊やも入院しているのかい」 首を横に振る。「そうか。じゃあ、お見舞いだな。お父さんは?」 ううん。またも首を横に振る。「じゃあ、お母さんは?」 頷いた。「そうか迷子かな。看護婦のお姉さんが来たら、お母さん、捜してもらおう」「おじさんは、どこが悪いの?」「