愛の生物

考えることを放棄して 長いトンネルを諦めて
快楽に近いだけ 空との交信に夢中になってた

それは傷つくことを恐れたからなのか
混じり気の多い空気に息もできず
呼吸することさえも忘れてしまったから
なのか

たまに夢の中で天使が運んでくる贈り物
もう二度と私の中から生まれてこないであろう
愛と名付けるべき生物

知らん顔した 知らないでいいと思いこんだ
ねぇ知ってどうするの?それをどう料理しろ
というの?
ねぇ何が大事?目を瞑れば大概なことはうまくいくの。それの何がダメ?
どんどん生成されずに腐ってく愛の生物

ひとりよがりにせがんだ日々
何も語らぬあなたもいけなかったんだ
喉から手が出るほど欲しくなっても
逃げるでも近寄るでもないあなたも悪かったんだ

そして選んだ1人きりの籠の中
ここはどうも狭くて自由な灰色の世界

断片的に降り注ぐ記憶の雨に打たれて
やけに冷静な私は俯瞰してじっくりと観察する
まるで評論家にもなったかのように
腕を組んで ペンを回して 
きっと二度とあの時の自分とリンクなどできない
それが嫌で、汚れていて、悲しかったんだ
どんどん生成されずに腐っていく愛の生物

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