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湯葉

結局は全て自分が楽しいか 心地よいか 気持ちいいか ただそれだけ それだけの遊び 撒き散らして たまに控えて 背中を丸めて それでいて優しさをふしだらに盾にしている 愛ってなんだっけ?考える必要はない ただのリアクションさ だからと言って だから会いたい  とかそんなシンプルなものでもない 触れて触って求めて足りない血を満たす 足りない色を塗り足す 新しい絵を描きたいと思える日が来るのを 待っている その目と言葉に嘘がないから どうしたって私はあなたの中には居ないと知る

    • それ

      もうどうにもならないね この先のことなんて誰もわからないから 私がつくる言葉 あなたがまとう香り 信じられるものは粘着質な心地よさだけだ 時間がありえないスピードで走る 空間も捻じ曲げられた世界の入り口 そこにあるのは 甘さをコーティングした矛盾だらけのケーキ 見ないようにして紛らわしてる 感じないようにして消している 何が正しいのか いや正しさなんて解ってる 何が引き留めるのか 何が私を繋ぎ止めるのか 間違いだらけでもそれは確かにある それを探している それも私自身をど

      • 砂漠

        これが私のくだらない恋の抵抗だったら どうしよう そんな不安がたまに押し寄せる あなたには日曜の午後のワイドショーくらい 私はどうでもいい瑣末な人間だったらと 鼻で笑う 下にたれる瞳  もっと高尚で大事な時間があるのだと 無意識の内で思っているの? だとしたら だとしたら 私はあなたを好きと認めることが できなくなってしまうじゃないか 真実は、事実は、思ったよりも痛く重い それはただの形で、ただの色で、ただの数字で だからこそ受け入れやすくもあるもの それを知った時 それ

        • 場所

          あなたが纏う空気の中 今日も私はゆっくり息を吸って試す 少しざらついていて 懐かしくて 眠りにおちそうなくらい柔らかな温度の世界 そんな場所が確かにあるはずなのに 永遠に行きたくて 永遠に行けなくて 好きという気持ちは時間とともに 色も形も味も意味さえも変えていくもの そんなあっけない変化を目の当たりにした たった12時間の起承転結もないストーリー 惹かれるのはなぜ?嫌いになるのもなぜ 絶好調な日も死にたくなるよな最悪の日も もう一度リセットして日々を生きている そしてメ

          甘くない関係性

          物も見える角度が変われば解釈が変わる ガラスは光を反射して四方八方にばらまく そんな感じ、好きという気持ちも認識も 私の半径20cmの円の中で正解とする とても弱くて曖昧な世界線 言葉にはならない 形にははまらない そんな気持ちがあるならば戸惑うでしょう どう温めればいいのか  さすって壊れてしまったら元も子もない だからずっと目を背けている 今も、昔も ただ一瞬だけ視線が触れる そんな一瞬が 永遠に焼きつく記憶になる時がある 意思に逆らい時間は巻き戻る 何度もリピートす

          甘くない関係性

          今思えばあの時がピークだったな 慌てて思い出す情景、匂い、角度、温度 もうすっかり埃をかぶってしまって なんの前触れもなく見返す卒業アルバムみたいに タンスの奥にふさぎ込んだ消えそうな想い 自発的か受動的かどちらにせよ私は逃げた ありきたりの結末を嫌った 特別になりたかった その選択が自分の首をゆっくりゆっくり 絞めていくことにも気付かず 愚かにあなたを愛しては積み重ねてったゴミ袋 いつの間にかあなたとはイエスもノーも 素直に言えない関係になれ果ててしまったんだ 終わりが

          背泳ぎの日常、海のような恋

          はじめて波を交換をした柔らかな朝 その瞬間は私に息継ぎの余裕すら与えた でもそれだけ それだけの瞬き 消えた光はどちらかがまた火をつけないと 輝かないものです 好きかも 好きなのかな あなたはどうだ 家で考える至極シンプルな疑問は 大人になればなるほど難しくなる そして“目的”は灰となって消えて大海に戻る おそらく正しい恋の道標 焦らずゆっくりと 何度も繰り返し思い出す 心のシャッターで切った一瞬一瞬が 頭から胸に流れて つま先から溢れる 身体中を支配されてるみたい 徐々

          背泳ぎの日常、海のような恋

          愛の生物

          考えることを放棄して 長いトンネルを諦めて 快楽に近いだけ 空との交信に夢中になってた それは傷つくことを恐れたからなのか 混じり気の多い空気に息もできず 呼吸することさえも忘れてしまったから なのか たまに夢の中で天使が運んでくる贈り物 もう二度と私の中から生まれてこないであろう 愛と名付けるべき生物 知らん顔した 知らないでいいと思いこんだ ねぇ知ってどうするの?それをどう料理しろ というの? ねぇ何が大事?目を瞑れば大概なことはうまくいくの。それの何がダメ? どん

          寄せて返して

          触れ合えば確かめられる気がしてたのに そううまくはいかないみたい 自分の直感を過信しすぎたかな もしかしたら星座占い以上予知夢以下 そんな程度なのさ きっと きっと 好きという気持ちの色も感触も味も解らない 新しい世界線に降り立ったあの日から... 執着を知らぬまっ白な海と空の狭間にきっと それはあるはずなのに 今日もコンパスの針はやきもきしている 暗い部屋の中 目も合わせてくれないあなた ずれていくリズムに呼吸を無理に合わせ あぁ違うな、でも居たいな、 違うけど一緒に居

          寄せて返して

          マッチング

          A君は少し寂しがり屋の映画が好きな子 B君は少し分からず屋のロックンロッカー そしてC君、D、E、F、、と続き 履歴書作成に今日も勤しみ査定を下す いいね、ありがとう、いいね、お返し 指先の会話だけで膨らむ何通りものストーリー あぁ、少しだけ疲れてしまったな ねぇ聞かせて私に恋の歌 たった1人とたった1人の間に生まれる世界で 優しい音に恋い焦がれ 寝落ちるような そんな安心できる優しい腕の中を探してる ぎこちないリズムの電子音に不協和音が絡んで 歯ぎしりが止まらない私の

          マッチング

          見えない

          隠すから見たくなるんだったら もういっそ隠すのはやめにした けど 喜劇になるくらいまで塩水で薄めて ちょうどいい塩梅で生きるのが上手くなったなぁ 取り繕うのにしらじらして 思ったことも全部吐き出すようにしたけど 言葉は1人寂しそうに体育座りしたまま 輪に入れない可哀相な子みたい 「絶対消えない 一生見えない自分」 がむしゃらに走るあいつは そもそもそんな事に気付いてさえいない 多分見ようとするから見えない 見たくて堪らないから見えなくなるんだなぁ 笑ってた方が何かと上手

          カケラ

          死んだような不細工な面を 長ったるい髪の毛で隠して 目頭に溜まるドロップス ぽろぽろと溢れぬよう堪えて 最終電車 ただひたすら早く最寄りに着くことを願う ホームには誰かの吐いた跡 触る男触られる女 下品で薄っぺらいブーメラン 痛い 痛い 痛い 誰も私なんか見ちゃいないって分かってるけど 今は世界で一番不幸な女というレッテル貼らせて 誰か、ねえ名もなき誰か、救ってくれって この際もう誰だっていいからさあ あなたが飛んでやってきて 大丈夫だよって 優しく頭を撫でてくれ

          色違いの他人

          ペラペラと好き勝手喋ってるあなたが憎い 強くて速い言葉に怯えて私の声は喉を通らない ちゃんとゆっくり私の話を聞いてよ ねえ もう面倒になってテレビを見るふりしてやり過ごすけどさ 深夜3時の乾いた空気にあり余る怠惰と妥協 空のビール瓶が水気を欲して突っ立ってるだけ 私にはそれと同じにしか見えなかったな あなたは肌も違うし声も色違い 言葉も息も 遠い星のだれかみたい 腫れもの触るみたい 嫌々ってベッドに入れば好きは遠のいてく 身体が知ってるやつじゃない、むしろ嫌いなほう 上手

          色違いの他人

          失恋30分後の喫茶店

          とは言ってもこうやって、普通の顔して、普通の身なりをして、それなりのプライドを保って、泣き喚いたりギャハギャハと笑ったり、そんな風に感情が荒れ狂うこともない。勿論制御さえできる。なのに心の中では、悲しいくらいに思い出していることだってある。 今の私の目に映る世界は、日曜の午後の平和な喫茶店の安全な風景で、店員さんがせわしなく飲み物をお客さんのところに持って行ったり、店員さんがレジでどこかの叔父さんと会話を交わしていたり、恋人かそれとも付き合う前の男女か、そんな二人が映画の話

          失恋30分後の喫茶店