見出し画像

冬の風物詩、ワカサギ氷上穴釣りに挑戦!

人生でやり残したことがあるとしたら、その一つはワカサギ釣りだ。昔、冬になるとテレビのニュース番組で紹介されていた。凍った湖にドリルで穴を開けて、糸を垂らす。子どもの頃はその魅力が分からなかったが、大人になった今、無性にそそられる。そうだ、ワカサギ釣りしよう!



そもそもワカサギ釣りとは?

そもそもワカサギってどんな魚だっけ──調べてみると、成魚の全長は15センチ程度。北海道から青森県、島根県までの日本海沿岸、そして青森県から千葉県までの太平洋沿岸に自然分布しているキュウリウオ科の小魚で、もともとは海と河川などの淡水域を行き来しながら生活する汽水魚だ。
 
しかし、適応性が高く、食味が優れることから、古くから全国の湖に移植され定着したという。どんだけ美味いんだって話だ。確かに子どもの頃、学校給食や食卓によく並んだが、ハラワタが苦くて嫌いだった。だけど今は酒のアテとして最高。なお、メスの産卵期は冬から春にかけてで、最も魚体が大きくなる。基本的には1年で一生を終えるそうだ。

とにかくおいしいワカサギ(photoAC)


竿さおはワカサギ釣り専用のものがある。モーターのついた電動リール竿と手巻きリール竿、そしてリールを付けずに糸を手繰り寄せる手バネ竿に大きく分かれる。電動リール竿はパソコンのマウスみたいで可愛い! 


電動式のワカサギ釣り用リール竿(photoAC)


釣り方にもいろいろある

調べてみて分かったのが、ワカサギ釣りは冬だけのものではないということ。シーズンが始まるのは秋からで、湖面が凍る前のボート釣りからスタートする(ボート釣りはしない湖もある)。夏の暑さもおさまり、心地よい気候の中、開放的な環境でのんびり楽しめるのが秋のボート釣りの醍醐味だとか。これもまた楽しそうである。結氷しない湖では春まで楽しめるそう。
 
冬が近づいてくると、ドーム船釣りの季節が到来。ドーム船とは船上に小屋が備え付けられ、複数の客が寄り合ってワカサギ釣りができる大型船のこと。中が座敷のようになっていて、快適な環境で楽しむことができる。

ワカサギ釣りのドーム船(photoAC)
船内で気軽に釣ることもできる(photoAC)

タレントの井上咲楽さんも愛好者

そして本格的な冬が訪れると、幕を開けるのが氷上の穴釣りだ。北海道、東北、関東、甲信越が主なスポット。凍った湖にドリルで穴を開け、そこから糸を垂らしてワカサギを狙う。昔テレビで観たアレ。やっぱ、ワカサギ釣りといえばこれですよ。

ワカサギといえば氷上穴釣り!


この氷上穴釣りは、ベテランから初心者まで幅広く楽しめるのが魅力。コツさえつかめば初心者でも50尾以上、ベテランになると数百尾も釣り上げることが可能だという。ネット上のワカサギ釣り愛好者のブログなどを見ると、湖面の好きなスポットに大きなテントを設営し、ストーブや調理器具も持ち込み、キャンプ感覚で楽しんでいる人がいるかと思えば、カタツムリと呼ばれる一人用のテントに籠り、無心に釣り系を垂れる求道者のような人もいる。楽しみ方は自由、という印象だ。
 
実は人気タレントの井上咲楽さんもワカサギ釣りの愛好者。特にお父さんが大のワカサギ釣りファンで、シーズンになると2週間に一度は全国の湖に出かけるという。咲楽さんも幼稚園の頃から一緒に楽しんでおり、その様子をnoteで紹介している。魚群探知機なども使いかなり本格的だ。

東京近郊でワカサギの氷上穴釣りができるスポット

肝心なのはどこでできるかだ。当たり前だがワカサギがいて湖が凍るところでなくてはならない。湖が凍るということは相当寒い場所ということだ。本州では関東以北に限られる。

記者は東京在住。東京近郊で探してみた。その際、「ワカサギ釣り情報PRESS」というサイトが非常に役に立った。穴釣りができるスポットの紹介はもちろん、湖の見取り図や解禁期間、レンタル品の項目、釣り宿の連絡先などが事細かに掲載されている。特に例年の解禁日一覧は貴重な資料。これを見ると、いつ頃穴釣りができるのか分かるので、スケジュールを立てるのに役立つ。釣り方なども紹介されているから、初心者はチェックしておくといいだろう。


温暖化で湖が凍らない!?

このサイトを使って東京近郊のスポットを調べてみたが、近年は暖冬の影響から氷が充分に張らず、氷上穴釣りの解禁が見送られるところが多いようだ。

その中でも比較的凍りやすい湖を複数ピックアップして、地元の釣り宿に電話で確認してみた。しかし調べた限り年明けすぐの時点で結氷していたのは長野県の松原湖のみ。それでも厚さが十分ではなく、通常なら前年末には解禁するはずが、正月時点でも未定だという。「明後日もう一度厚さを測るから、また電話して」と宿の女将おかみさん。「どんなに遅くなっても、解禁できなかったことはない……」と言いつつ、少し心配そうな口調なのが気にかかる。

あれ、もしかして凍らなくてできないパターン?
 
ていうか、これ以外に取材ネタ用意してないんだけど。
 
おい、地球温暖化!

(次回に続く)

Supported by くるくるカンカン


クレジット

文・編集:いからしひろき(きいてかく合同会社
撮影:高野宏治
校正:月鈴子
取材協力:釣り宿 佐久屋
制作協力:富士珈機

ライター・いからしひろき https://twitter.com/igamania
新潟県出身。20年以上にわたってフリーライターとして活動。旅、食、人物インタビューを得意とし、『日刊ゲンダイ』『おとなの週末』『サステナブルブランド・ジャパン』などで執筆。2023年6月にライターズオフィス「きいてかく合同会社」を設立。


#てさぐり部 とは

#てさぐり部 は「知りたい・食べてみたい・やってみたい」──そんな知的好奇心だけを武器に、ちょっと難しいことに果敢に取り組み、手さぐりで挑戦する楽しさを見つけようというメディアです。
決まったメンバーを「 #てさぐり部 」と呼んでいるわけではなく、答えのない挑戦を楽しむ人たちの総称として使っています。
だから、なにかちょっと難しいことに取り組む人はみんな #てさぐり部 です。noteをはじめ、公式InstagramXでのコミュニケーションなど、積極的にハッシュタグを使ってくださいね!

お問い合わせメールアドレス
contact[アット]kurukurucancan.jp

この記事が参加している募集

釣りを語ろう

一度は行きたいあの場所