ワカサギ釣り
数年ぶりに、釣り好きの父と末の妹とワカサギ釣りに行った。
ワカサギ釣りには、幼稚園の頃から父と一緒に行っている。
大人になってからも一緒に行こうという話はするが、毎年なかなかタイミングが合わず行けずにいた。
私にとっては2019年以来、4年ぶりのワカサギ釣りだった。
氷上ワカサギのシーズンは、場所と氷の状況にもよるが、1月上旬から3月下旬まで。
釣り好きの父はシーズンになると毎年2週間に一度は長野から東北まで、全国の湖に出かける。
父のせいで、ロケで湖に行くと「お父さんこないだも釣りしにきてたよ!」と話しかけられることもあった。
湖だとちょっとした有名人らしい。
釣りの前日、愛知県西尾市で新婚さんいらっしゃいの公開収録を終え、東京に戻ったのが20時。
帰宅して荷造りや片付けをして8キロ走る。
移動が長い日はどうにも体が重く、帰宅してから走ることが多い。
シャワーを浴びて、飼い猫のソイと一緒に栃木へ。
石橋駅に着いたのが0時16分。
妹に迎えにきてもらい、益子に着いたのが1時30分。
1時間だけ仮眠をとり3時に起床。
眠い目を擦りながら、なんとか車に乗り込みまた眠る。
7時。福島県桧原湖へ到着
氷上にドリルで穴を開けて魚群探知機(魚探)で釣りのポイントを探る。
父は、2メートル間隔くらいで、穴を10箇所くらいあけていく。
魚探(ぎょたん)を穴に入れる係は妹。
めんどくさそうに穴に魚探を落とし込み、魚がいるかいないかを父に報告する。父は一人で、もういいよー…というくらいに穴をあけていく。気づいたら父は遠く離れたところまでポイントを探りに行っていた。
私たち姉妹にとってはこの時間がいつも退屈なのだが、父に言わせれば「1に場所、2に道具、3に技術」らしいので時間をかけて探るのだそう。
釣り変態の父は長い時で3時間くらいこの作業をする。ドン引き
ようやく釣れそうなポイントが見つかり、妹が「魚いるよ!いる!」と歓喜の声をあげる。
周りの釣り人に聞かれて、「あそこが釣りポイントだ!」と思われるのが怖かったのか?
慌てて「あっやっぱりいなかった。」と言って父のところへ走って行き、耳元で「いたよ!」と改めて報告
ようやくテントや道具のセッティング。
何十年もかけて見つけた父のこだわり釣りスタイル・セッティングの順序があるので私たちは黙っていても勝手に道具がセットされ、快適に釣りができる。
ありがたい。
9時半。釣りスタート。
釣り始めると入れ食い状態ですぐにサクサク釣れた。
誘ってふかふかリールを動かすと、返事をするかのようにビビビ!と竿先が揺れる。
巻いている間も魚の引きが強く、魚が暴れるのを感じながら巻き上げる。
氷の穴から魚がピョコっと出てくるこの快感!
スタートから釣れると楽しい。
そういえば幼稚園の頃はこの穴から見る湖が怖かった。
「もしも次に踏み出した一歩が薄い氷の場所で、湖に落ちて出てこられなくなったらどうしよう…」と想像して怖くなっていた。
少し群れが落ち着き始めたのでご飯にする。
タコとニンニクを胡麻油で漬け込んだものをフライパンで焼く。
それをつまみに私はビールをぐびっと。冷えた体がぽかぽかしてくる。
続きまして…粗挽きウィンナー。たっぷりカラシをつけて食べる。
食べているときに限って魚がきたりして慌てて巻き上げたりする。
最後に鍋。母が用意してくれた野菜セット
小さい頃から、ワカサギ釣りに行くと父がご飯を作ってくれた。
普段は料理はほとんどしない父だったが、釣りの時は作ってくれるのが嬉しかった。
魚がきたりこなかったりで、妹が飽き始める。釣れないとつまらなくなってくる妹と、つれない時に限って楽しそうにしている父。
6人家族中、男ひとりで肩身が狭い父は、娘たちが反抗期で家に居場所がない時も、氷上で羽を伸ばしてはしゃいでいたのかもしれない。
「つれなくなってから粘るのが楽しいんだぞ!」とニヤニヤ。
そんな父を見て、余白があるっていいなと思った。
時間があるんじゃなくて、余白があるというか…その空間に漂っている余白みたいなものを楽しめるっていいなって感覚。
私はまだ妹と一緒で、ばんばん釣れている方が面白い。
妹は、私との釣果の差を見てふくれている。
その気持ちがすごくわかって懐かしくなった。
私も小学生の頃、父とどんどん差が開いてきて、追いつけないと思って投げ出しておやつを食べたりふて寝していたりした。
97匹まで釣ってもう少しで目標の一束(一束=百匹)に届きそう。
だが、なかなか渋くなってきてラスト3匹を釣るのに1時間かかった。
16半。釣り終了
釣果は、
私が102匹
父は186匹
妹は76匹
撤収作業をして車に戻り、17時に桧原湖を出発
帰りに、「ゑびす食堂」という父が釣りの帰りによく寄る食堂へ。
ここに寄ることは1週間前から決まっていて、事前に父からメニューが書かれた写真が送られてきていた。
「何を食べたい?」と東京にいる時から聞かれていたが、食べたいものなんてその時々によるんだからその時に決めさせてくれ。。。
あまじょっぱいガッツリしたものが食べたかったので、カツ煮定食を頼む。
ガツンとしたわかりやすい味が、舌から脳に直球で響く感じがいい。
父は辛子もつラーメン
妹は味噌ラーメン
半カレーを頼む
カレーとカツを一緒に食べたら美味しかった。カレーライスは少し辛め
帰りに白河の「癒しの刻」という温泉に寄る。
大人500円
炭酸泉。
お湯に浸かると、足首付近がしょぼしょぼしてきて、なんだかんだ冷えていたことを実感する。
温泉についている、自由に飲める冷たい水を体がほかほかしているうちにグビっと飲む。
ここから自宅まであと2時間
父が運転しながら何か喋っているが、眠くて入ってこない。
運転してもらってる手前、起きなきゃと思ってコーヒーを飲んだりシゲキックスを食べて踏ん張った。申し訳ないが、父の話がどうしても子守唄に聞こえる。
吸い込まれるように眠って、気がついたら家に着いていた。
23時半 ジャージに着替えてすぐに眠った。
次の日、「楽しかったか?」と父に3回くらい聞かれた。「楽しかったよ。」というたびに喜んでいた。
そして釣り足りなかったのか、3日後には赤城大沼という湖に一人でワカサギ釣りに出掛けて行ったのだった。
ワカサギ釣りにいくときによく聴いていた曲を貼り付けておきます