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黒谷知也
2020年10月22日 12:00
Chapter01 仕事が一段落して、本を片付け資料を整理しノートに纏(まと)めていると、窓の向こうに軍艦雲(ぐんかんぐも)が見えた。雲はゆっくりと山へ降りていく。 私はおそらく何年もこのときを待ち望んでいた。 ペンを置き、車を走らせて雲を追う。 Chapter02 地球上の各地に、およそ1年に10~30回くらいの頻度で軍艦雲は発生する。 この雲の名称は国や言語によって様々である
2020年10月21日 04:26
Chapter01 朝の四時に雇用主から電話があり、「今すぐ来い」と叩き起された。彼は気が狂ったのではないかと思うほど立腹していた。 理由はグールワーナの死にある。私がグールワーナを殺したというのだ。 だが、そのようなことが起こったなどと信じたくはない。私は昨日、いつも通り職務を果たし、充分に足る朗読をしたではないか。 Chapter02 タクシーを呼び、大急ぎでかけつけると、確か