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【詩】青い時代

微笑まれて立ち止まり
よもぎ色のような春の
肌触りのよい風をみつける

それは弥生の日だまり
窓ガラスをすりぬけて
直線を描く
畳と無数の埃が
音もなく光る

桜待つ卯月の空は
未だ薄水色の水彩
世間の喧噪など必要なく
ただ内側とキャンバスを埋める

若草が雨にしなだれる頃
柳の下で考えたこと

あなたにもっと早く出会っていたら
変わっていたかもしれない身体
これほどに汚れず
これほどに破れず
タールすら染みこまなかったかもしれない

霜月の凍る星が
あちこちでせわしなく瞬いて
ただの枝を震わせる
練り消しをポケットに入れたまま
公園であかした夜と缶コーヒー

振り返ると
わきあがる心情の色は
微笑ましいほどの青
研ぎ澄まされた感覚が
自分にすら傷をつけていたのも
この青の頃

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