【詩】こめかみ
美しく触れられないものを
丹念に愛する思考の森
枝別れてしずくまで飲み込むように
乾きがちなまぶたの裏
また失敗してしまった
結果、自己嫌悪
かみさまの視点がほしい
ぐるりと見渡して
仕方ないと
軽やかに踵を返すような潔さと共に
またも馬鹿げたお伽話に目が濡れて
ため息で夢をしわくちゃにする
煙たい薔薇のにおいの中で
自分の思想を咎める夜
水面を波立たせる風にもなれない
月のように影を落とすこともできない
あなたはあたしなど、
早くどこかの道端に捨ててしまえばいいのに
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