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「プロセスエコノミー」 著:尾原和啓

読んだきっかけ:
「プロセスエコノミー」について
もっと詳しく学びたかった

読んだ日:
2021年8月

学べること:
プロセスエコノミーについての基礎的な知識
プロセスエコノミーのメリット・デメリット

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●はじめに

「プロセスエコノミー」
この言葉を聞くようになったのは、西野亮廣さんのオンラインサロン内の記事がきっかけでした。

簡単にまとめると、商品の完成形で差別化が図れなくなってきた現代において、商品を完成させるまでのプロセスを公開し、そこで収益を得るといった内容です。

プロセスエコノミーに関して大まかな内容は理解できてきたのですが、さらに深い部分を知りたいと思い、本書を読んでみることにしました。

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●プロセスエコノミーとは

今、“良いもの”を作るだけではモノが売れない時代になっているといいます。

それは、良いものを作ったとしても、インターネットによってすぐに情報が行き渡って、一瞬でコピーできるようになったからです。
結果、どれも似たり寄ったりの機能、性能になりやすくなっています。

そんな中、自分ならではのこだわりや様々な障壁を乗り越えながらモノを作り出すドラマなど、プロセス自体を売っていくのが「プロセスエコノミー」です。

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●「役に立つ」より「意味がある」

これからの社会では「役に立つ」ことよりも「意味がある」ことのほうが価値があるとされています。

「役に立つ」モノは一つあれば良いとされています。
2番目に切れるハサミ、3番目に切れるハサミは必要ないのです。

かたや「意味がある」こと。ストーリーがあるモノに対しては一つでなくても構わないとされています。

「役に立つ」を目指す場合は1位を目指して戦わないといけません。

それに比べて、「意味がある」を目指す場合は、プロセスを消費者と共有し、その「意味」を伝えていくプロセスエコノミーが重要になってきます。

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●人はなぜ、プロセスに共感するのか

・「Self Us Now」理論
これは、オバマ大統領が選挙演説の際に取り入れた理論です。オバマ大統領はいきなり「大きな物語」を聴衆にぶつけるのではなく、「小さな物語」を訴えるところから語り始めました。

「story of self」(自分がここにいる理由)を語り、「story of us」(私たちがここにいる理由)を聴衆に投げかけ、「story of now」(今行動を起こすべき理由)を訴える。

これがプロセスエコノミーとどう関係するかというと、「Self Us Now」理論でプロセスを共有するうちに、自分の中にあるストーリーが、異なる他社のストーリーと重なっていきます。

自分のプロセスを開示し共有することで、個の熱狂が集団の熱狂へと広がっていくのです。

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・ハイネケンのCMから学ぶ
あるハイネケンのCMから、プロセスでつながることの大切さを学ぶことができます。

このCMから学べるように、人間は本能的に、他人とプロセスを共有することに幸福を感じ、主義主張を超え、つながることができます。
プロセスエコノミーは人間本来のメカニズムと相性が良い仕組みなのです。

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●プロセスエコノミーを実装するには

・「正解主義」から「修正主義」へ
変化が激しい今の時代には、一つの正解へ突き進む「正解主義」から、未完成でもとりあえず表に出して、様々な人からフィードバックを受けながら修正していく「修正主義」へと移行していくことが大事になってきます。

プロセスを公開し、反応を見ながら変えていくことは、昔ながらの正解主義では理解され難いことかもしれませんが、変化が激しい時代においては修正主義が合ってきています。

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・セカンドクリエイターの存在
本(モノ)が完成する前の段階でプロセスを開示し、情報やアイデアを集め、「この本を売りたい」と思ってくれる仲間を作る。そうすることで、発売前から小さな注目が集まり、中には「新刊の出版に合わせて、PR活動しますよ」と応援してくれる仲間も現れるでしょう。

そういう仲間のことを「セカンドクリエイター」と呼びます。

プロセスを開示し、応援してくれるセカンドクリエイターを増やすことによって、作品ができあがった瞬間から、みんなが宣伝し、拡散してくれるのです。

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●プロセスエコノミーを実践するには

・1億総発信者時代の「Why」の価値

プロセスエコノミーを実践するうえで最も大切なのは、あなたの中にある「Why」(なぜやるのか・哲学・こだわり)をさらけ出すことです。

1億総発信者社会では人もモノも埋もれてしまい、見つけてもらうことすらも難しいのが現実であり、だからこそ自分だけのこだわりや哲学をオープンにしていくことが大切となってきます。

なぜ「What」(アウトプットの内容)が生み出せるのか。「How」(技)を見せながら注目を集め、最も大事な「Why」(なぜやるのか・哲学・こだわり)を伝えていく。

「Why」はその人の生き方に拠るものであり、「Why」を開示して狭くても深い支持を得ていくことが大切となってきます。

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・「Why」を設定し、共有する
新しくプロジェクトを立ち上げたり仕事を手がけたりするときにも、共有するのは「Why」だということを頭に入れておくかどうかで格段の違いが生まれてくるといいます。

初めから明確に「Why」を設定してもらったほうが、人は動きやすい。

そのことを説明している動画があります。

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・「シンパシー」と「コンパッション」
日本語の「共感」には2種類あります。

「sympathy」の語源は「シンクロする pathy(感情)」という意味です。
一時的に共感し、応援していくという行動がこれにあたります。
このムーブメントは一時的な共感と応援を集めやすいですが、長続きはしません。

「compassion」は「メラメラ燃える情熱」と解釈するのが一般的です。
こちらの共感は永続的なものとなっています。

どちらが良い悪いではなく、プロセスエコノミーにおいて「共感」は大切な要素となってくるので、どのタイプの「共感」なのかを認識することが重要です。

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●まとめ

今回この本を読んで、プロセスエコノミーについてさらに詳しく深掘りすることができました。

「Why」(なぜやるのか・哲学・こだわり)に共感してもらうために大切なこと、またプロセスを開示することによるメリット・デメリット。

今まで表面的な知識しか持っていなかったのですが、それを補完してくれる内容となっており、とても勉強になりました。

プロセスエコノミーは意識してみると、日常生活の中に関係していることが多くあると思います。

これからは、日常にあるプロセスエコノミーを意識して生活していこうと思いました。


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