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【小説】何が、彼女を殺したか

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長編小説『何が、彼女を殺したか』の各話をまとめたマガジンです。全21話です。
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2021年6月の記事一覧

小説 『何が、彼女を殺したか』 目次

目次 (1)序章 (2)復讐の章(前編) (3)復讐の章(後編) (4)村野正臣の手紙 …

小説 『何が、彼女を殺したか』 (1)

▶︎目次 小説 『何が、彼女を殺したか』 序章  19XX年9月6日夕刻、ある一人の女の…

小説 『何が、彼女を殺したか』 (2)

▶︎目次 復讐の章(前編)  19XX年、娘の真紀が殺された。  俺は、その犯人を殺すと誓…

小説 『何が、彼女を殺したか』 (3)

▶︎目次 復讐の章(後編)  夜へ向かう町をぐるりとランニングして家に戻り、息も整えない…

小説 『何が、彼女を殺したか』 (4)

▶︎目次 村野正臣の手紙  雨ヶ谷洋介・美希子様  公判では何度もお会いしましたが、今回…

小説 『何が、彼女を殺したか』 (5)

▶︎目次 愛の章(前編)  19XX年、娘の真紀は殺された。  けれど、私は犯人を赦すこ…

小説 『何が、彼女を殺したか』 (6)

▶︎目次 愛の章(後編)  いまから31年前。丸2日続いた陣痛の末、しわくちゃの真っ赤な顔で産声をあげた私の娘は、それからたった6年でその短い生涯を終えてしまった。その娘の名前は真紀。彼女は病気や事故ではなく、村野正臣という男によって殺されたのだった。夏休みが終わって二学期が始まったばかりの、けれどまだ暑い日の夕方に。  あの日──何の予感も私を止めることをしなかったあの日、私がパートから帰ると、その幼い娘は真っ赤な血の海の中に横たわっていた。玄関からリビングへ続く廊下

小説 『何が、彼女を殺したか』 (7)

▶︎目次 村野正臣からの手紙  雨ヶ谷洋介様  前回、差し上げたお手紙は読んでいただけた…

小説 『何が、彼女を殺したか』 (8)

▶︎目次 断絶の章(前編)  19XX年、妹の真紀が殺された。  その事件をきっかけに、…

小説 『何が、彼女を殺したか』 (9)

▶︎目次 断絶の章(後編)  三ツ池森林公園はその名の通り、敷地に三つの池がある公園だっ…

小説 『何が、彼女を殺したか』 (10)

▶︎目次 村野正臣の手紙  雨ケ谷洋介様  こんにちは。村野です。読んでもらえてますか。…

小説 『何が、彼女を殺したか』 (11)

▶︎目次 再び、復讐の章(前編)  その日、俺が見たのも、例の間に合わない夢だった。  …

小説 『何が、彼女を殺したか』 (12)

▶︎目次 再び、復讐の章(後編)  例えば、それは両親や兄弟姉妹、一生を誓い合った配偶者…

小説 『何が、彼女を殺したか』 (13)

▶︎目次 村野正臣の手紙  雨ケ谷洋介さま  今日も、同じお願いの手紙を書きます。この手紙で百通目、雨ケ谷さまへ手紙を書き始めてからは丸八年もたちましたが、読んでもらえるまで、何通でも、何年でも、一生書き続けようと思っています。  だから、どうか返事をください。何か一言でも、何も書いてなくても、僕あてに空の封筒を送ってくれるだけでもいいです。それで許されたとは思いません。でも、読んでいるという証拠が欲しいのです。そうしないと気持ちが折れてしまいそうです。  今月の十