不器用絵師はごはんを運ぶ。
やぁ、今日も来たんだね。いつも待っているから嬉しいよ。
人と話す、そこからアイデアをもらうことがある。
一見何でもないような話でも、角度を変えると実はお宝のような話。
自分の目線が狭くなると、関係ない話をスルーしがち。
でも広く見れば、関係ない話。でもないことに気付くこともある。
デリバリー業界。
フードデリバリーアプリを利用したことはあるかい。
自宅で待ってるだけで、お店のご飯がおうちに届く優れもの。
特にコロナ禍での不要不急の外出自粛時は利用者も激増し、店舗側も参入が増え中にはゴーストレストランと呼ばれる、同じ店舗でジャンルと屋号を変えて出店するという合わせ技も流行っていたのは有名な話。
フードデリバリー業界の市場規模もググってみると、約7,489億円ととてつもない数字が飛び交っている。
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2022年までは利用シーンも多く盛り上がっていたが、コロナも一段落。
イートインに戻る客層も増えていくことから、今後は市場も少し落ち着いていくのではと言われている。
とは言え、景気の影響や食材や光熱費の高騰もあり、店舗価格の値上げから多くが外食を控える想定もされている。
飲食店業界でも体制やターゲットを見直し、価格と提供品をリニューアルして再開している店舗も少なくないね。
今回はそんなフードデリバリー業界の最前線で頑張る人のお話だよ。
ウーバーイーツ。
ここ数年で一気に名を挙げたフードデリバリーサービスの1つUber Eats(ウーバーイーツ)。
一時は色々とお騒がせも多いサービスではあったが、何だかんだ一度は利用したこともあるという人も多いんじゃないだろうか。
提供元や、決済、配達スタッフなどが幾重にも乗るため、メニューの価格だけ見ると割高だ。しかしその魅力は自分の時間が高い人ほど魅力を感じる。と、言われているようなそうでもないような。
いざ、注文をしようと思った最後のワンタップで思い留まりたくなった人はきっと私だけでは無いはずだ。
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注文をすると、配達員登録をしている方の顔写真やランクなどが表示され、現在地を見ることが出来る。
店舗で作られた料理を受け取り、家まで持ってきている経過地点もリアルタイムで見ることが出来るので面白い仕様だ。
近くまで来ると、玄関先に向かい無事受け取るという流れ。何度か見ればいちいち見なくなりそうなもんだけど。
あと、ギリギリまで来ているのに、結局配達されない事件なんかも時々あるみたいだね。私はデビュー戦でそうなっちゃったよ。ただ、それは別の話。ただボヤきを入れたかっただけさ、ごめんよ。
働きながら、夢を目指す。
F氏は絵師として、多くの絵を描いてきた。
オリジナルのキャラクターも、人気のマンガのキャラクターなども描いており作風は多岐に渡る。
とは言え、致命的なまでにビジネスセンスがない。
というより、性格が良すぎてお金を取るという意識が強くないため、いまいち絵師としては知名度が上がらずくすぶっている人材だ。
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F氏の性格は良い、というよりここではそのお人良し過ぎるところが成長を妨げているのかもしれない。
人に頼まれると断れない。
お金を貸してほしいと言われると、消費者金融で借りて貸してしまう。
頼まれれば本業の絵も無料で描いてしまう。
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うーん、今どきこんなマンガのキャラクターみたいな存在も珍しい。
悪い大人に目をつけられると心配になるような人物。
ただ、それだけに頼られるシーンも多い。
絵を通じたお願いであれば自分の作品が広まるきっかけになり、それはそれで良いと前向きな性格も好感といえば好感。
稼げるが為の罠。
前述したが、F氏は日頃ウーバーイーツの配達員として生計を立てている。
活動拠点が東京23区内ということで、注文は今でも非常に多い。
本気で時間を割いていけばいくらでも配達して稼ぐ事が可能だ。
毎月の収入はそれだけで40~50万円。
普通に一人暮らしなら食うに困らない。
配達員とは、店で商品をもらい、玄関先で手渡す。または置き配で玄関先に置いて去っていく。
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仕事の中でコミュニケーションはほとんど0。
よく言えば誰にも迷惑をかけることもなく、淡々とこなす作業。
道に慣れてくるにつれ、更に増していくルーチンワーク。来たことある家に持っていく事も度々ある。1日2回などもよくある話。
F氏曰く、この仕事は普通に稼ぐことが出来るが、徐々に感覚が麻痺していくことを感じるそう。
絵師として、絵を書くのは得意だし好き。
それに値を付けて商売となると、相手との折衝も発生する。中には喜ばれない結果だってあるだろう。
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そうなると心のストレスだ。
それを敢えてするべきか、現状の趣味で留めておくべきか。
ビジネスとして、絵に価格価値をつけていく姿勢がどうしても定まらない。
しなくとも、ウーバーイーツで生活は困っていない。
現状維持を選択し続け数年間一歩も進まない自分に焦りを感じている。
理由も薄々感じてはいるんだろう。
きっかけが必要。
とは言うものの、このままではさすがに・・・
と、F氏も無料で出品・販売が可能なサイトにも登録を一応している。
ジャンルは同人もカバーしており、少々過激なカテゴリを攻めている。
絵師として長く活動しているだけあって、それなりに範囲広く対応が出来る。
とは言え、アップしただけで結果が伴うものでもなく、継続的なトライは出来ず、再びくすぶっている。
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絵師も日の目に当たる仕事となったこの時代、業界ヒエラルキーも激化している。無名の非活動がすぐさまブレイクなんてありえない。
SNSなど駆使して、ファンを集める活動も不断の努力で継続していくことで、何らかのきっかけに繋がるケースだってある。
需要だって多いだろう、やらないと始まらない。
イラスト能力者自体まだまだ稀有な存在。
調べなければ尚更珍しい。
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案外近くの存在で、F氏が絵を書けるなんて知らない人も多いと思う。
知られていない、それだけでビジネスチャンスの逸失となってしまう。
控え目な性格のF氏には酷かもしれないが、知られてなんぼであればそちらに振り切った方がいい気もするが・・・選択肢があり、期日を決めていない人は常に保留を選択。
結果、今日もウーバーイーツで宅配を頑張ることになる。
きっと明日も。
これから。
F氏に限らず、現状維持が可能な状況で冒険する選択をしない人は多い。
転職が流行っているこの時代、同業好条件の案件があっても動かない。
「今」を失うのが怖い。そして「今」が悪くない状況なのだ。
人に迷惑もかからない。直接的な損失はもちろん与えてはならない。
しかし、それを求めている人に、出来ることを教えない。
これもまた広い目で見れば、迷惑の一種と類推してもいい。
難しいことはないと思うんだけど、きっかけが必要なんだよね。
「やりたいこと」の重さはどれくらいなんだろう。
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F氏はまだまだ時間があるし、配達で稼げているならそれはそれでいい。
クリエイティブな仕事の全振りほど、先行き不安ということもない。
真綿で首を絞めるような状況が続く。
5年10年、将来を見据えた時にどの選択が最良となるのか。
将来の自分が教えてくれるならどう言うのだろう。
その自分を創るのまた、やはり今の自分。
今はまだ本人が望むよう、ただ様子をみる。
何かきっかけが訪れる事を願うばかりだね。
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ここまで見てくれてありがとう。
楽しんでもらえたら最高です。
いつも来てくれることの感謝を禁じえない今日この頃。
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それでは、また。
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