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「仮面とライティング」

在りし日、隠れ家のような書斎に籠もるヤス師匠は、いつもひょっとこの仮面を被り、沈黙を守っていた。彼の弟子であるユキは、師匠のその風変わりな姿にも関わらず、彼の文才と物語に魅了されていた。彼女は、師匠からの直接指導を受けるため、書斎の扉をたたく。

ユキ「師匠、今日も私の作品を見ていただけますか?」
ヤスは答えず、ただ静かに頷き、彼女の手稿を受け取る。

ヤスが作品を読む間、ユキは師匠の一挙手一投足に注目した。読み終えたヤスは、彼女に向かって一言も発することなく、紙にいくつかの指摘を書き留めた。

ユキ「師匠、私の物語にはまだ深みが足りないのでしょうか?」
ヤスは、静かにうなずき、紙を差し出す。そこには「心からの言葉で、読者の魂を揺さぶれ」と書かれていた。

ユキは、ヤスの言葉を深く噛み締めながら、自分の内側にある真実を探求し始める。夜空の下、星々を眺めながら、彼女は自分の経験と感情を紡ぎだし、新たな物語を書き上げた。

完成した作品をヤスに見せたとき、ユキは期待と不安で胸がいっぱいだった。

ユキ「この物語は、私の全てを込めました。師匠の教えを生かせたでしょうか?」
ヤスは、長い沈黙の後、ゆっくり頷く。ひょっとこの仮面の下にはまるで、温かい微笑みがあるよう。

「良」

ヤスはそう書かれた紙を差し出す。

ユキは師匠ヤスからの最高の賛辞と解釈した。この一連のやりとりは彼女の作家としての道を照らす光となる。

時が流れ、ユキの物語は多くの人々に愛され、彼女は名高い作家となった。しかし、彼女が最も大切にしているのは、ひょっとこの仮面の下から得た、師匠の教えと、その無言の支えだった。

彼女はその思いを胸に秘め、今日も筆を振るう。

ユキ「ところで顔、見えてんぞ?」
ヤス「えっ、まぢでっ!?」

…って話があるんだよ( '༥' )ŧ‹”ŧ‹”


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