「ボロアパートの地獄」※組み込もうと思っている話

『現代社会の闇』『現代労働の闇』について、自分が実際に取材をしてきた事についてお伝えする。『闇』である。この闇を作った人間、組織は楽を得る。

世の中には犠牲を担う人間と犠牲のおかげで楽をする人間の2グループが存在することを知ってほしい。ホラー映画なんて比にならないぐらいの怖さだ、落っこちたらまず上がれない溝だからだ。

近所のボロアパート

近所には『ボロアパート』がある。

そのアパートは【昭和】を思わせるような外観。言葉を繕わなければ「汚い」の言葉が一番適切であろう外観。白い塗装は剥げてしまっていて、茶色がかった色彩を放っている。築何年なのかもわからない。アパート名を記す看板も何度入れ替わったのかは分からないが、その跡だけが残っている。

「このアパートには住みたくないよね」などと通りがかりの子供たちは言う。大人たちもまた井戸端会議の中で「あそこのアパートに住む人は汚い」「落ちぶれの住む所」と蔑んだ目をしながら言葉を毎度のように交わす。

そのアパートにはどんな人が住んでいるか

「低賃金」「低い階級」の住人が住んでいる。

こんな事を言ってはいけないが確かに存在している。お金の勉強をする人はここから絶対に逃げてはいけない。そういう体裁だけを繕う人間ほど残酷だろう。アパートの大半にはエアコンが付いていない。室外機がない。夏場は40℃にも達する昨今の気象状況からも、住居人の懐の経済的厳しさが伺える。春が過ぎ、寝苦しい時期になると、ここの住人(子供)は駐車場のアスファルトの上で過ごすようになる。夕方から0時頃までは外で寝転んでいる。

この豊かな日本でだ。彼らに対して、自分は少ししか手助けできていない。自分も必死に生きている。どうにかできる財力を持っているわけでもないから助力できずとても悔しい。全員を救うなんてのはやはり難しい。

ここから「社会の闇」について、掘り下げていく。誰がこの闇を作っているかだ。私たちはここを知るべきである。

毎日来るバス

ここのアパートには早朝および夜に「バス」が到着する。

ぞろぞろ、ぞろぞろと住居者はこのバスに乗り込む。このバスは一体なんだ?と自分は思い、調べてみた。そして、分かったのは某企業が管理するバスであるという事だった。

バスの到着時間は不規則であるが、朝だけはめちゃくちゃ早い。朝の6時過ぎに迎えに来る。一方で夜は18時の時もあれば19時の時もある。20時の時もあった。親の帰宅を見た、外で待つ子供たちが喜んでいる姿を見ると、怒りがこみあげてくる。


そう。このバスは「労働者の為の通勤バス」であったのだ。

住居者の9割が「工場労働者」

住居者のほとんどが工場労働者であった。また、半数以上が外国人であった。

「アパート」と「バス」は労働者の為のモノで「素晴らしい!」「ここまでしてくれる会社は良い!」と当人は思いがちだし、囚われがちだが

そうではない。


会社側は絶対に豊かになることができない「最低レベルの賃金」しか支払っていないのだ。会社は単純に「雇用者を確保すること」に成功しているのである。安い労働力を手に入れて、自分たちはその利益を得ているのである。

この話の裏側

会社は「経費」という財布を持っている。

「経費」は工夫しだいで税金にあてることができる。会社が上げた利益には必ず税がかかる。ある生産ラインで利益が5000万円あったからといって、その5000万円すべてが手に入らない。

アパートも、土地も、バスも、バスの運行費用もすべて経費。

だんだんと訳が分からなくなってくるだろう。

現場で働く人間が低賃金で頑張って仕事をこなす。住まいと通勤手段を褒美で得ているものの、実はその褒美の費用は節税対策の一環であり、会社が税金で払うべきお金で賄っているもの。


得をしているのは誰だろうか??

会社を立ち上げて、世の中に価値を提供していることは素晴らしいと思う。だが、そこで得た利益を何に使っているかが大事だろう。事業を拡大して働く人がより幸せになるために使う資金になっていれば良い。

だが、世の中にはそんな人ばかりではない。自分だけ逃げきればいいや!と考えて運営をしている人がいる。中小企業にはそういう人もいる。得た利益は散財して終わり。

低賃金で働く労働者は技能や知識が身につかないのでスケールしない。抜け出す為の時間すら日々の労働の疲労で確保できない。そして、年齢だけをどんどん重ねてしまう。階級が上がる確率はどんどん目減りし、ほぼほぼ0という段階まで来る。

これが自分が実際に見た『闇』である。

所属している組織が封鎖すれば、また人手伝いに違う組織に流れ移るしかない。それが彼らの現状である。

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