マガジンのカバー画像

一四零の庭苑 1巻 完結

1,000
X(旧Twitter)で毎日書いている140文字以内の短い詩たちです。 全1000話の第1巻となります。 マガジンのタイトルの意味は、X(旧Twitter)で140文字内で書いて…
運営しているクリエイター

2023年7月の記事一覧

詩「夢儚き」

夢 夢儚き 儚きかな夢 夢のまた夢 夢夢へと続く 終わりがある 終わりがない 人には終わりがあるけれど 夢に終わりなどない それでも人は夢を見る 儚きは夢 それとも儚きは人 夢色鮮やかに色付いて 夢モノクロに色無く光と影 人は夢を見る 起きて見る夢 寝て見る夢 夢夢夢… どこまでも…

詩「積んで行く」

回る回る回る 僕は円を描くように回っている きっとそうなんだ 歩く歩く歩く 僕には先が見えない辿り付けない 遠すぎる 更に歩く 僕は迷路に迷い込んでいる きっと出られない 実感がない 成果も出ない 辛い、苦しい 逃げ出したい 気持ちが疲れたきた 志が色褪せる けれども積んで行く

詩「君と花火」

夜空に咲く花 色鮮やかに 華やかに美しく 人が咲かす花 刹那の煌めき 刹那の命 その命、瞳に映し 映し心に落とし込む 夏の夜風、頬に触れて 君の瞳の花火、美しく ときめきを押さえられない僕 その瞳、僕を映す 僕は言葉に詰まり笑顔を作る 君は「きれいね」 僕は「君がきれい」 ふたり

詩「宙に浮く」

思考をする 宙に浮く 部屋の隅の机と椅子 肘を突いてだらしなく座る 宙を見る あっちもこっちも あれもこれも あんなところまで 思考が浮かんでいる 嫌になる ため息を吐く 「どうすんだ?」 「これ」 声に出す いっそ、僕も思考の一部として宙に浮かぶか 馬鹿なことを思考する また浮く

詩「夏!!」

夏!! 心弾む 焼けるように暑く かき氷がおいしいお気に入りはイチゴ味 蒸せるよな風の夕暮れ後、夜の帳 夜空に花火は最高です 私は浴衣姿に少し照れて 夜空がきれいな花火を咲かせた後の家路 夜風が少しひんやり 貴方との別れが淋しくて 玄関で貴方からの着信 電話越しの「ただいま」

詩「僕の星」

考え込む 部屋の隅っこで膝を抱えて 視線は床から時々彷徨い宙を見る 部屋の灯りは点さず 人工の灯りは今の僕に頭から毛布を被せそうだ だから窓の外から入る明るさのみ その明るさが今の僕の心の明るさ 憂鬱 翼もない僕 心の中でも膝を抱える僕は時々上を見る 闇 星を見付けたい僕 無の刻

詩「新しい場所」

僕は新しい場所が苦手だ 馴れるまでに時間が掛かる 僕は臆病なのかな それとも神経質 新しい場所は、いつも僕を自己嫌悪にする 頭では分かっているんだ そんなに警戒しなくても 情報を集めればいいんだ 認識をすればいいんだ 分かってる でも…… 新しい場所 一度位、ワクワクしたいな

詩「私の青い鳥」

私は変わり者で 私は恥ずかしがり屋で 私は淋しがり屋で 私は人見知りもして 私はおっとりとしているから 私は言葉も上手く伝えられなくて 私は嘘も付けなくて 私は…私の悪いところを言い過ぎ! そんな時に現れた 青い鳥 青い鳥は私の言葉を運んでくれた 青い鳥ありがとう 人と話せた 2023年7月24日(月) Twitterのロゴの青い鳥が居なくなってしまいました。 少しセンチメンタルになって書いた詩です。

詩「君と僕の好き」

僕は君が好きで 君も僕が好きで ふたりはいつも一緒にいるんだ ある夏の日に僕の家の庭で 「ひまわり」と君が言う 「ひまわり」と僕も思わず口にして 「ああ、母が好きで、毎年、植えるよ」と、咄嗟に付け足した 君がにっこり笑う 「好きよ」 「僕も好きだ」 「ひまわり」と君が言う

詩「私の翼」

才能の翼が欲しいと嘆く 私は愚かだと思う 漠然とした欲求 抽象的過ぎる発想 心がほっかりと空いた 魂が闇に浮かんだ 「才能を説明してみせろ」 自分に課せる問い掛け それは…と出て来るのはこれまた抽象的な言葉 「終わりだ」 声に出す 試しに「始まりだ」と声に出す 光りが差す 私の翼

詩「人の身」

私を包んでくれ 夜空に願う 私に煌めけ 星に求愛 人の身のちっぽけな 思いは底からやって来る 思考は闇から浮上し 混沌は虚無を呼び 無ともなれぬ人の身では 廃人と掠めるが常 留まる人の身 再び夜空に問う 私は生きていいのか 私は考えていいのか 私は思うことを許されるのか 星の煌めき

詩「天を仰ぎ見る」

俺はしかめっ面して ニヒルなつもりの笑いを浮かべて 天を仰ぎ見る これは昔からの癖だ 何かに付け、天を見る 辛いんだ 苦しんだ 悲しい… 全部、天を見る理由だ 時に嬉しく楽しい時も見る 同じ顔して天を仰ぎ見る 「人生なんてそんなもんだ」 俺は台詞を決める 後、俯くのが淋しい

詩「灼熱」

昨今の夏は灼熱地獄 湯の無い湯船ならぬ街を一歩外に出れば行くことになる 立ち止まれば汗が滲み、それでも空を仰ぐと夏の空 入道雲を見付けると心躍る それが夏 日も暮れてくればと思うが風は熱風 早く夜になれとぼやく 部屋の灯りに一息 アイスにエアコン 今は最強のあたし 灼熱の夏の日

詩「人の手を取って」

僕は意地っ張りだ、意固地なんだ 僕は頑固なんだ、頑ななんだ 見栄っ張りではないけれど、人見知りで 僕は、僕は、僕 君の笑顔に誘われた 皆の笑顔に惑わされた 「なんて言い草だ」 僕は、初めて 人の手を取った 助けて貰った 出来ないことが出来た 泣いていいかな? 色んな意味で