マガジンのカバー画像

一四零の庭苑 1巻 完結

1,000
X(旧Twitter)で毎日書いている140文字以内の短い詩たちです。 全1000話の第1巻となります。 マガジンのタイトルの意味は、X(旧Twitter)で140文字内で書いて…
運営しているクリエイター

2021年8月の記事一覧

詩「勇気をください」

勇気をください 立ち止まってしまった私に 下唇を噛みしめて泣いてばかりの私に 一歩を踏み出せと言うけれど その一歩を踏み出す勇気をください 私には勇気が足りないのです どんな風に進めばいいのでしょう どんな顔をして どんな心で 勇気をください あなたがください

詩「初秋」

初秋が待ちきれずに空を見上げる 空はまだ夏の装いで雲が勢いを見せ圧巻する 私の肌は暑さに触れ 見上げた顔を視線から落としてゆく 夏は嫌いじゃない しかし秋が好きなのだ 初秋の空と雲 初秋の移り変わる自然 そして風 どれもこれも思い出す 私は踵を返し家に入る そっと瞼を閉じた

詩「何捨ててんだ」

何捨ててんだ 自分の何を捨てているんだ それは辛いよ 何が苦しい 何が辛い 何が怖い だから捨てるの? それでいいの? 納得できるの? 何を捨てたいんだ それは大切なものではないの? それは大事なものではないの? 見詰める 考える 思う 捨てるはそれからでいいんだよ

詩「泣いてたまるか」

泣いてたまるか! 泣くもんか! 下唇を噛む 歯を食い縛る 拳に力を入れる 体を強張らせて 泣いてたまるか! 目が熱くなる 食い縛るために目を見開く 目の周りに力が入って 顔は強張らせて その間に目に溜まる熱い涙 泣くもんか! 滴は落とさない 落としたくない 食い縛る

詩「打つ」

色々な言葉が私を打つ それは脳を打ち それは胸を打ち 得体の知れない力のようなものが瞳を打ち心臓を貫く ここまでくれば声を出すべきか 敢えて耐え声を押し殺すべきか そんな衝撃に耐えているとやがて言葉は私に馴染む 消化したようにどこぞに消える

散文詩「朝日」

一人で見た朝日に感動の涙を流した。 君と二人朝日を見た時、いつの間にか互いの手を取り繋いでいた。 そして家族で見た朝日は生涯忘れないと思った。 何に感謝をすればいいのだろう。 自然か、生を受けたことか。 嗚呼、何故だろう……、全てに感謝を叫びたい。 「ありがとう!」

詩「日々」

日が昇り 陽が沈み 月が顔を出して やがて隠れて行く そしてまた日は昇る 人はこの自然の流れに名前を付けた 日々と 日々は人に齎した 良いものを 悪いものを その度に人は一喜一憂した 一喜一憂を人は胸に抱き いずれは永遠に日々を終える それでも日々も人も永遠に共に在り

詩「個」

左を見ては羨み 右を見ては同情し 正面を見ては気を遣い 背後の気配に慄き 下を向く 下を向けば足下に不安を感じ 慌てて天を仰げば大空に感極まって涙する 涙するものだから零れる滴が頬を伝う恥ずかしさにまた下を向く ああ人生 誰のものだと あれを超えこれを超え 己の人生だと叫ぶ

詩「ひとりの高みへ」

上り詰めろ 孤独から行け 高みへ 昇り詰めろ 孤高の高みへと 胸を開け 己を開け 内なる自を開け 両手を広げ体の仕草から入るか 呼吸から入るか それとも目を閉じて入るのか 行け高みへ 極めて見せろ 掴め己の志