詩「個」

左を見ては羨み
右を見ては同情し
正面を見ては気を遣い
背後の気配に慄き
下を向く

下を向けば足下に不安を感じ
慌てて天を仰げば大空に感極まって涙する
涙するものだから零れる滴が頬を伝う恥ずかしさにまた下を向く

ああ人生
誰のものだと

あれを超えこれを超え
己の人生だと叫ぶ

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