「知っておきたいあの話vol.6」を終えて〜デジタルヘルスの基本のキ〜
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「知っておきたいあの話vol.6」を終えて〜デジタルヘルスの基本のキ〜

隣のアノ人ってどんな仕事をしているの?という素朴な疑問から始まったこの企画。急遽一人開催になったものの、無事6回目の開催も終えることができました。

今回は30席が数時間で満席となり、2度の増席で45名の申し込みがありました。当日にZoomリンクが無効なのが分かり、急いで連絡を取るなどドタバタしてしてまって本当に申し訳なかったです。。。

参加して下さって本当にありがたかったです。

<登壇者のご紹介>

京都大学医学部を卒業後、国立国際医療センターにて救急医として勤務され、その後PMDAに移り、医療機器の審査や開発支援に従事され、現在は株式会社MICINのレギュラトリーアフェアーズスペシャリストとして、DTx製品の開発・薬事関連業務をされている桐山さんにご登壇頂きました。

今回の演題は、「デジタルヘルスの基本の「キ」でした!

今回のイベント概要は以下のイベントサイトに詳しくありますので、ご覧になって貰えると嬉しいです!

桐山さんに登壇頂いた経緯も偶然といえば偶然で、Twitterで桐山さんが講演終わりでの感想を呟かれていて、それで講演の存在を知り、もし可能であればお話して貰えないかダメ元で頼んだことに端を発しています。

さて、今回の最大の学びといったら、デジタルヘルスの全体像について知り得ることができたことです。そして、各国のデジタルヘルスに対する姿勢、特に、日本、アメリカ、ドイツの比較をしながら理解できました。日本においても、厚労省、中医協などで色々な議論が進みつつある現状も知れたので、これからの動きを追いやすくなりました。今後は今回の講義内容を振り返りながら色々足りない部分を効率良く学ぶことが可能となりそうです!我ながら、基本のキをしることの威力を前回に続き再び認識することができた日となりました。

ここからは私のためのメモになりますので、ご興味があればご覧ください。
(もっと凄いまとめをされているかたがいるかもしれません)

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今回参加された方のおおよその属性は上記のようになっています。デジタルヘルスは製薬企業の興味を引いている現状を反映しているなと思いました。医療機器企業の方もいらっしゃたのでほっとしています。

今回の講演は、以下の流れで理路整然としっかりとまとまった内容で、進めて頂きました。

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デジタルヘルスはかなり広い概念であることは知っていました。それ故に人によってその定義が大きくことなることもあります。いわゆるデジタル治療薬は、デジタルヘルスの中の一角であるのは理解していますが、その他にどのようなものがデジタルヘルスに含まれるのかとても分かり易い分類(アメリカのデジタルヘルス業界団体の定義)を紹介頂きました。

FDAのデジタルヘルスの説明もありますが、私としてはデジタルヘルス業界団体の定義のほうがしっくりきます。

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https://dtxalliance.org/wp-content/uploads/2019/11/DTA_Digital-Industry-Categorization_Nov19.pdf

今後デジタルヘルス市場は右肩上がりで成長すると予測されていて、2008年でAppstoreでアプリを提供依頼スマートフォンが医療で活用されるシーンが増えたというのがとても感慨深かったです。
それに対応するようにIMDRF(International Medical Device Reguratory Forum)でソフトウェアでも医療機器ではないのかという議論が始まった素早さにもビックリしました。

ここでSoftware as a Medical Device (SaMD:サムディー)という言葉が使われるようになったみたいです(不確か、、、)

そして日本は昨年2020年がデジタルヘルスにおけるエポックメーキングな一年であったと桐山さんは仰っていて、その通りだなと思います。その理由としては、CureAppの禁煙補助デバイス+ソフトウェアが上市され、しかも保険償還価格が決まった点にあるというのが納得でした。

私もこの時はちょっぴり興奮してnoteを書いていました、、、

日本の政府内でのSaMDの議論が2020年から活発にされているとのご紹介もありました。
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/meeting.html

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医療・介護ワーキング・グループで議論がされているとのことで、その中の第8回の議事録はお勧めとのことなので、お時間があれば是非お読みください。以下にリンクを置いておきます。
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/iryou/20210308/gijiroku0308.pdf


現状日本でのSaMDは以下の3つに大きく分類され、予防用は今のところないようで、CureAppはデバイスも含むためSaMDとは厳密には言えないものの、保険収載されている点が他のものと一線を画すことになっています。

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その他規制上の現状や課題について
・日本でデジタルヘルスへの期待(再生医療を凌ぐ市場規模になる)があるものの、足下の日米での承認数(2021年1月時点)で5倍程度の差がある
SaMDの社会実装におけるハードルがあり、対応が進んでいる
企画段階:医療機器かどうかが分かりずらい
2021年3月:プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン発出

承認段階:審査体制が整備されていない
2020年11月:「プログラム等の最先端医療機器の審査抜本改革(DASH for SaMD)」公表
2021年4月:上記を踏まえPMDAに一元化相談窓口設置
2021年4月:プログラム医療機器審査室の設置

承認後:SaMD評価やマネタイズが難しい
議論が活発になっている
AI・デジタルヘルスの進歩を見据えた新たな保険償還制度に関する提言
プログラム医療機器に係る診療報酬上の対応の検討について

こうした取り組みの各国(日本、アメリカ、ドイツ)の比較は目から鱗というか、目を見張るものでした。

特にドイツはの考え方は多分世界の先端だなと思えるほど前のめりの制度となっています。2019年にデジタルヘルスケア法を制定(アイデアから法制化までし、まさに開発加速のためにアクセル全開といった様相です。

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上記の図は日本総研の政策提言を引用して説明されていたのですが、ドイツはソフトウェアとしての可否を審査し、その後仮償還という位置づけで有効性のデータを収集し、その後本審査により承認・本償還という流れを取っています。かなり前のめりでびっくりしました。

最後になりますが、とても印象に残った言葉があります。それは既に私たちの日常生活にデジタルヘルスは浸透しつつあるという言葉です。AppleWatchもそうですが、今後連続モニタリングなどを通じて色々な場面での利活用が進むのは目に見えていると私も思っています。

その為に行政も産業も前を向いてより良いものを作るとういうスタンスがとても大事なんだなと思いました。

講演中に参加者の皆さんからは、以下のような質問があり、それについてのQAもありました。

・医療の質の向上と医療コストの抑制につながる製品がありますか?
・SaMDと相性のよい疾患領域とかはあるのでしょうか?
・ドイツの制度に同じEU圏は追従しているのでしょうか?
・ドイツが先進的なDTxの保険償還制度を持った背景はご存知でしょうか?
・海外で実用化されたものを日本に導入するという流れは活発でしょうか?
・DTx領域でも特許切れ後のジェネリックはありえますか?

これから色々なニュースなどに触れても、今まで以上に吸収し易い下地を桐山さんに作って頂けたと感謝しております。

ご登壇ありがとうございました!


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黒坂宗久(黒坂図書館 館長)

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74年神奈川生まれ。子供時代に科学雑誌「Newton」を読み、宇宙飛行士を志すが落選。日米で免疫学を研究、製薬企業5年、トムソン・ロイターで5年勤務。現在は製薬会社にデータを提供する仕事。製薬関連やSci/Tech、仕事、日々の思い、社外活動などを発信。