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スカイとマルコ(21)・はやく、はやく

いつもより早い朝。あたしの鼻が何かを感じた。
よく知っている匂い。
懐かしい匂い。
そして、それが震えている。
あたしの毛が逆立つ。

早く、早く、行かなきゃ。

あたしは、ベッドで寝息を立てている月子さんの上にジャンプした。

「グェッ」

と、おかしな音を出し、月子さんの目がぱっちり開いた。
あたしは、「早く、早く、起きて。」と必死に伝え、月子さんのパジャマを引っ張り、ベッドから引きづり下ろした。

床に這いつくばりながら、月子さんは、「何?なんなの?ソラ、まだ、朝の4時前だよ。朝の散歩まで後3時間あるよ。」と、あたしを宥めようとした。

だけど、あたしは、玄関の方に行き、ドアをカリカリと引っ掻き、ここから出せ、出せ、出せーーーー!と、暴れた。

いつも冷静な月子さんも、あたしの異常さに驚き、オタオタし、床を何回か、ぐるぐる歩き回りながら、「どうしたらいいんだ?どうしたらいいんだ?」と呟いていたが、意を決したように、着替え始めた。
その間も、あたしは、玄関周りをグルグルし、「ワオン、ワオン=早く、早く」と吠え続けた。

ようやく、月子さんが、あたしの首輪にリーシュをつけ、玄関を開けた。
あたしは飛び出した。

月子さんが、必死でリーシュを掴む。

あたしは月子さんを引きづるように、走り続けた。

あたしの鼻がその匂いを失わないように、気まぐれな風に惑わされないように、全集中する。
微かな匂いのカケラ。それでもあたしには分かる。とっても、とっても、大切なもの。

あたしと月子さんが毎朝行く公園の方向。匂いが強くなる。

どこだ、どこだ、どこだ?

ベンチの下?草むらの中?木の根っこ?

あ、あそこだ。

あたしは、水飲み場の方にダッシュした。





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