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犬はため息をつかない

相方のため息の音で目が覚めた。

その後、バタバタ、ゴシゴシ、どうやら、愛犬(保護犬なので年齢不詳、だけど、間違いなく老犬)コーディが、カーペットで粗相をしてしまっていたらしい。最近、粗相が多くなった。きっと、内臓も弱くなり、足腰も衰え、前は当たり前に出来ていた”我慢”が出来なくなっているのだろう。

そろそろ、オムツも考えた方が良いのかな。

なんてことを考えている間も、相方はため息をつきつき、せっせとカーペットを掃除している。

そう言えば、昨夜もため息ついていたな。

一昨日もついていた気がする。

仕事、職場環境、そして、今のニューヨーク生活、全部、ストレスなのかな。自分の中に溜まっていくごみの様な感情を、ため息という形で吐き出しているのかな。それは自分を守るためかもしれないね。

だけど、ため息の中には、新型コロナウィルスは混じってないけど、きっと、ネガティブウィルスが混じっている。それが空気中に舞って、それを私も吸い込むと、それはまるで感染するみたいに、私の心も毒される。気がつくと、ほら、私もイライラしている。

私も修行が足りんなぁ。

と、ため息が出た。(すごい感染力!)

そんな未熟な私の横で、コーディはいつもの、”そんなの俺の知ったことか。”という風貌でスヤスヤ寝息を立てている。

そう言えば、犬ってため息つくのかな?

そもそも、動物ってため息つくのかな?

ため息をつく鳥?・・・ないなぁ。

トカゲは造形的にため息つけなそうだし。魚はため息どころか、えら呼吸だ。

きっと、ため息は人間だけがつくものなのかな。つまり、人間は動物より、ずっと未熟だってことかもしれないね。


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