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スカイとマルコ(17)・それは突然やってくる

その日の朝、僕はなんだかザワザワした。嫌なことが起きる。
僕のその予感というか予期は大抵当たる。

時枝さんは、そんな僕の心配など全く気づく様子もなく、いつも通り朝7時に起き、「ああ、今日も良い天気ねぇ。」と、窓を開けて、朝日を浴び、「さて、まずは朝のお散歩行こうかしらね。」と、僕を見て、にっこり笑った。

僕は、行かない方が良い、動かない方が良い、と一生懸命、時枝さんのズボンの裾を噛んで、引っ張ったけど、時枝さんは、「あらあら、今日はどうしたの?朝から、珍しく、遊びたいの?後で、引っ張りっこしてあげるから、まずは、朝はお散歩行きましょう、ね。」と、全然、分かってくれない。

結局、僕はいつも通り、ハーネスとリーシュをつけられた。

嫌な予感はどんどん強くなる。

「えっと、うんち袋も持ったし、お水も持ったし、さて、今日もい、き、ま、す、か、か、か、か、か。」

時枝さんの独り言の最後の方が、おかしな調子になった。
目を見開き、僕の方を見て、困ったような心配なような、顔をしながら、2、3歩と、僕の方に向かったと思ったら、崩れ落ちた。

僕は、急いで駆け寄り、一生懸命、吠えた。

「ママ、ママ、時枝ママ!!!」

時枝さんは、そんな僕の必死な叫びに対して、大きないびきをかきはじめた。その大きないびきは、不穏な音でしかなく、僕をパニックにさせた。



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