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エッセイ:ぜんぶ

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愛犬の話、ニューヨークの話、ランニングの話などなど、その時々の気になったことをつらづらと書いています。
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#ニューヨークで犬と暮らす

パーフェクトドッグ・理想の犬

30代になり、初めて、自分だけの犬を飼った。 ずっと不定期なスケジュールの仕事から、土日休みの会社員となり1年が過ぎ、この会社に長く勤めそうだと思い、飼う決心がついた。 子供の頃から動物が大好きで、いつも、犬、猫、鳥などを飼っていたが、大学から一人暮らしになり、ジプシーの如く、引越し、転職、それも、社会人になってからは、海外でそれを繰り返すような生活をしていた自分がペットを飼うなど言語道断だと自覚していた。だけど、ようやく、落ち着きそうな自分の人生となり、犬を飼う勇気が湧いた

あれこれ考えず、とにかく、遊べ

6月といえば、くるみ(愛犬)が生まれた月。 でも、くるみは保護犬なので、いつ、どこで生まれたかは謎。 私と出会った8月24日の方が、記念日としてしっくりくる。 ※3年前のくるみと私の成長期はこちらから↓ それはさておき、くるみは今月3歳になる。人間の年齢では28歳ぐらいだそうだ。あの、からだは超小粒なのに、怪獣の子供か?!ってぐらいお転婆で怖いもの知らずの仔犬だったのに、すっかり、お姉さんって年齢じゃないか。確かに、最近は、誰彼かわまず、飛びついたり、犬同士で、はしゃぎまく

犬の正体

「このバカ犬!何度言ったら分かるんだ。」 「頭が良い犬っていっても、人間の2、3歳児ぐらいの知能なんだって。」 なーんて、言葉を聞く度に、「本当にバカなのは人間なのではないだろうか?」と気持ちになる。 だって、考えても見て欲しい。 自分が、いきなり、アマゾンやアフリカの文明を拒絶した村とかで暮らすことになって、数ヶ月で、その原住民達の言葉や常識が理解出来ると思います?ちなみに、ある程度、文明レベルが同じアメリカに30年近く住む自分ですが、未だに、英語もアメリカ文化、常識も

私と保護犬くるみの物語:あたし、2歳になりました。

もう20年以上、犬と暮らしている。 くるみは、3匹目。 最初に飼ったロングヘアーチワワのミルキーは、仔犬の頃に出会い、13年以上一緒にいた。私の30代から40代前半の独身時代を支えてくれたワンコ。仕事も遊びもフル回転だった時代の私によくまぁ、文句も言わず(犬だから言えないけど・・・)ついてきてくれた。一番有り難かったのは、私のがん治療中、休職して1日のほとんどをアパートで過ごさないといけない時期、一緒に側にいてくれたこと。ミルキーのお陰で、世界から取り残されるような気分に全

わたしのレスキュードッグ

ミルキーが死んだ。 私がニューヨークに住み始め、10年経ち、生活が安定した時に飼う決断をした初代わんこ。マンハッタンの狭いアパートで、シングルマザーで育てられる様、飼いたい犬ではなく、飼える犬として、ロングヘアーチワワのミルキーをブリーダーから買った。そのミルキーと過ごした13年と10ヶ月が、2016年12月に終わった。 その2年前、私は乳がんを発症した。会社を半年間休職し、治療に専念することになったが、長い時間アパートのベッドで過ごす私の側には、常にミルキーがいた。そんな

私と保護犬くるみの物語:わたし㉖”犬も赤ん坊も泣く(鳴く)のが仕事”

くるみが生まれて9ヶ月、うちの子になって7ヶ月が過ぎた。 あんな言う事聞かずのガウガウ仔犬が、今ではかなりのお利口ちゃん。食い意地レベルがすごいのは変わらずだし、その延長上にある拾い食いも、まだまだ目を光らせてないといけないレベル。だけど、ほとんどのコマンドを理解し、出来るようになっているから、ママちゃんは、日々、「Good girl!」を連発している。 だけど、ひと月ほど前から、アパートの廊下を誰かが通ったり、ドアの開け閉めの音がしたりすると吠える様になった。それ以前は

私と保護犬くるみの物語:わたし⑳”スィートボーイズと・・・”

2週間前ぐらいから、くるみの口が臭くなった。 ドブの様な、古い雑巾を絞った様な臭いがする。ああ、これが、獣医のしんご先生が言っていた、”歯の生え変わり時期は口が臭くなる”ってことか。うん、確かに臭い。そして、咥えたオモチャに血がつく様にもなった。血の臭いが、この臭さの原因なのかもしれないな。 ”乳歯が抜け、永久歯に生え変わる。”=”パピー(仔犬)から卒業”を意味する。 そう、くるみはこのひと月で身体も心も恐ろしく成長した。身体は、うちに来た時から約4倍弱大きくなった。心

私と保護犬くるみの物語:くるみ⑲”あたちはアレが大嫌い”

あたちの一番気に食わないもの。 ママちゃんやパパちゃんがずーーっと手に持っている四角いヤツ。あれ何? いっつも、いっつも、あれを観て、ニヤニヤしたり、手でナデナデしたりしてる。くるみが目の前にいるのにだよっ! で、突然、アレをあたちに向けて、「Wait(止まれ)」とか言う。すっごく嫌な感じ。だから、最近は、わざと目を瞑ったり、しかめっ面をするようにしてるの。 お散歩中も、他の飼い主さんもよくアレばかりを見ているのに気づく。あたちは、道路に何か良いもの落ちてないかなーっ

私と保護犬くるみの物語:⑭わたし”自然の中に身を置く効果”

ちょいと育児ノイローゼ気味になっておりました(笑)。 2、3週間前からくるみの身体は急激に成長し、がっつり筋肉質な体つきになり、噛む力も強くなっていった。本人(本犬)は、恐怖期という時期の前で恐怖を感じられないからか、それとも、元々、気が強い性格なのか、甘噛みを怒っても、無視しても、立ち向かってくる。どうやら、それすら遊びの一種だと思っている節がある。 だけど、うちに来た時よりはガウガウは減ったと思っていたので、犬好きの友人をうちにご招待。しかし、、、 ・・・甘かった。

私と保護犬くるみの物語:くるみ⑬”昨日のあたちはあたちじゃない。”

昨日のあたちと今日のあたちは全然違う。 自分でも分かる。ベッドが小さくなったと思ったけど、違う。あたちが大きくなったんだ。あたちは自分の丸いベッドを二つに折って、抱っこして寝るのが好き。昨日まで、「うんしょ、うんしょ」と必死に折り曲げないと出来なかったのに、今日は超簡単に出来た。 そして、あたちのウンチをママちゃんとパパちゃんが食べているって思っていたけど、それが違うってことも分かった。あたちのウンチは、トイレってものに食べられていた。お水がグルングルン出てきて、あたちの

永遠のわんこ。

その日は必ずやってくる。 それはコーディをアダプトした時から知っていた事だ。そして、その日は、そんなに遠い未来ではないとも。 2017年2月25日、この日がコーディの誕生日。私たちがアダプトした日。 1年目、痩せこけ、皮膚病で顔以外の毛がない状態から、徐々に回復し、絹の様な美しい毛のわんぱく坊主になった。2年目の夏に、胸に急に腫瘍が出来、手術をした。幸いにも癌ではなくて、ホッとした。しかし、その頃から、前から問題のあった肩関節や腰が徐々に悪化し、散歩の距離が減っていった