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エッセイ:ぜんぶ

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愛犬の話、ニューヨークの話、ランニングの話などなど、その時々の気になったことをつらづらと書いています。
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#犬との暮らし

あれこれ考えず、とにかく、遊べ

6月といえば、くるみ(愛犬)が生まれた月。 でも、くるみは保護犬なので、いつ、どこで生まれたかは謎。 私と出会った8月24日の方が、記念日としてしっくりくる。 ※3年前のくるみと私の成長期はこちらから↓ それはさておき、くるみは今月3歳になる。人間の年齢では28歳ぐらいだそうだ。あの、からだは超小粒なのに、怪獣の子供か?!ってぐらいお転婆で怖いもの知らずの仔犬だったのに、すっかり、お姉さんって年齢じゃないか。確かに、最近は、誰彼かわまず、飛びついたり、犬同士で、はしゃぎまく

私と保護犬くるみの物語:わたし㉔”救われているのは誰?”

2月は私にとって特別な月だ。 ほぼ20年前に出会った先先住犬のミルキーの誕生日が2月24日。 そのミルキーが2017年12月にお空に旅立った後、フォスターボランティアとして出会ったコーディがうちにやってきたのが翌年2月25日。アダプト後、その日をコーディのお誕生日に決めた。 そして、去年の2月27日、コーディがお空に旅立った。 2月に入ると、色んなことを思い出し、色んな気持ちが湧いてくる。 特に最近は、”去年の今頃はまだコーディは生きていた。そして、日々、衰弱してい

私と保護犬くるみの物語:くるみ㉓”そんなお年頃なの”

あたちが生まれて7ヶ月が過ぎたみたい。 歯の生え変わりも、ほぼ終わり、あたちはピカピカの大人の歯になって、ますますご飯やおやつを食べれるようになった。 だけど、なぜか量は変わらない。ううん、変わらないどころか、3回あったご飯の時間が、2回になった。どうして?うちはビンボーになったの? 「くるみの胃も大きくなったから、1回の量を増やしたの。だから、朝と夜だけで、3回分がちゃんとあるのよ。」 ママちゃんがそう言うけど、なんか、騙されている気がするー。 でも、くるみは良い

新米フォスター奮闘記5:「キルシェルターの現実」

猛省から間も無くひと月。頭の中は、常にわんこの事でいっぱいだ。 ほぼ毎日、フェイスブックのレスキュー団体からの投稿を見てしまうのも大きい。このSecond Chance Rescue(「2度目のチャンス」という名前のレスキュー団体。非常に意味深い。)は、シビアなケースの仔達へのサポートを沢山扱っており、NYCのキルシェルターに入っていて、”もう明日の正午までに誰かフォスターかアダプトしてくれないと安楽死させられちゃうよ。誰かこの仔を救って。”、という投稿がよくアップされる。

新米フォスター奮闘記4:猛省

実は、フォスタードッグ2匹目の「マライア」編は、相方と書くかどうか迷いました。 自分たちの恥、失敗を晒すのはどうか?とか、慰めの言葉をかけてもらいたいのか?等、色々意見はあったけど、私は敢えて、「書きたい」と思ったのです。理由は、失敗から学ぶものがたくさんあり、また、それをシェアしたいと思ったから。 ”フォスターボランティア、色んな犬猫と過ごせて楽しいよ〜。” って言う発信で、このボランティアに興味を持ってくれたら嬉しいし、それにより1匹でも多くの動物たちが幸せな一歩を

新米フォスター奮闘記3:マライア⑤

「セントラルパークへ連れて行く。」 レスキューのインストラクションを破ることになるけど、この仔にはそれが必要な気がする。きっと、緑の中の芝生や土の上なら、きっとこの仔も安心して歩くはず。 私の取り憑かれた様な説得に、相方も仕方なく付き合うことになった。 うちからセントラルパークまで800メートル程度の道のりを、私が前を歩き、その後を相方とリーシュをつけたマライアがついてくる様にした。立ち止まりそうになるマライアに声をかけ、褒めちぎり、何とかかんとかセントラルパークに到着

新米フォスター奮闘記3:マライア④

私たちに慣れてきた内弁慶のマライヤの甘噛み癖が酷くなってきた。靴箱から、私たちのランニングシューズを引っ張り出し始めた時には心臓が縮んだ。急遽、近所のペット用品店で、プラスチックというかゴム製のイガイガのついた噛むおもちゃを購入し与えた。ローハイドや骨、豚耳は与えてはいけないとレスキューから言われているのは、喉に詰まらせたりしない様にだと思うが、大きめのを与えておけば大丈夫じゃないかなぁ、とか思ったりした。というのも、ゴム製のおもちゃは最初は飛びつくが、どうやら私たちの手足の

新米フォスター奮闘記3:マライア③

"寝る時はクレートに入れて寝かして下さい。" と、レスキューのインストラクションに書いてある。だから、そこで寝かすようにするのだが、ドアを閉めると鳴く。クンクンぐらいなら可愛いのだが、甲高いキャーン!キャーン!という音なので耳を塞ぎたくなるレベル。 仕方なくクレートのドアを開けたまま就寝となったのだが、相方は何かしでかすのではと気になり過ぎていて中々寝付けず、ずっと、ソファーで見張っていたようだ。 気がつけば、マライヤもソファーに上がってきて、相方の腕枕で寝たりの初日で

新米フォスター奮闘記3:マライア②

土曜日午後2時過ぎにレスキューからドロップされた際、「臭いがあるから、洗ってあげてね。」と言われたので、軽くご飯とお水を与え、少し落ち着いたかなと思った頃、シャンプーをしてあげることにした。 だが・・・どうやら、生まれてからこの方、水に濡れる経験がなかったらしく、異常に怖がり、暴れまくるは、しがみついてくる。爪は一度も切られたことも、コンクリートの上を歩いた経験もないらしく、先が尖ったままだ。ぎゅっとしがみつかれるだけで痛い。相方は、Tシャツ着たままの抱っこ状態でシャワーで

新米フォスター奮闘記3:マライア①

さてさて、次の仔がやってきました。マライヤちゃん、3ヶ月と1週間のパピーです。 この仔は、黒ごまきな粉(ザンとザブ)とは別のレスキュー団体セカンドチャンスレスキューから預かる仔で、犬種はラブラドールミックスとなっているけど・・・うーん、この大きく垂れたお耳は、ハウンドが入ってる?手足がしっかりしていて、肉球も丸々と仔犬だけどデカい。これから、大きく成長していくのが約束されている感じである。 ただ、現時点では、抱っこ出来る大きさなので、マンハッタンのワンベッドルームでも大丈

新米フォスター奮闘記2:移行期間

黒ごまきな粉がフォーエバーホームを見つけて1週間経過。 なに?この喪失感。 あの仔達は幸せになったんだ。それが私の目的だったんでしょう? 自分に言い聞かせる。だが、ずっと”後悔”という文字が私の頭の中を巡る。 これは何なんだ?自分は、4ヶ月前に愛犬を失い、まだ次に進めないと思っていたから、フォスターボランティアをしたんだよね?他に行くところがない仔なら、うちでと思っていたけど、あの仔達ならそんなわけもなく、あっという間に貰われて行っちゃった。それは、ハッピーなことのは

「新米フォスター奮闘記1」黒ごま・きな粉(完)

え、何、この人たち、支払いをしたって嘘ついてる?それとも、電子送金アプリに慣れてないだけ? 「レスキューに確認したけど、まだ、送金確認出来ないって。」 二人に伝える。あまり攻撃的な物腰だと、逆切れされても困るから、ナイスなフリをする。 エドさんが、ちょっと顔をしかめ、再び、iPhoneをいじる。その間、ずっと一言も口を聞いていない杖を持っているパートナーの方に話しかけてみた。どんな人物か探るのが目的だ。 マスク越しで、イマイチ、表情が読み取れないが、エドさんよりは悪人

「新米フォスター奮闘記1」黒ごま・きな粉⑤

5日目🐕 きな粉は、ずっと私の側にくっついている。 キッチンには入っちゃダメと言っても、洗い物をする私の足元で寝そべっている。ソファに座れば、ペタンと横に。 私たちは、黒ごまのいない隙間を感じないように、くっついている。 午後2時ちょっと前、きな粉のアダプター候補のエドさんが、待ち合わせ場所に到着したと連絡が来た。心臓がキュッと縮む。 きな粉を連れて、アパートを出る。きな粉は黒ごまと違い、自分でテクテクと歩く。待ち合わせ場所に到着し、キョロキョロしていると、近くのベ

「新米フォスター奮闘記1」黒ごま・きな粉④

3日目🐕 朝から大騒ぎの黒ごまきな粉達。部屋中を駆け回り、ソファーにジャンプし、ソフトケージをぶっ壊す勢いで、プロレスごっこに興じる2匹。すっかり、我が家に慣れたらしい。 相方も私も言い出さない心の声。 ”どうする?うちで2匹飼っちゃう?” フェイスブックに黒ごまきな粉のことを投稿していたから、ワン友から、執拗に、「さっさと引き取れ。」的なメッセージが届く。だけど、これじゃぁ、コーディの時の二の舞だし、この仔達なら、きっとすぐに良いフォーエバーホームが見つかる。だった