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Vol.01 憧れのEOS-1vを手にして。

今から21年前の3月、2000年(平成12年)に発売されたCanon EOS-1v HSを令和のこの時代に初めて購入したので触った印象、ファーストインプレッションを書いておこうと思います。

EOS-1vへの想い

EOS-1vは2000年に発売されたCanon最後にして最高のフィルムカメラ。発売当時は高校生でお金なんて無かった自分(※1)はEOS -1vのカタログを眺めてはまだ珍しかったマグネシウム合金製のボディ、視度調整ダイヤル、45点エリアAF、そしてフラッグシップ然としたデザインにただ憧れてるだけでした。

※1 EOS -1vのメーカー希望小売価格は27万円。アルバイトの時給が地方のスーパーで高校生750〜780円程度の時代、またレギュラーガソリン98円/Lが高いなぁと思える時代です。←記憶の中の思い出ですので違ってたらごめんなさい。

EOS-1vのカタログをボロボロになるまで読み、古くなればカメラ屋に行って新しいカタログを持って帰り、またボロボロになるまでページを捲る。

カタログが唯一、EOS-1vと自分が繋がっていると感じられるものでした。


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      ↑購入したEOS-1v HS完動美品で約45,000円でした。


そんなEOS-1vは地方の片田舎のカメラ店に置いているわけもなく、親父から譲ってもらった初代EOSKissやEOS-5 QDとはここが違うから握り方はいいんじゃないのか、内蔵フラッシュは付いてないから購入する時にはストロボが要るなと考える時間が至福のひと時でした。

そんな雲の上の存在であったEOS-1vも発売から21年も時が経てば中古でこなれた価格になり手に入りやすくなっているのではと考えるようになったのは20年の夏頃。

なんの気無しに入った中古カメラ屋でEOS-1Nを見たときでした。

形状が似ていたことが原因でしょうか、すぐに21年前に穴が開くようにEOS-1vのカタログを見ていた自分を思い出した事がきっかけでした。

あのお店でEOS-1Nを見かけていなければ1vを購入しようなんていう思いはきっと心の中から湧き上がってくることはなかったでしょう。EOS-1Nでもきっとスペック的には満足したと思います。でも自分の中では21年前に惚れたあのフォルムのカメラがやはり欲しいと1Nの購入はせずに1vを探す旅に出ることにしました。


EOS-1vとHSどっちを買うか、どっちが買えるのか。

色々なサイトでEOS-1vの中古を探す中で自分に必要なEOS-1vはバッテリーグリップのついていないノーマルタイプなのか、高速連写ができるHSタイプか。でまず一つ考えました。

しかし今の時代フィルムを高速連写することはランニングコストの面から考えてもナンセンスですので自分が選ぶのはノーマルのEOS-1vと絞り込みました。

けれど中古市場にあるものの多くはHSタイプです。

そうですよね。今よりフィルムが安くどこでも売ってた時代のカメラです。小学校の運動会なんかではお祖父ちゃん、お父さん達がみんなフィルムで連写してたそんな時代もあったんです、ビギナーやハイアマチュア向けではない真のプロフェショナル機のEOS-1vは最高10コマ秒連写の必要な方が購入した機体。自然と中古市場にもHSタイプが多くなるのは当たり前のことですがHSタイプは今の実情には合いません。

感覚的にEOS-1vとEOS-1vHSでは中古市場在庫比2:8くらいではないでしょうか。そして綺麗なEOS-1vは少なく、お値段も8万円〜10万円程度。ボロボロなら4万円〜7万円と言ったところでしょうか。

しかしHSタイプは比較的綺麗でも5万円〜7万円くらい。

HSタイプは人気がないんでしょうか、やや安めの印象でした。HSなら綺麗なものが比較的安く買える、ノーマルの方がいいけど綺麗なものは高い。どうしようかと考えていた時にすでに売れてしまってはいましたがEOS-1v HSに付属品でノーマルグリップがついてる画像を見つけました。

「そうか、ノーマルグリップを手に入れてEOS-1v HSを買えばどっちも使えるし費用を抑えられる!!」

すぐにノーマルのグリップを探すとあっさり見つかりました。

フリマアプリで「GR-E2(ノーマルグリップの名称)」を入力したら3件ヒット。その中で一番安いものを約4,700円で購入し、届いたその日にEOS-1v HSを購入しに車を走らせました。

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   ↑届いたGR-E2グリップ。ベタ付きも傷もほぼない美品。

実はネットでGR-E2を探し当てた日の前日、家から車で一時間ほどのカメラ店のHPにEOS-1V HSが売りに出されているのを見つけ、見に行ってました。

ボディーに傷という傷もなく、擦り傷すらない個体(底面に少しだけ擦り傷が見つけれたくらい)。お店で動作チェック済、低速シャッターもきちんと動いており液晶漏れもなく1点以外は気になるところがない個体でした。

その気になる1点が価格です。こんな美品で約45,000円(税込)。そして安さの理由が現状渡し返品不可だから。

話を聞くとキヤノンのメーカー修理補償が20年11月1日以降は部品の在庫状況次第で対応できなくなり販売店としては6ヶ月間の修理補償をつけられなくなったので安くしたとのことでした。

その日は購入を保留しましたが(まだグリップを別で買うことは思い付いてない)、あんな綺麗な個体は見たこともなく、現状渡し返品不可さえ許容できれば今まで見てきた EOS-1v HSの中ではダントツ購入意欲を沸き立たせてくれるカメラでした。

保留した日から3日後、その EOS-1v HSを購入することに決めました。GR-E2グリップも手に入れ、自分の使い時にどちらも使える1台として。

最後に

この文章を書いている机の上には EOS-1vを置いています。吸い付くようなグリップは意味もなく握りたくなり、丸みを帯びたフォルムに何度も目を奪われ、マグネシウム合金製のボディーの重みを感じるためにただただカメラを構える。こんな日が来たことに幸せを感じます。

21年前とは逆で今は穴が開くほど読み込んだカタログは手元にありません。けれど本物の EOS-1v(HS)が手の中にあります。

デジタル全盛の世の中、AFのフィルム一眼レフカメラを購入するのはあまり賢い選択ではないのかもしれません。

それでも21年前に夢見たカメラを購入できた事は自分にとっては最新のデジタルカメラよりも意義のある事だと思います、また意義のある人生にしていかなければいけないとも思います。

これから EOS-1vで撮った写真や他のフィルムカメラのことなど思いのままに書いていければと思います。よかったらお付き合いください。


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