認知症を「学ぶ」
さてさて。母(60代)が「認知症疑い」な状態なのですが、ふと気づいたわけです。
そもそも「認知症」ってなんなんだ?と。
認知症のイメージは「いろんなことを忘れる」とか「ボケちゃう」とか「徘徊する」とかそんな程度のものしかない。
でも「認知症は怖い」「認知症になりたくない」というネガティブなイメージを持ってしまっている。
恐怖や不安などネガティブな感情に共通するのは
「無知」なこと。
そこで、お勉強大好きな私は「認知症」について学ぶことにした。
母の様子がおかしくなってからというもの、毎日母のことや認知症のことを考えている。
出先でなにげなしに本屋さんに立ち寄って見つけたのがこの本
マンガ 認知症 (ちくま新書)
ニコ・ニコルソン (著), 佐藤眞一 (著)
「マンガ」とついているとおり、ニコ・ニコルソンさんのほんわかしたマンガで描かれたエピソードのあとに佐藤眞一先生の解説文が続く構成。専門的な用語も出てくるけど、認知症の知識が少ない人でもすんなり読める文章なので全く苦にならない。
文章を読むのが苦手な人はマンガ部分を読むだけでも十分内容は理解できる。
なにより素晴らしいのは最後にある「行動から探す」ページ。
この本は読み物としてだけでなく「認知症辞典」としても使えるのだ。
本の帯にも書いてあるんだけど、
「あなたの身近な人が認知症になっても、もう必要以上に、怖がらない、悩まない、苦しまない。」
この本を読むと本当にこんな風に考えられるようになる。
そういえばこういう行動を取っていたな。これはこういうことだったのか!こうすればいいんだ!
という、認知症の人が取りやすい行動&その理由&対処法を教えてくれる本なのだ。
まだ母の様子がおかしくなる前にもいろいろな兆候が出ていたのに、「無知」だったから私は気がつけなかった。もっと早く気づいていればここまで進行しなかったのかもしれない。と後悔するところも多いけれど。
でも、もう起こってしまったことはしょうがないのでここから先どうすればいいかを考えるためのサポートをしてくれる本だと思う。
まだまだ母はこの本に出てくるおばあちゃんみたいな状況ではないけれど、歳を取るとともにそうなっていくかもしれない。でもこの本のおかげで「認知症」について知ることができたし、対処法も学ぶことができた。それが基礎の基礎であったとしても全く知らないよりいい。
悶々と日々ネガティブな感情のまま母のことについて悩んだり考えたりしていたけど、この本がポジティブな感情を呼び起こしてくれた。今すごく心強い存在だ。
気になった言葉や対処法にはフセンをつけてみた。
これも帯に書いてあるんだけど
「”?”が浮かんできたら何度でも。辛くなったら、また手に取ってください。」
この本は辞典みたいに、辞書みたいに何度でも読み返すことになると思うから何度も読み返します。そうなってくるともうフセンじゃなくて直接線を引いたり書き込んだりしようかなとも思ってます。
この本に私自身の経験を書き込んでおけば、また次に私を介護することになるであろう人になにかヒントを伝えられるかもしれない。
この本を読んで私なりの母へのケアは「会話すること」だと考えた。本の中でも「会話は大事」というフレーズが何回も出てくる。今は週に1回の電話(しかも内容はいつも同じで5分以内に終わってしまう)のみだけど、世の中が落ち着いたらもう少し母と会話する機会を増やそうと考えている。
そして、お勉強好きな私の次のターゲットはこちら
認知症ケア介助士という民間資格。
資格を取るかどうかは別として、もう少し踏み込んだ知識やケア方法を学びたい。
母のためだけでなく、人生100年時代である今後、認知症の人は確実に増えていく。だから認知症の人が周りにいたときにスムーズに動けるようになりたい。周りの人が困惑してしまったら、認知症の人はもっと困惑してしまう。知識を持っていれば少しでも助けになるだろうから。
もちろん自分のためでもある。
母のこともあるけど、祖母も認知症だったことを考えると私が認知症を発症する可能性はかなりの確率だと思う。まだ頭が働く間にたくさんの知識を得ておいて、対処法について自分のエンディングノートに書いておくことにする。
我が家は子供がいないので、老後についての対処は第三者にお願いすることになる。エンディングノートに記載しておけば、第三者でも事務的に対処することができるだろう。
それまでに頭の中身を全部コンピューターに入れる技術が普及するといいなぁ。コンピューターの中で生き続けるのもどうかとは思うけど。でも考え続けたいなぁ。
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