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弓歩の後ろ足(その2)

弓歩になるときに後ろ足で押す動きがあります。そのときに、後ろ足の親指の付け根である拇指球で押してしまい足の内側で踏ん張ってしまう人が多いですが、これは間違いです。正しく踏ん張るには外側を使います。

なぜかというと、弓歩で力を出す方向、押す方向は前方のように見えます。西洋式のスポーツであれば、前方向のみに最大の力を出せば良いので、拇指球に力を込めて踏ん張ります。一方で、太極拳では前だけでなく、上にも右にも左にも、さらに後ろにも力を出します。あらゆる方向へ力を出している掤勁です。なので力の中心は身体の真ん中、丹田にあり、そこから四方八方へ広がる力となります。そう考えると、力は中心から外側に向かうので足の内側ではなく、外側で踏ん張るイメージができると思います。最初に「見えます」と書いたのは、たまたま目につきやすいのが前後の方向なのですが、実際には力は全方向へ向かっているからです。

前後の動きだけに気を取られていると、指導者クラスの人でもだんだん内側を使う癖がついてしまいます。日常生活の慣れた動きを使うと、内側で押す方が楽だからです。でも、太極拳では日常の使い方を離れて、武術的な動きができるようになるのが目標となります。もう一度、自分の後ろ足を意識してみてください。この使い方を意識すると、かなり太極拳の動き、力の出し方が変わると思いますので、変化を楽しんでください。

これは楊式太極拳とか楊式をベースにした簡化太極拳(24式)や鄭曼青の37式などについて言えますが、その他の太極拳についてはよく分からないので指導者の人に聞いてください。

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