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【読書メモ】結局、自分のことしか考えない人たち: 自己愛人間への対応術(サンディ・ホチキス)【#63】

周囲に、自分のことしか考えない人たちが多いなと思ってこの本を読みましたが、決して、最近のZ世代がそうだということではありません。むしろ、老人やおじさんおばさんに多い印象です。

そう思いながら読んでいると、第4部に歳をとるほど酷くなるというようなことが書かれていたので、もともと素質のある人が歳をとってさらに酷くなっているんだろうなと納得しました。

身近に強烈な自己愛人間が2人いて、長年被害に遭って来たので、読みながら何度も頷きました。そして、自分が最終的にたどり着いている対処法が、割と正解だったことに安心しています。

まず、最初に以下のように自己愛人間の7つの特徴がまとめられています。

第1部 自己愛人間の7つの大罪
大罪その1 恥を知らない
大罪その2 歪曲して、幻想を作り出す
大罪その3 傲慢な態度で見下す
大罪その4 ねたみの対象をこき下ろす
大罪その5 特別扱いを求める
大罪その6 他者を平気で利用する
大罪その7 相手を自分の一部とみなす

簡単にまとめると、自己愛人間というのは、自分が特別で、素晴らしい人間だという自分勝手な自己像を思い描いて、その錯覚や幻想の中で自己中心的に行動する人たちのことです。彼らは、現実を歪曲して、特別扱いを求め、相手を利己的に利用し、傲慢な態度で他人を見下し、自分と他者の境界意識に乏しいという特徴があります。

僕の知っている強烈自己愛人間も、絶対に自分の失敗を認めないで、現実を捻じ曲げて責任転嫁をしています。他人は絶対に信用しない(都合よく解釈する)し、相手の都合は考えずに、自分の役に立つところだけ利用しようとします。いつも他人の悪口を言って見下していて、人を馬鹿にしたような発言をしています。冷静に見ると頭がおかしいのがすぐに分かるので友人はいませんが、立場や状況を利用して、相手の罪悪感をうまく操って思い通りに動かそうとしています。

そういう人に利用され続けて来たので、色々対処して来たところ、この本では以下の4つの戦略にまとめられていました。

第3部 自己愛人間から身を守る4つの戦略
戦略1 自分を知る
戦略2 現実を受け入れる
戦略3 境界を設定する
戦略4 相互関係を築く

戦略1 自分を知る 〜サバイバルのためのポイント〜
1. 相手が自己愛人間であるという正体がわかれば、自分の身も守りやすい。
2. 彼らと一緒にいて不快感や激しい感情を覚えたときには、過去のどの「弱みのボタン」を押されたのかを自分に問いかけてみよう。
3. 彼らがあなたを利用して恥の意識を処理したプロセスについて考えてみよう。あなたはただ、彼らが恥の感情を処理する手段に使われただけにすぎない。
4. 「相手の精神年齢が2歳なみだ」と思うことが役に立つ。
5. 彼らに異議を唱えたり、説教したりしない。
6. あなたが投影を跳ね返したことを、心の中で十分に確認すること。

戦略2 現実を受け入れる 〜サバイバルのためのポイント〜
1. どれほど魅力的に見えたとしても、自己愛人間と彼らの非現実的な世界を避けよう。
2. 理想化した姿ではなく、相手の本当の姿を見ることが大切だ。
3. 自己愛人間が誰かに対して、嘘をつく、だます、見下す、傷つける、裏切る、利己的に利用するという行動を見せたら、次の相手はあなたかもしれない。
4. 相手の人間性を変えられるとか、自分のために変わってくれる、などという幻想は捨てよう。
5. 自己愛人間に対する自分の弱点を認めるとともに、自分の長所もきちんと認めることだ。あなたの幸せを妨げているのは、あなた自身かもしれない。

戦略3 境界を設定する 〜サバイバルのためのポイント〜
1. 境界を設定する際の秘訣はコントロールである。相手はあなたよりも人を操る術に長けているから。入念に作戦を練っておこう。
2. 相手と対等の立場に立って、自分の気持ちや意見、権利をはっきりと伝える「アサーティブ」は、相手が自己愛人間の場合には効果がない。
3. 衝動的な行動や仕返ししたいという欲求を抑えよう。大切なのは、あなたの気持ちがどれだけ楽になるのか、という点であることを忘れない。彼らの反応に対処するためには、あなたの側の冷静な態度が不可欠である。
4. あなたが自分で自分の人生をコントロールしようとし、自己愛人間の心の平静を乱すとき、相手は必ず何らかの対抗手段に出る。
5. いったん設定した境界は、何が何でも守り抜く。

戦略4 相互関係を築く
自己愛人間の毒から身を守る最も効果的な方法とは、そもそも彼らと深く関わらないことである。それが無理なら、なるべく関わらないようにして、ギブアンドテイクの関係が結べる健全な相手との交友を深めよう。

最後の相互関係を気づくというのは、難しいと思います。立場上仕方ない場合を除いては、あまり関わらないほうがいいと思います。なので、もし知りたい場合は本書を深く読んで挑戦してください。ここで簡単に紹介した知識で関わるときっと大ヤケドしてしまいます。

最終的に深く頷いたのは、「そもそも彼らと深く関わらないことである。」というところでした。物理的距離は大事です。

強烈な人にかき消され気味ですが、読みながら、あの人もそうだな、あの人も当てはまるな、ということが多々ありました。自分がいる業界的に多いのか、世代的に当たりやすいのか、よく分かりませんが、斜め読みでもいいので一読しておくと少し生きやすくなるように思いました。

おわり


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