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【読書メモ】無敵の読解力(池上彰・佐藤優)【#91】

池上さんと佐藤さんの本は知的な刺激を得られるし、安心して楽しめます。池上さん一人の著作だと、少し嚙み砕きすぎ、もう少し難しいところを攻めて欲しいなと思うことが多々あるのですが、佐藤さんとの組み合わせだとちょうどいい感じです。佐藤さんが話題を振って、池上さんが補足の解説をしながら進んでいくといういつものスタイルです。

たまたま人と待ち合わせをしていた時に本屋の近くだったので、ついつい本屋にふらっと入って、ぱらぱら~と見て、思わず買ってしまいました。特に取り上げられている本が好みに合いました。

第一章は「人新世から見た仕事論」として、斎藤幸平さんの『人新世の「資本論」』白井聡さんの「主権者のいない国」デヴィット・グレーバーの「ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論」が取り上げられています。

第一章ではディープステートについての話が出てくるのですが、トランプやQアノンが言うような陰謀論としてのディープステートではなく、ほんとに日本やアメリカ、その他どんな国でも出来ているであろう「組織」のについての話が秀逸です。確かにそれはあります。大学時代の同級生なんかが偉くなってくると、ほんとちょっと電話やメールで話すだけで結構大きな案件が動いたりしますし、逆にその同級生や学閥に入っていない人からしたら、なんでこんな風に決まっているのか見えないと思います。先日参加した飲み会でも、ほんとに大事なことは飲み会の場で決まるよね~って酔って顔を真っ赤にした「おじさん」がニコニコしながら言っていたのが印象的です。この本を読んで、これがいわゆるディープステートなのか!と目からうろこが落ちました。

二章では米中対立について、三章ではオリンピックについて、四章では政治家の愛読書について、五章では日本人論について書かれています。それぞれの章で、参考図書を挙げて、掘り下げながら関係する本の名前もいろいろ出てくるので、更に読みたくなってしまいます。

池上さんや佐藤さんのよいところは、第一章では安倍政権のダメ出し、第三章ではオリンピックの利権問題、第四章では日本の政治家にいかに教養が無く、知的に成熟していないのかということを歯に衣着せずズバズバ指摘しているところが良いです。変な忖度はなく、ダメなものはダメ、アホな人はアホ、はっきりと評価軸を持っていることにとても好感が持てます。

主要参考図書以外にもいろいろ書名が上がっているので、メモだけしておいて、チャンスがあったら読んでみようかなという本が増えてしまいました。主要参考図書だけですが、下に挙げておきます。こういう本を読解しているという参考になれば。

おわり

おまけ


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