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【映画メモ】鹿の王 ユナと約束の旅【#48】

解説は映画.comさんより

「精霊の守り人」で知られる上橋菜穂子による、2015年本屋大賞を受賞したファンタジー小説をアニメ映画化。最強の戦士団「独角」の最後の頭であったヴァンは、強大な帝国・東乎瑠(ツオル)との戦に敗れ、奴隷となり岩塩鉱に囚われていた。ある夜、不思議な山犬の群れが岩塩鉱を襲い、死に至る謎の病「黒狼熱(ミツツァル)」が発生。その隙に逃げ出したヴァンは、幼い少女ユナを拾う。一方、東乎瑠の民だけが病にかかると噂される王幡領では、天才医師ホッサルが懸命にその治療法を探していた。声優として、戦士ヴァンを堤真一、医師ホッサルを竹内涼真、ヴァンを追う謎の戦士サエを杏がそれぞれ演じる。「もののけ姫」「君の名は。」などの作画監督として知られる安藤雅司が初監督・キャラクターデザイン・作画監督を手がけ、「伏 鉄砲娘の捕物帳」の宮地昌幸が共同監督を務める。「攻殻機動隊」シリーズのProduction I.Gがアニメーション制作を担当。

https://eiga.com/movie/90997/

小説は全部ではないのだけれど、少し読んだことがありました。ファンタジー色が強すぎて途中で挫折していたのですが、映画なら見られるかなと思って挑戦です。

感染症の研究者としては、「黒狼熱(ミツツァル)」は確実に狂犬病ウイルスがモデルなので、それをどんな感じで描いているのか興味深かったのです。

目に見えないものを視覚的に表現するにはああいう感じになるのか〜って思いました。『もののけ姫』の最後のシシガミ様の呪いみたいな感じでした。ドロドロしたゲル(寒天)のようなものがまとわりつくような、液体のような気体のような。

古代は、感染症の対策が呪術の領域で、医者ではなくシャーマンだったのはそういうことなんでしょうね。目に見えないものは、神の領分だったり、呪いの領分だったり。そこで、医学のようなことをしている人が出てきても、最初は受け入れられないし、理解もされないのは仕方ないだろうなと思いました。

例えば、ハンガリー人のゼンメルワイスです。簡単に言うと、1840年代のヨーロッパでは、子どもを産んだばかりの母親が、産褥(さんじょく)熱と呼ばれる病気で亡くなるケースがたくさんありました。当時は今とは違って、医師が診察の前に手を洗う習慣がなかったんです。それで、1850年の春に彼は学会で、大勢の医師の前で手洗いの効果を説きました。が、彼の説は当時の医学の常識に真っ向から反していたので、医学界から拒絶され、その手法も論理も非難されました。最後は、医学会から追放されて失意の中で死んでしまいました。

医師ホッサルはそういう過渡期の医師でした。周囲はまだ呪術に助けを求めていて、一部の権力者の中に理解者がいて活動ができているというような立場でした。

やっぱり色々な名前が覚えにくかったのですが、映像だと顔があるので、小説ほどは混乱せずに最後まで見ることができました。漢字なら漢字、カタカナならカタカナ、国が入り組んでいるので仕方ないのですが、名前の系統だけでも統一されていたらもう少し読みやすかったのかなと思いました。

おわり


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