【映画メモ】鹿の王 ユナと約束の旅【#48】
解説は映画.comさんより
小説は全部ではないのだけれど、少し読んだことがありました。ファンタジー色が強すぎて途中で挫折していたのですが、映画なら見られるかなと思って挑戦です。
感染症の研究者としては、「黒狼熱(ミツツァル)」は確実に狂犬病ウイルスがモデルなので、それをどんな感じで描いているのか興味深かったのです。
目に見えないものを視覚的に表現するにはああいう感じになるのか〜って思いました。『もののけ姫』の最後のシシガミ様の呪いみたいな感じでした。ドロドロしたゲル(寒天)のようなものがまとわりつくような、液体のような気体のような。
古代は、感染症の対策が呪術の領域で、医者ではなくシャーマンだったのはそういうことなんでしょうね。目に見えないものは、神の領分だったり、呪いの領分だったり。そこで、医学のようなことをしている人が出てきても、最初は受け入れられないし、理解もされないのは仕方ないだろうなと思いました。
例えば、ハンガリー人のゼンメルワイスです。簡単に言うと、1840年代のヨーロッパでは、子どもを産んだばかりの母親が、産褥(さんじょく)熱と呼ばれる病気で亡くなるケースがたくさんありました。当時は今とは違って、医師が診察の前に手を洗う習慣がなかったんです。それで、1850年の春に彼は学会で、大勢の医師の前で手洗いの効果を説きました。が、彼の説は当時の医学の常識に真っ向から反していたので、医学界から拒絶され、その手法も論理も非難されました。最後は、医学会から追放されて失意の中で死んでしまいました。
医師ホッサルはそういう過渡期の医師でした。周囲はまだ呪術に助けを求めていて、一部の権力者の中に理解者がいて活動ができているというような立場でした。
やっぱり色々な名前が覚えにくかったのですが、映像だと顔があるので、小説ほどは混乱せずに最後まで見ることができました。漢字なら漢字、カタカナならカタカナ、国が入り組んでいるので仕方ないのですが、名前の系統だけでも統一されていたらもう少し読みやすかったのかなと思いました。
おわり
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