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サウィン(ハロウィン・収穫祭)サバト儀式のやり方と蜜猫的考察。

サウィン、ソーウィン、サムハイン。様々な呼び名があるが、これらは古代ケルトの暦で1年の終わりである10月31日に行われる収穫祭だ。別名ハロウィン。キリスト教圏では万霊節(だがこれは日にちが微妙に違う)となる。また翌日の11月1日も合わせて祝うことが多い。こちらは万聖節(諸聖人の日)となる。
サウィンは、8月のルーナサ(第一収穫祭)に引き続き豊作を祝う最終収穫祭として、世界各地にあるだいじな祭りだ。今回はこの季節行事を儀式化した魔女のサウィンのサバトについて、わたしが実際にやって感じたことや、気付いた点を深堀りしたいと思う。

昔は狩猟や農耕を営む者(自然信仰者)にとって、サウィンはなくてはならないものであり、呼び方は違えど様々な地域で「死者の日」として現代に残っている。日本では「お盆と大晦日と正月」が一度に来るようなものだ。その特徴をはじめに挙げておく。

1)死者の霊魂がこの世に来る日

自然信仰では、肉体と魂は別物であるという考え方に基づき、この世とあの世という異世界の概念がある。1年の終わりであるサウィンの日、世界の境界が不安定になるため、あちらの世界から霊魂が訪れるというのだ。
そのためこの世に生きる人々は、先祖のためにご馳走を作って祝うが、一方では悪い霊魂に騙されないようにホラーな飾りを戸口に施し魔除けとする。
つまり先祖の霊に感謝をしつつ、邪悪でネガティブな霊を遠ざけるという魔防も行うので、この日は重要な祝祭となる。

2)1年の展望を決めるだいじな日

サウィンは古代ケルトの暦で一年の終わりであり始まりである。「終わりは始まり、始まりは終わり」は自然信仰でよく言われるのだが、これは生と死や輪廻転生などの概念にも通ずる。そのため人々は節目をとてもだいじに考えた(だからサバトがあるんだけども)。
サウィンでは特に「これまでの1年を振り返ること」と「これからの1年の展望を決める」サバトだ。ある程度の意思を決めて、それを占うことが良いとされる。

サウィンサバトをやってみた

サウィンの1か月前から、街中はハロウィンカラーに染まる。最近ではハロウィンを商業的な消費活動として取り入れているようだが、わたしが初めてサウィンをやった子供の頃には、ハロウィンなんてほとんど認知されていなかった。
わたしは仮装や悪戯がメインのアメリカのハロウィンではなく、カブを飾る方(カブはカボチャのもと)のヨーロッパのケルトに焦がれていた。祭壇にキャンドルと死神と立石を飾ってお祝いしたものだ。

歳を経るにつれ、畑の旬の野菜(カボチャ、さつまいもなど)でスープやパン、キッシュを作ってお供えすることが増えた。日本ではあまり見ないが、柘榴もこの時期の果物だし、無花果やナッツもサウィンのお陰で好きになった食べ物だ。
特にバーンブラックというアイルランドの菓子をベースに、クッペにしたレシピ(黒猫キッチンより)。アッサムの紅茶葉とドライフルーツとスパイスがめちゃくちゃ美味しい、サウィンの香り。これを焼いている時から、ああサウィンだなあ!と思う。パンは作業工程が長いのだが、この時既に1年を振り返り、先の展望も考えているような気がする。料理はトランス(無意識)に入りやすいのだ。

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