見出し画像

溟海に降るセルロイド:TOW


寂しさも孤独も、愛も嘘も
あたしは感じない。
それなのに君は
あたしの心を掻き乱すんだね?


 裏通りにある小さなプールバー「DOLLS」でバイトを始めたのは、1ヶ月前。店の中はあたしの好きなピンクや紫のエロティックな照明で彩られており、壁は一面真っ黒で、所々に怪しげな白のタトゥーが貼ってあった。
 DOLLSという店の名に因んでなのか、バーテンは皆女だ。それも可愛らしいフリフリのドール服を着ているので、ロリ趣味の客に人気なのだろう。奥にあるビリヤード台は、この店の中であたしが最も好きなモノ。別にビリヤードはしないけど、見てるだけで何か落着くものがある。

ここから先は

3,486字
このマガジンは10話完結の読み切りです。それ以上の課金・更新はありません。第壱話→ONE→第弐話→TWO…と読み進めてください。

あたしはチョビコとして生きていくしかない。 だからお願い、惑わせないで。 10話完結 読み切り 短編小説 41000文字程度 多少の性…

サポートして頂けたら、魔術研究の支援に使わせて頂きます。皆様により良い情報とデータを開示することで生き生きとした魔女活・魔術ライフになるよう願っています。