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獣と蛍と月の毒 瞑想日記 2.25.2022

くらやみの中で発光する猫は、蛍といった。

もとは野良で、感染症によって一度死んだらしい。

なにかの魔法で言葉と知恵をもった。

およそ猫というより、獣のようで

わたしにいつもついて歩き、

前世を知っている風だが、口にすることはない。

彼は言った、「孤独こそが自由なのです」と。

真冬の木々はざわめきたて、不安を煽るものだから

惑わされてはいけないよ、と。

それは野良の獣が言うに説得力があり、しかしながら

台所で大釜をかき混ぜるだけの囚われた平和な日々を過ごすのもまた

孤独であり、自由なのかしら

それは檻のようでいて檻ではなく

わたしは子供のようでいて大人である

宝石のようでいてただの石ころのように。

くらやみの中で、猫は鳴く。

だいすきなもののために鳴く。

蛍よ、ほたる、君の石が発光しているよ。

洞穴のくらやみで、まるでお月様がいるように。

この夜を楽しめばその獣は喜んでくれるだろうか。

それとも、涙を流すだろうか。

このまま明けない夜が許されることなら、蛍を見失うことはないのに。

スズランの花が、雪と共に降る。

月の女神は、そんなよこしまなわたしにお怒りのよう。

月の毒で、痺れているのに、なぜこんなにも甘美なのだろうか。

キャットニップのスープ

はちみつのパンケーキ

アッサムのミルクティー

女神に捧げて

おそばに、おそばにと乞う

深淵のまどろみはすぐそこ。

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