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わたしのパン作り。コツなど覚書

わたしの周りでパンを作ってハマっていく人がふえてきた。わたしは魔女の季節のお祝いであるサバトでパンをお供えしたいがために、当時、料理まったくできないという状態でパン教室に通い始めた。
料理初心者だから気付くことも多かった、パン作りのコツをここに書いておこうと思う。

道具

使用する道具によって料理のできが変わるもんだと思い知った…
わたしの製菓の道具はcottaさんで買っている。道具を揃えるまではお金がかかるが、道具があった方がぜったいにいいので出し惜しみせず買おう。どんな道具が必要か、わかりやすくamazonのcottaさんからひっぱってみる。

パンの手こね台はこれを使っている。メロンパンのクッキー生地を伸ばしたりする時に、円形サイズの目安になるのもいい。当然だが打ち粉をしないとくっつくが、くっついて固まった生地だらけの台でも洗えば綺麗になるのがいい。

パンこねマットは、わたしは手芸店でキャンパス地を1メートルくらい買ってきて、最初に洗濯してから使っている。生地のガス抜き、成型はこちらでやっている。驚いたのが、このマットは使い終わったあとは洗濯しなくていいらしい。マットについた生地をスケッパーでこそいで、自宅の庭でパンパンはらいて、乾燥させるために干す…この繰り返しで使えるらしい。単純に驚き。でもさすがにたまに洗濯している。

たかがめん棒。されどめん棒。ふつうのめん棒とは違ってこのタイプは、生地がくっつきにくいのでおすすめ。イライラしながらパン作りたくないのでわたしは即買いだった。

ドレッジひとつあればパン生地を切ったり、ボウルから生地をすくったり色々できる。ドレッジとも言うしカードとも言うし、金属製のやつはスケッパーとも言うので統一してほしいなと思うんだが、ひととおり使った感想としては、このタイプのものが使いやすい。金属だとボウルなどの円形には不向きだが、こちらは円形でも難なくすくえる。

丸く成型するパンもいいけど食パンケース使うと楽ちんで、以降、食パン作りの頻度が上がること間違いなし。忙しい時ほど食パン、オーブン2回転させるなら1種は食パン、みたいなことになる。食パンケースひとつあればいいが、サイズがたくさんあるため買う時に迷った人も多いのではないか。
うちは5人家族で0,8斤の食パンケース(8切りしてちょうどいいくらい)を使っているが、みんなよく食べるので1斤でも良かったかなと思っている。もっと家族の人数が少ない人は0,5斤とかでもいいかもしれない。上のものは1斤。

注意してほしいのは、オーブンに入るサイズかということ。横幅と高さをよく見てほしい。特に高さは、山型食パンの場合は膨らむことも考慮するといい。オーブンの天井につきそうなら蓋を締めて角型で焼けばいいけど。山型の場合はふわもちの軽い食感で、角型の場合はぎゅっと詰まったふわもち食感になるという、好みの差が生まれる。

繰り返し使えるオーブンシートは神。cottaさんにはふつうに熱を通すものと、熱を通しにくいもの(シルパンという名称)がある。パンは高温短時間で焼いた方がおいしいのでふつうのものを使っている。シルパンはメレンゲクッキーやマカロンを作る時に使っている。ほんとこれ神。サイズ確認してから買ってね。

オーダーメイド天板はずっと買わないでいたんだけど、早く買っておけばよかったというやつ。特にバゲットやフランスパンなどの「外カリっと」仕上げるハード系はこれを使った方がいい。天板がめちゃくちゃ熱くなるからだ。ハード系大好きなのになぜもっと早く買わなかったのか…まじで悔やまれる。
オーブンに備え付けの天板もこれはこれでいい。天板に縁があって皿状になっているため、チーズやジャムやクリーム、餡を中に仕込むパンはこれでやらないと悲惨なことになる。チーズクッペをオーダーメイド天板で焼いて、チーズが垂れまくって庫内チーズだらけにして大変だった…。

フランスパン用天板、楽ちんすぎてもう手放せないんだが。これも高いし、保管場所とるから迷っている人多いと思う。これあればフランスパンだけでなくコッペパン、ミルクフランスなど細長い形状のパンは綺麗に焼ける。サイズが2種あるのでオーブンサイズに合わせて買うといい。

材料

わたしの場合はcottaさんか富澤商店さんで買うことが多い。ふつうのパンの場合の強力粉は市販のふつうの強力粉を使っているが、食パンの場合は食パン用粉、ハード系の場合はフランスパン用粉を使っている。粉の粗さがそれぞれ違う。

こだわる人は際限ないイーストについては、私はサフを使っている。赤サフはふつうのパンで、金サフは糖分が多くても綺麗に発酵できる。面倒なので金サフばかり使っている。
その他はスーパーでも買えるようなものを使っている。

材料投入のコツなんだが、まじでこれだけで変わるのでぜひ実践してほしいんだけど、粉と液体を分けて入れる。液体は、水や卵や牛乳、蜂蜜など。これらはそれぞれ入れるのではなくて、一度計って、混ぜてから投入した方がふわふわになる!ずぼらなわたしは今までそれを怠っていたんだけど、全然違うからやってみてほしい。

左上が水・レモン汁・蜂蜜を入れたぬるめの液体。
下が粉類。右上がバター。この状態で液体を粉類に入れて、ニーディング1分くらいしてからバターを入れる。色々やってみてこの方法がよかった。

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それから投入する際の液体の温度にも気を付けてほしい。「山形県の冬」ではぬるま湯(35度くらい)・室温の卵・人肌レンチン牛乳にしている。
一方、夏は暑いから冷水(猛暑の時は氷水使う人もいる)を使う。生地が冷えれば発酵しないし、熱いとだれる。人間と同じかよと思いながら投入するといい。

ニーディング(こね)

私は手ごねしない派で、全部機械がやってくれる。これから買うならホームベーカリーのこね機能でいいと思うけど、農家ならある餅つき機でもできる。機械の場合だと20分こねることが多いが、あまりこねないパンの場合だと15分に設定したりする。
パンの中にチョコやくるみやドライフルーツを入れる場合は、生地がまだ未完成の10分~15分こねたくらいの時に入れるようにしている。

手ごね派の人は、最初の生地の粘りがなくなってひとつにまとまり、肌触りもなめらかで、少しつやがでるくらいがいい状態だと思う。
最近では「こねないパン」が流行っているようだが、ふつうのパンはこねた方が美味しいと思った。

発酵

ふつうのパンは一次発酵と二次発酵(仕上げ発酵)がある。厳密に言うと、パンごとにその温度と時間が変わってくるので一概には言えないし、外気温や湿度によっても変わる。
一次発酵の目安としてはニーディング後の生地の大きさから1,5〜2倍に膨らんだらいいかな。私の場合は35度くらいで、ボウルにラップをして、ビニール袋の中に入れて発酵させている。オーブンのスチーム発酵もあるけど生地の状態が見れるのでそれでやっている。しかし猛暑極寒の日は素直にスチーム発酵している(笑)。

二次発酵は成型後にやるが、これは目安をどう表現すればいいのかな。成型した時よりもふたまわりくらい膨らむかしら。基本的に記載された時間で発酵させればいいと思う。

気を付けてほしいのは、過発酵。発酵させすぎると焼いても膨らまないし、食べても美味しくない。もしそうなったらピザ生地にすることができる。

それから「成型後の生地は絶対に触らない」。パンの先生にめちゃくちゃ言われて今でも守っているが、成型が下手だとちょっと触りたくなる(笑)。でも触ると膨らまないらしいので、ぐっとこらえてそのまま味のあるシェイプのパンを焼くことにしている。

成型

一次発酵が終わったら、ガス抜きをして分割するのだが、わたしはガス抜きはあまりしてない。というか生地には極力触らないようにしている。

ボウルから取り出して、水分量が多ければ打ち粉をしながらパンマット(キャンパス地)で転がすとある程度水分が調節できる。その後、目分量ではなくてきちんと1つあたりの重さを計って分割する。(その間にガスも抜けてる)
そのあと極力短時間で済むように丸める。猫の手の中で生地を包んで、マットに円を描くようにして丸めるが、3回くらい円を描けば済むように力加減を調節している。今ではこれが両手でできるようになる(笑)。

そしてラップの上で生地を休ませる(ベンチタイム)。だいたい15分くらい。この時、夏も冬もエアコンのせいで乾燥するので、濡らしたキッチンペーパーをかぶせている。

そのあと成型をして天板に並べて二次発酵。
成型はいろんな形があるけど、最近は丸いか、食パンか、クッペか、フランスパンかしか作ってない。結局シンプルな形が美味しいし楽ちん。それでも十字に切れ目をいれたりなどすればそこがカリっと仕上がるので美味しい。

焼成

焼きで仕上がりが違いすぎて、研究に費やし3年。電気オーブンとガスオーブンでも違うし、家庭用電気オーブンでもメーカーによって差があるし、料理初心者にはかなりハードルが高かった。最終的にわたしの理想パンを焼きたいがためだけに家族を説得し、お金を出し合って新しいオーブンを買うくらいにはかなり研究した…。

まず最初に知っておいてほしいのは、電気オーブンの温度設定は嘘ばっかりということ。例えば170度に設定してるのに、実際の庫内の温度は150度ということがザラ。これはどのメーカーでも大して変わりない。

なので庫内温度を知りたければ、オーブン用温度計を入れてみるのがいい。買うのも面倒かと思うけど、たかが千円くらいで美味しいパンとその他のオーブン料理ができるようになるなら、手間を惜しまず自分とこのオーブンの性質を理解した方がいい。

うちのオーブンの場合は結局、設定温度+30度が実際の庫内の温度ということがわかった。つまり170度にしたいなら、200度で設定しないと庫内の温度が170度にならないのだ。
で、これを踏まえてパンの焼成温度を各自決めてほしいのだが、わたしの場合は美味しいパンを焼くために最終的に「250度か220度で焼く」というシンプルな結論に至った。

順を追って説明しよう。二次発酵終了の15分前くらいからオーブンの予熱を始める。この時、ふつうのパンなら予熱250度。ハード系のパンは蒸気焼成というやり方で焼くので予熱300度にする。

間もなく発酵が終わりオーブンに入れようというタイミングで、十字の切れ目やクープをいれたりする。
そのあと、強力粉をふればお化粧できるし、焼き目をつけたければ牛乳をぬる。ここで溶き卵を塗る人もいるかもしれないが、色々研究した結果、私の中では牛乳が勝った。溶き卵では焼き目にムラができるのと、牛乳の方が素朴なツヤ感がでるからだ。

で、ここがポイントなんだが「何かを塗った場合は250度で焼成」「何も塗らなかったら220度で焼成」がちょうどよかった。表面の水分量の違いでこの差が生まれる。焼成時間は、生地ひとつ分が40~50gの場合は10~12分、60~80gの場合は15~18分、100g以上の場合は20分~(こまか!)。食パン0,8斤の場合は30~35分焼く。

だいたい焼き上がり5分前頃にいいかんじの香りがしてくるのが目安。いい香り+きつね色の焼き色がついていれば焼けてるから大丈夫なので、焼き過ぎないように。何も塗らないパンは焼き色がつかないので注意。
加水率多めのパンの焼きたては中にまだ水分があるので美味しくないものもある。すこし冷めてからの焼きたてパンの方がかえって美味しい。

蒸気焼成

ハード系のパンの「外カリ、中ふわもち」は、蒸気焼成をするが家庭用の電気オーブンではちょっと難しい。予熱300度なうえに、天板を予めあっためて(熱してが正解w)おくが、その天板に発酵後の生地を移し替えるのにもテクニックがいる。わたしもそれができなくて、結局天板を「予めあたためておく」をしないことにした(笑)。でも絶対に熱い天板に生地を乗せてジュッといわせてから焼いた方が美味しいにきまってるー!だからフランスパン用天板が楽ちんで、オーダーメイド天板を庫内に入れて予熱→フランスパン用天板で発酵させた生地をそのままイン。最近はこの流れになっている。

まあここらへんはどこまで自分がこだわるかでいいと思うが。共通して言えるのは、予熱は300度で、生地を入れてからは250度に下げること。ハード系のパンは焼成時間が長いので、そのあと膨らんでもう少しできつね色というところで220度に温度を下げる。オーブンの前で膨らむ様子をじっと見つめるわたし。そしてこれは結構癒し。

そしてもうひとつ、蒸気について。オーブンに「スチームショット機能」がついていればパンを入れた直後にスチームショット3分でOK。その機能がついていないオーブンでは水の霧吹きを用意して、生地を入れる時に庫内にシュッシュする。最初しわしわなのだけど、そのうち膨らんでパリッとしてくる、強制的サウナで整ってくるパンたち。癒し。

ちなみにクープは切れ味最強の両刃カミソリでシュッといれて、そこにオリーブ油かキャノーラ油を塗っている。コクと香りを追求するならバターがいいのだが、バター切るの面倒(そこはざっぱ)クープに油分があった方がカパッと開いてくれるからおすすめなのだが、たまにゴッホっぽい芸術的なパンになる時がある。

保存

手作りパンは保存料が入っていないので、時間と共に水分が抜けると固くなってしまう。そのため焼きあがってからの保湿には十分注意する(まるで人間)。

粗熱がとれたらすぐにラップ。切ってラップしてもいい。人様に差し上げる時もビジュアルにこだわってらんねえ!ラップ最強!
すぐに食べる場合はそのまま常温保存でいいが、2日以内に食べきれないとか、うちのように旦那のお弁当(仮)にする場合はすぐに冷凍保存する。これで焼きたてふわふわが保存できる。食べる時は常温で解凍する。

時間がたって少し固くなってしまったパンは、トースターで焼くと本来の美味しさが甦る。実はうちにはパン食文化が最近になって入ってきたため、トースターというものの存在を知らなかった。2000円くらいの安いトースターには、耐熱皿に水を入れて一緒に焼く方が、パンの水分を維持できる。お高いトースターにはスチーム機能がついているらしい。パンはサウナ好きなんだな。

まとめ

わたし含めパンにハマる人って、焼きたてパンの美味しさと、焼いた時のパンの香りと、クープが割れるパリパリパリという天使の翼の音に魅了されているんだと思う。
単純に、自分が美味しいと思えるものを食べたい。畑で採れた野菜のサンドイッチも食べたい。サバトのお供えでみんなで一緒に食べたい。そんな思いから、パン別に好きというほどではないし食べてこなかった(東北農家あるある)けど、そんなわたしでもパン好きになってしまった…

今では家族全員、市販のパンよりも手作りパンの方が美味しいと感じているし、「蜜猫パンを焼くから、猫父は畑で野菜とってくるわ」と役割が決まっていて、家族みんな魔女っぽい。サバトのパンを焼けば「あれっ、もうすぐサバトか」と家族が言ってくる(※わたしの家族はウィッチではないよ)。魔女じゃなくても、そうして季節を感じ、節目にお祝いし、旬のものを食べることは良いことだと思う。

なんとなくこれは、生活の下支えになっていてすごく大事なことなんだと思う。ということで、みなさんも素敵なパンライフを!

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