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溟海に降るセルロイド:ONE


あたしの身体は
水中を漂う稚魚か
又は孤高に高鳴る絶叫か
忌わしい性器は惨殺した死物か



 ガシャン。

 大きな物音と共に、注がれていた麒麟生ビールが床にこぼれ出した。いつも目にしている茶色い瓶は無残にも破片と化し、廊下の至る所へ炭酸混じりの黄色い液体が溢れた。

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2,694字
このマガジンは10話完結の読み切りです。それ以上の課金・更新はありません。第壱話→ONE→第弐話→TWO…と読み進めてください。

あたしはチョビコとして生きていくしかない。 だからお願い、惑わせないで。 10話完結 読み切り 短編小説 41000文字程度 多少の性…

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