見出し画像

歌詞について#1【おふとんの唄】


歌詞

あぁ 彼が私をはなしてくれない
あぁ ダメよ 起きなくちゃ 起きなくちゃ

あぁ 彼が私をはなしてくれない
あぁ いつも いつも いつも

包まれると暖かい
このままずっとそばに居て

おふとん おふとん おふとん
愛してる

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

寒〜い季節のお布団って、何であんなに優しく暖かく私たちを包んでくれるんでしょう。

特に二度寝の時の彼(布団)は私を離してくれません。

誰もが感じる幸福感だったり、抗えない心地よさを何とか表現してみたくて

微睡んでいる感じや、彼(布団)に愛されている多幸感を、ボサノバで表現した曲です。


『愛してる』

と歌詞で使ったのは初めてかもしれません。


英語と日本語の違い

英語の『I love you』は英語を母国語としていないためか、言うことに抵抗がないですし歌いやすいのですが

日本語の『愛している』は意味がわかりすぎて歌詞では使うことを避けていました。


何でかと言うと、、、

恥ずかしい、、、んです。実は。(私のキャラを知っている方は驚きでしょう)

ふざけて会話で言っているのとは、わけが違うんです。


作詞する時、作詞家は自分と向き合いながら歌詞を書きます。

実体験と重ねたり、表現したいことを自分の中の言葉の言い回しや、表現ライブラリから探し出します。


私の中に

『愛している』

というのは

、、、。


かなり恥ずかしく照れてしまう言葉です。言うような場面はかなり限られます。(察して)

英語ならきっと抵抗なく言えますが(言ったことあったかな、、、?)

大好きぐらいのニュアンスで使えるものだと思っています。(英語が母国語の方がどうなのか気になります)

私がそのワードを使うときは、特定の人へ伝えるときだけに使う、本当に特別な言葉なので

そのワードを皆さんに聞いていただくのはだいぶ恥ずかしいというか、

使う必要ない言葉、、、


ぐらいの勢いなんです。

日本語ではあまりに強く伝わりすぎてしまうため、あえてそれを英語にする、

または英語のが、メロディーに響きがハマる、なんかカッコイイから、英語にすることなどはあります。

しかし、今回は自然に曲に乗せてこの歌詞がスラスラ出てきました。

作曲と同時に1時間程度でできたものをその後すぐ配信で、

弾き語りして聴いてもらったのをよく覚えています。


勢いに任せて正解でした。


恥ずかしさは自分の可能性を狭める


今回は自然に歌詞の物語の流れで『愛している』という言葉が出てきて、自然に曲の中に収まったので、

実は最初の何回かは照れながら歌っていましたが、

この曲のおかげで堂々と『愛している』というワードを歌えるようになりました。

この言葉が使えるだけで、どれだけ今後の作品の選択肢が広まることか。



布団に連れ戻されてしまう、抗えない彼(布団)の魅力には、誰も逆らえないし、

その心地よさは、みんなも私自身も求めている物なので自然に使えたのかもしれません。

彼(布団)への、この思いは、『愛している』の何物でもないと、気付かされ使えたのかもしれません。


なんなら、最初の

『あぁ』

も恥ずかしいし

『ダメよ』

なんて普段言わないです。


でも、この物語にはこの言葉が必要で、

あぁ、、、からはじまり
愛している、、、で終わるその物語の一連の流れが


私の中でクロコリコがクロコリコとして、

初めて日常の何気ない一コマを曲にして歌詞をつけた曲で、

誰もが経験する普通の事が実はとっても特別で
ドラマチックで泣けて笑える素敵な事なんだと

クロコリコが、伝えたくて表現したかったことが形にできた作品の1つになりました。

シンガーソングライターとして

『おふとんの唄』はシンガーソングライターとして、自分の壁を壊して成長できるキッカケになった大好きな一曲になりました。


歌い手の気持ちをのせ、スッと聴き手の心に寄り添う曲にするために、あえてそのワードを選んでいる

という仕掛けがクロコリコの歌詞の中にはたくさんあります。

色んな人の日常の一コマを、一つの物語として曲の中に収めたい。

そして作品が出来上がった後は、歌い手として物語を歌で演じ、伝えたい。

クロコリコの音楽を聴いてくれた人の日常が

より豊かに楽しくなるように。

そんな思いが届いてくれたら嬉しいです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?