もう本当にアカン時の対処法が知りたい(週末日記 特別ver.)
この数日、まじでアカン。本当にアカン。もう全部放り出して東京に帰りたいとなっている。
「家族」という一見温かで心地の良い繋がりが、今は呪いのように感じる。なんだっけ、ああ、妖怪子なきじじいみたいな感じ。ずっしりと背中に乗っかって、逃げることを許さない。
「家族の絆」って日本人(の特に右派の人たち)が好きな言葉だけど、なんと恐ろしいことを平然と押し付けるのだろうと思う。正直辛い。
別に、私は家族と不仲でもないし、家族自体も取り分けてヤバイ家族ではない。どちらかというと「良い方」の家族だと思う。それでもしんどいのだ。
何がしんどいのか。一つは価値観が私だけまるで違うこと。
私はフェミニストでリベラルという自認がある。
あらゆる性が尊重されるべきだと思うし、新自由主義下においても守られるべき最低限の社会保障はあって然るべきだし、だから簡単に自己責任という言葉を使うのが嫌いだ。
当然、選択的夫婦別姓には賛成で、今すぐにだって可決してほしいと思っている。
だけど私は、結婚するときに夫の姓になった。
夫は、「自分には弟もいるし、姓を変えることに抵抗はないから自分が変えようか」と言ってくれていた。
しかし、私の家族がそれを許さなかった。
「夫くんは長男なのに、そんな婿養子なんてこと、向こうのご両親が納得するはずない」
「事実婚なんてあり得ない。もっての他。法律婚しか認めない」
まあ、九州のど田舎なので仕方ないといえば仕方がない。
その時は、反論するのも説き伏せるのもめんどくさくて、従ってしまった。
それがここにきて、どっと後悔となって押し寄せてきている。
それはこのツイートがきっかけだった。
「ああ、いいな。こういう選択もありだよな」
素直にそう思った。
夫のことは好きだ。尊敬もしているし、愛情もある。
自他ともに「仲の良い夫婦」と評価できると思う。
でも。
どうしても私は夫が戸籍の筆頭者であり、そこにぶら下がっている自分にも、私の名前が「旧」姓扱いされ、公的書類に併記してもカッコに入れられることも、いちいち「あ、これは旧姓で、振り込みはこちらの名前でお願いします」というやりとりをすることも、薬局や病院で夫の姓で呼ばれることも、とにかく全てが苦痛で仕方がない。
自分のこれまでの生き方や信条、ポリシーを全否定されているような気がして苦しくて苦しくて、泣きたくなる。大袈裟と思われるかもしれないけれど、そういう人間もこの世の中にはいるのだ。
「私たちも一回離婚して夫婦別姓が認められるまで事実婚にしようかな」
私がぽろっとこぼすと、母が即座に反応した。
「何言ってるの!」
頭がおかしいんじゃないのかと言わんばかりの勢いだった。
さらに妹からは「結婚できているだけ良いじゃん」と言われた。
「たかだか名前でしょ、そんなにこだわることがわからん」と叔母は言った。
それぞれにそれぞれの考え方があり、思いがあることは理解できる。できるだけ、人の考えや思いは尊重しようと生きてきた。
でも、ここでは私がとても大切にしてきた生き方や思想信条は「大したことではない」こととして認識されているんだなと思った。それよりも余程、「普通の結婚(いわゆるヘテロで法律婚をすること)」の方が大事なのだ。
そしてもう一つ。
祖母が倒れてすぐに山口から叔母が帰ってきた。
我が家は元々祖父が脳梗塞の後遺症で半身麻痺で、さらに最近は軽い認知症も始まっていた。
そこに、祖母まで倒れてしまったため介護の手がとにかく足りない。
それに、叔母としては残されたわずかな時間を祖母と過ごしたいという思いがあったのだと思う。
それは良い。人手が一つでも二つでも増えることはありがたい。
ただ、この叔母が大変なのだ。
とにかく昔から感情を表出させる天才で、少しでもイライラが募ると周りの人間に当たり散らす。「私はこんなに頑張っているのに!(あなたたちは何もしない!)」と怒り狂う。
「少し休んだら」「ちょっとの間山口に帰ってみたら」と諭しても聞く耳を持たない。「やらないと!頑張らないと!」。…………いや、頑張ってくれるのは嬉しいが、頼むから怒りをあらわにしないでくれ……
私は過去の度重なるパワハラが原因で、特に「怒っている人」というのが本当にストレスになる。時と場合によってはフラッシュバックも起こす。一種のPTSDと病院では診断されている。
だから、とにかく怒っている叔母に関わりたくないし、近寄りたくない。
そんな私を見て、母が言った。
「相手は変えられないんだから、あなたが気持ちを切り替えて、乗り越えるしかないんじゃないの」
それは正論だ。そんなこと分かっている。つか、できることならとっくにやっている。でもできないのだ。しようと思っても、体が強張るし、昔の記憶が首をもたげる。そうなるとパニック発作やフラッシュバックを起こしてとんでもないことになるので、とにかく近づかないことが一番なのだということを私は自分の経験から学んでいる。分かってますよ!そんなこと!!!
第一、常に疑問なのだけれど、怒りをコントロールできない方がメンタル的に問題なのに、それに傷つけられた方に変わることを要求すること自体オカシクナイデスカ?
とにかく、最も他人から言われたくない一言を、実母から言われてしまったわけなので、ダメージ具合は一層強い。赤の他人に言われるよりボコボコになる。また私の自己肯定感は地に落ちることになってしまった。
そんなわけで、わたくし、今週は本当にアカンです。息を吸って吐くので精一杯を体現しています。
ばあばのそばで穏やかにお喋りしたり、身の回りのお世話をしたりしたいんだけどな。させてくれ、頼むから。
家族だから助け合える。家族だから甘えられる。
一方で、家族だから許せない、家族だから余計に深く傷つく。
家族という名の解明不可能な闇を垣間見た今週でした。
余談
田舎には住むもんじゃないなと決意を深めた今週でした。
多分、というか絶対実家のある街に腰を据えて住むなんてことはないだろうと思う。中学生で家を出ているから、友人もいないし、愛着がない。なんなら実家の街がそんなに好きじゃない。
故郷が大好き。そんなふうに言えたならどんなにいいだろうと時々思うけれど、無理だなあ。。。
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