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SaaSスタートアップの採用計画の考え方

採用が成長のドライバー

amptalkにジョインしてから改めて強く感じていることなので、今日はこの点について書いてみようと思います。

ほとんどのSaaS企業はSales-ledな成長モデルです。
ARR 10億円までに少なくとも100人、100億円までに500人の組織規模になると言われています。営業やCS、マーケだけでなくあらゆるファンクションで組織が効率的・効果的に動けるよう、優秀な人材を採用し組織づくりに取り組んで行く必要があります。マルチプロダクトが求められる現在の市場環境であれば尚更です。

裏を返せば、「どれだけ人材を集められるか」が事業のドライバーにもなり、ボトルネックにもなり得ます

事業計画からの逆算の仕方

アーリーフェーズのスタートアップの場合、事業計画を作ることにどれだけ意味があるか悩ましいと感じることも多いと思います。1ヶ月単位で状況が変わってきますし、事業計画を都度都度アップデートしていくことは管理コストがとても大きいからです。

一方で、私としては事業計画を作ること自体にはちゃんと意味があると思っています。
まず、会社として・チームとして、事業の成長ロジックと重要なKPI、またそのベンチマークについて共通認識を持つことは重要です。そして、それらの数値目標から逆算して必要な投下資本、つまり必要なお金と人材を前もって予見できるようになることはさらに重要です。
お金は資本政策、人材は採用計画を意味しますが、事業計画から逆算されるこの2つの投資計画はアーリースタートアップにとってもとても重要です。

例えば、勝負所が来るまでにお金を大方使ってしまっていれば、本当に必要なタイミングで投資ができず、成長は停滞します。

人材採用も、今日明日で入社お願いしますと頼んで入社してくれる人はいないので、一定のリードタイムが必要です。前もって採用してオンボーディングした状態にしておかなければ、営業パイプラインが積み上がってもそれを捌くだけのリソースがなく、成長が止まる可能性があります。逆に、過剰に人材を採用してしまった場合、投資したほど売上が伸びずキャッシュフローが回らなくなるという事態も起こり得ます。

事業計画を定め、必要な資金や人員についてあらかじめ見通しを持っておくことが、資金を燃やし続けるスタートアップにとっては必要になります。

amptalkでは、事業計画を作る際に以下のようなポイントを意識しました。

成長目標からの逆算と現場マネージャーの目の両方を取り込み、精緻化と納得感を醸成。
  1. 大枠の成長ロジックの策定:売上やコストを因数分解します。例えば、売上であれば「営業人員数x商談数x受注率x ARPA」のような形です。自社としての成長ロジックの考え方を明確にし、特にどの因数が成長をもたらすのか、事業のドライバーを全員で認識すること。

  2. KPIの設定と認識合わせ:ほとんどの場合、上記の因数をさらに細かく因数分解していけばKPIリストが出来上がります。その中でも、変動幅が大きく、かつKGIに対する影響度が強いものをモニタリング対象とします。

  3. 採用計画の作成:1,2の数値目標を前提とした場合に、どこに・どれだけ・どういう人材が必要なのか。この際、オンボーディング期間、すなわち入社してから一人前になるまでのリードタイムも考慮し、前倒して採用が進められるようなシミュレーションを組み、採用計画に落としました。

  4. 経営会議/マネージャー会議で議論:経営陣、各部のマネージャーと目線合わせをしながら採用計画を策定しました。直近1年については部署x役職で1人単位の粒度まで議論し、作成しています。

採用を上手に進める前提条件として、どの部署にどれだけの人材が必要で、どういう組織にしていくのか、その大前提となる採用計画は(少なくとも短期においては)かなりの解像度でチーム内ですり合わせをしていくことが重要です。
採用担当/Hiring managerのジョブディスクリプションや役割期待に対する解像度が増し、候補者側の納得感が上がり、内定承諾率や入社後のパフォーマンスが上がるなど副次的な良い効果も多くあります。

チャネルごとの役割分担

採用計画ができたら、実際の採用オペレーションを組んでいきます。
amptalk自身もまだまだ課題が多いですが、採用チャネルごとの特性を意識し、それぞれ適切な戦略とメッセージを意識しています。

チャネルごとの特性

ここでも、事業計画とそれに紐づく採用計画が有効に働きます。
必要なポジションを「採用難易度 x 緊急度」の2軸で分類してみると、お金をかけてでもすぐに採用しないといけないポジション、緊急ではないがなかなか見つからない人材で、ダイレクトやリファラルで地道にコツコツ探さないといけないポジション、などの色分けができるようになります。

チャネルごとの役割分担

各チャネルでの取り組み内容はまた別途noteにまとめようと思います。

最後に

色々と書きましたが、最後はどれだけ組織としてのコミットメントを上げられるかに尽きると思います。
社長や経営陣を中心にメンバーそれぞれがどれだけ採用にコツコツ時間を使えるか、リファラルしやすいカルチャー作りに向けて日頃から号令をかけられるか、パートナーのエージェント企業とどれだけ密にコミュニケーションを取れるか。

採用活動は一朝一夕にはいきません。amptalkもまだまだこれからですが、凡事徹底。やるべきことをしっかりやって、良い巡り合わせをしっかりものにしていきたいと思います。

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