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エッセイ

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2022年4月の記事一覧

1996ベストミステリを語る 01

1996ベストミステリを語る 01

ご挨拶(96 11/25)

「いやあ、早いもので、11月もあと数日で終わりだねえ」
「会社辞めてプーになって、2ヶ月が経っちゃうのよねぇ。なんかますます月日の流れるのが早くなっちゃったって感じ? このまま歳をとり続けて、あたしの美貌もいつしか衰えてしまうのかしら……」
「そんなことはどーでもいいんだけどさ……んなわけで、今年も残すところ約1ヶ月なんで、今年(1996年)のミステリ小説を振り返って

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1996ベストミステリを語る 02

1996ベストミステリを語る 02

大活躍の東野圭吾(96 11/27)

「じゃあ、早速、アンケートを見ていきましょう。一番最初に届いたアンケートはOさんから。どうもありがとねぇ」
「Oさんって、東野圭吾ファン倶楽部のメンバーよね」
「そそ」
「じゃ、今年のベストもやっぱり東野圭吾?」
「あう。『どちらかが彼女を殺した』をベストに挙げてますね。コメントもついてます。『ベストミステリはとりあえずのものだ。うっきょ~とか、いぃ、いぃ~

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1996ベストミステリを語る 03

1996ベストミステリを語る 03

やっぱり京極?(96 12/2)

「じゃ、次のアンケートメールを見てみましょう。Mさんからのお手紙。よく励ましのメールくれる方なんです。どもありがとね」
「ベストに『姑獲鳥の夏』を挙げているわね。どーでもいいことなんだけど、あたし、今の今まで『うぶめ』って『姑獲烏』だと思ってたわ。鳥じゃなくて烏ね。どうしてかしら」
「あ、そういえば、鳥口君のことも烏口君だとばっかり思っていたし。わはは。おそらく

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1996ベストミステリを語る 04

1996ベストミステリを語る 04

速報!「このミス」ベスト10(96 12/9)

「じゃ、次のアンケートに行く?」
「ちょっと待ったぁぁ!」
「ど、どうしたのよ。急に大声出して。なに? あたしの美しさに欲情でもした? 駄目よ、今はまだお・あ・ず・け」
「そうじゃなくて、『このミス』のベスト10が判明したんで、今回はそれをお伝えしようと思います」
「あら? でもまだ『このミス』、発売されてないんでしょ?」
「明後日(11日)発売だ

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1996ベストミステリを語る 05

1996ベストミステリを語る 05

いろいろ生意気なことを書いちゃってます💦 ホント今読むと恥ずかしい……すみません。

「このミス」雑感(96 12/20)

「というわけで、ことしも『このミステリーがすごい!』が発売されましたです」
「小さい書店でも必ず平積みされてるもんね。こういう本が売れるってことは、ミステリファンがますます増えているんだと考えていいのよね」
「勢いづいて、今年はかなりページ数が増えていたしね」
「ってわけ

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1996ベストミステリを語る 06

1996ベストミステリを語る 06

SFミステリに期待!(96 12/24)

「では再び、皆さまからいただいたアンケートに戻って、話を進めることにしましょう」
「Mさんのベストミステリは『ステップファザー・ステップ』。宮部みゆきのライトミステリね。今年文庫に落ちたので、あたしも読んだわ。やっぱり宮部みゆきは子供書かせるとうまいわよねぇ」
「宮部みゆきの今年の新刊は『蒲生邸事件』なわけだけど、どうだった?」
「超能力が好きなお人だわ

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1996ベストミステリを語る 07

1996ベストミステリを語る 07

速報!「週刊文春」ベスト10(96 12/26)

「『週刊文春傑作ミステリーベスト10』が発表されましたね」
「これが発表されると、ああ、本当に年の瀬も押し迫ったって感じね」
「じゃ、そういうわけで、駆け足でベスト10を発表しちまいましょうか」
「はぁい。まずは10位! じゃじゃん」
「『凍える牙』。直木賞獲った影響がモロにあるんでしょうね。『このミス』ではほとんど票が集まっていなかったんですが

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1996ベストミステリを語る 08

1996ベストミステリを語る 08

ミステリコミック爆発!(97 1/2)

「『金田一少年の事件簿』がヒットしたせいか、今年は本格ミステリコミックが急激に増えたんじゃない?」
「超能力と犯人捜しを絡めたミステリも『ジャンプ』や『マガジン』で始まったしね。青年誌では犯人当て懸賞付きの漫画が結構目立ったし」
「少女コミックの方では我孫子さんの『人形シリーズ』がコミック化されたり、さらに我孫子さん原作のオリジナルコミックが始まったりね」

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1996ベストミステリを語る 09

1996ベストミステリを語る 09

1996年マイベストミステリ(97 1/5)

「というわけで、長々とつまらないことを書いてきたこのページですが、年も変わったことですし、そろそろ終わりにしたいと思います」
「じゃ、最後にあたしたちの1996年ベストミステリを発表して締めくくりましょうよ」
「そうだね。今年読んだ本は113冊。このホームページには記してないけど、実は僕、本を読んだあとには『A+』から『C-』まで9段階でその作品の評

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1998とても気になる作家たち21 01

1998とても気になる作家たち21 01

 1998年12月現在、「新刊が出たら必ず買って、なにをおいてもすぐに読む!」という非常に気になる作家21人(好きな作家ではなく、気になる作家であるところがポイント(笑))をセレクトしてみました。このコーナーでは各々の作家について熱く語り、さらに作家ごとのベスト5など挙げてみたいと思います。

 ベスト5を挙げる都合上、5冊以上本を出していない(あるいは僕が読んでいない)作家は省いております。馳星

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1998とても気になる作家たち21 02

1998とても気になる作家たち21 02

綾辻行人
1.迷路館の殺人
2.黒猫館の殺人
3.霧越邸殺人事件
4.時計館の殺人
5.殺人方程式

★この人のデビュー作「十角館の殺人」から、僕の国内ミステリ乱読の時代が始まったといっていいでしょう。「日本にもこんな面白いミステリ小説があるんだ!」――と、まさに目からうろこが落ちた感じでした。最近はなかなか新作が読めなくて哀しい……。来年こそ「暗黒館の殺人」が出版されるよう祈ってますよぉ。
★さ

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1998とても気になる作家たち21 03

1998とても気になる作家たち21 03

折原一
1.沈黙の教室
2.異人たちの館
3.倒錯のロンド
4.冤罪者
5.ファンレター

★「倒錯のロンド」で衝撃を受け――でもその衝撃があまりにも大きすぎたのか、それ以降はなかなかパッとする作品に出会えず、ぶーぶー文句をたれながらも、ずっと追いつづけている作家の一人です。ときどき「沈黙の教室」のような傑作を書くから、油断ならないんですよね。一部の人に絶大な人気を誇る黒星警部シリーズは、あんまり

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1998とても気になる作家たち21 04

1998とても気になる作家たち21 04

小森健太朗
1.ネヌウェンラーの密室
2.ネメシスの哄笑
3.ローウェル城の密室
4.神の子の密室
5.眠れぬイヴの夢

★デビュー作の「コミケ殺人事件」が出版されたときから、気になっていた作家でした。なんせ至上最年少で乱歩賞の最終候補に残った人ですからね。――で、初めて読んだのが、その最終候補に残った怪作「ローウェル城」……ぶっ飛びました(笑)。以後、なんやかんや文句をたれながらも、ずっと追い続

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1998とても気になる作家たち21 05

1998とても気になる作家たち21 05

清涼院流水
1.カーニバル・イヴ~人類最大の事件
2.ジョーカー~世紀末探偵神話
3.コズミック~旧約探偵神話
4.エル~全日本じゃんけんトーナメント
5.19ボックス~新みすてり創世記

★クセのある食べ物っていうのは、最初は大っ嫌いでも、食べ続けるうちにだんだん夢中になってきたりして……彼はそういう作家。上記5作品しか出版されておらず、ようやく夢中になり始めたのが、「カーニバル・イヴ」からなん

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