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志賀原発は廃炉一択 志賀原発の変圧器、最も強い揺れに耐える「クラスC」でも壊れる…修理見通し立たず

2月22日更新


放射線防護6施設に損傷 志賀原発30Km圏、一部閉鎖

 北陸電力志賀原発(停止中、石川県志賀町)30キロ圏にあり、事故時に高齢者らが一時避難する21の放射線防護施設のうち、能登半島地震で6施設に損傷や異常が起きたことが21日、自治体などへの取材で分かった。うち2施設は使えずに閉鎖し、病院など別の2施設は患者らを移した。断水は全21施設で起きた。緊急時に支援が要る住民を守るという役割を果たせなかった恐れがある。

閉鎖した一つは被ばくを防ぐ機能を維持できず、残る5施設も地震後長期間、機能の確認ができなかった。

共同通信 放射線防護6施設に損傷 志賀原発30キロ圏、一部閉鎖 2024/02/21 https://nordot.app/1133017937588765172?c=39550187727945729

北陸電力の株主らが志賀原発の廃炉求める 敷地内や周辺断層の再調査も

志賀原発は1号機・2号機とも停止中で、2号機は再稼働を目指して国の審査を受けています。 能登半島地震で、志賀原発では、外部電源が一部使えなくなるなどのトラブルが相次ぎました。 20日の要請に対し、北陸電力は、2号機の再稼働の審査について「今回の新しい知見を踏まえて安全最優先で対応していく」と話しました。 株主からは、「福島のような事故が起こったら、道路が断絶していて逃げ道もない」など廃炉を求める声があがっていました。

北陸電力の株主らが志賀原発の廃炉求める 敷地内や周辺断層の再調査も 富山県

「今の石川県では原発災害が起きたら避難できない」

 ジャーナリストの政野淳子氏は「原発事故が発生しても現地は対応しようがない。道路が寸断されれば逃げられないし、家屋が倒壊すればそのまま被ばくしてしまう」と危機感を募らせる。それでも国が指針を見直さない点について「本気で見直せば、各自治体は実現可能な防災計画をつくれず、原発を動かせなくなるからでは」とみる。

東京新聞 「今の石川県で原発災害が起きたら避難できない」 それでも災害指針を見直さない、楽観論の背景にあるもの 2024年2月6日 https://www.tokyo-np.co.jp/article/307567

2月4日 読売新聞『志賀原発の変圧器、最も強い揺れに耐える「クラスC」でも壊れる…修理見通し立たず』

変圧器は耐震クラスCの製品で、現状入手できるうち最も強い揺れに耐える仕様だという。それが壊れたことは、原発が受けた揺れの大きさを示す。
 元日の地震では、震度7を観測した志賀町の富来地区で加速度2800ガルを記録している。北陸電は、元日の地震で、原子炉直下で観測した加速度は399ガルだったことを挙げ、「安山岩を主体とする敷地の地下は富来地区と比べ強固なため、同じような大きな揺れが届かない」と強調する。原子炉は1000ガル程度に耐えれば十分との立場で原子力規制委員会の安全審査に臨んでいる。しかし、北陸電によると、耐震クラスCの変圧器は500ガルまで耐えられる仕様で、変圧器のトラブルは北陸電の主張や立場を揺るがしかねない。

https://news.yahoo.co.jp/articles/23c5d077f7708b04fbcde3b375b694c6ecc67a2b

原発推進の立場が強い読売新聞がこのような記事を出したことに感心しましたが、この記事は、発表当初とタイトルが変わっています。
旧:『志賀原発の変圧器、最も強い揺れに耐える「クラスC」でも壊れる…修理見通し立たず』> 変更後『志賀原発、変圧器故障など複数トラブル…北陸電「新しい知見に基づき安全対策講じる」

原発立地の町長が姿勢一転「安全性アピールは難しい」と再稼働に慎重発言

 年に1度実施の県と北陸電による避難訓練にも言及。想定されている避難経路が今回の地震で壊れ、寸断したことを受け「海にも空にも逃げられない。現実的でなく、訓練のための訓練だった。抜本的に見直す必要がある」と語った。

 町内に16カ所ある放射線防護施設については「1カ所に40〜50人を収容し、1週間以内に救助隊が来る想定で、備蓄があると認識している」と説明。だが「万が一の場合、全町民を受け入れる容量はない。

東京新聞 原発立地の町長が姿勢一転「安全性アピールは難しい」と再稼働に慎重発言 震度7の石川・志賀 稲岡健太郎氏 2024年2月3日 https://www.tokyo-np.co.jp/article/307209

能登半島には志賀原発を中心に多くの断層がある

北陸電力 「志賀原子力発電所2号炉 敷地周辺の地質・地質構造について 敷地近傍の断層の評価」 2021.5.14 :https://www.rikuden.co.jp/shinsa/attach/shiryo1-3.pdf.pdf

冷却用の電源に大きなダメージ。大きな余震がきたらどうするのか

志賀原発一号機の非常用発電機も3台のうち1台が自動停止中。

主要な外部電源の復旧は半年以上かかる見通し。

能登半島地震で震度7を記録した石川県志賀町に立地する北陸電力志賀原発は、重要施設に安全上の大きな被害はなかったが、外部電源の一部は今も使えず、北陸電は完全復旧に少なくとも半年以上かかるとの見通しを示す。9年に及ぶ再稼働審査のさらなる長期化は必至で、同社が目指す早期稼働の道のりは険しい。 「断層を確定するにも年単位、審査はそれ以上の時間がかかる」。10日の記者会見で、原子力規制委員会の山中伸介委員長は、現在審査中の志賀原発2号機の見通しに言及した。 志賀原発は運転停止中だったが、今回の地震で1、2号機の変圧器配管が破損し、外部電源5回線のうち2回線が使えなくなった。変圧器からは約2万リットルの絶縁油が漏れ、一部が海に流出。使用済み燃料を冷やす貯蔵プールの水も飛散し、1号機では一時冷却ができなくなった。

Yahoo News 産経新聞 志賀原発、完全復旧に半年以上 再稼働審査、さらなる長期化も 1/16(火)

志賀原発の近く陸地が1分間で4m隆起。3m以上の津波も押し寄せた

1月27日現在、いまだに志賀原発の建屋内の写真は発表されていません。敷地内では地割れがあり、30cm以上の段差ができたりしています。志賀原発のすぐ近くまで、数十キロにわたって陸地が数メートル隆起しました。数千年に一度の地殻変動といわれますが、こういった地殻変動が原発の下で起こったらどのような原発も耐えることはできません。

陸地が隆起したことにより、海岸線は数百メートルも後退しました。原発が事故を起こしても、陸路はズタズタ、海からのアプローチもできずでは事故への対応は非常に難しい。原発は常に冷却しないと爆発するため、冷却水として海水を取り込むために海岸線に建設しているのです。冷却水が供給できなくなれば原発は爆発します。

2024/01/15能登半島地震は、石川県の漁業にも大きな影響を与えています。輪島市の鹿磯(かいそ)漁港で行われた、専門家の現地調査に同行しました。 金沢大学 地域創造学類の青木賢人准教授: 「僕らもほとんど目にすることのない地殻変動量なので。白いところが元々水面だった高さ。こういう仕事をしていますけど見たことがない風景です。正直言葉がない」 今回の地震で、能登半島の北岸およそ90キロで地盤が隆起し、輪島市の鹿磯漁港では、港全体が干上がりました。 青木准教授: 「覗くだけでもすさまじい」 稲垣真一アナウンサー: 「ここは今、海の底ですよね」

石川テレビ 1分間で約4m隆起か…能登半島地震での地殻変動量を大学准教授が調査 港の復興「東日本の時以上に大変」 (2024/01/16 01:12)

大津波警報が出された石川県能登。当時の映像からは、押し寄せる津波への危機感が滲みます。志賀原発には、3mの津波が押し寄せていたこともわかりました。

■浸水最大5m、原発にも3mの津波 漁港は“壊滅的”
京都大学防災研究所などが行った調査によると、津波による浸水の高さは、珠洲市で最大4.7m、志賀町では、最大5.1mまで確認されたということです。

TBS News DIG 津波の浸水最大5m 志賀原発にも3mの津波が “漁港は壊滅” 乗り捨てたタクシーが津波に…運転手「振り向く余裕なかった」【news23】

地震は志賀原発の再稼働は不可能だし、現在稼働中の原発は今すぐに停止し、廃炉へ向けて動かなければならないことを教えてくれた。

「立石氏は、日本地理学会の災害対応チームの調査報告を牽いて志賀原発の北にある富来川南岸断層の危険性を指摘し、さらに東京電力の柏崎刈羽原発周辺の地理学的な危険性にも懸念を示した。また、これまで個別に動くと考えられていた断層が連動して動く危険性などから、2006年に策定された原発の耐震設計審査指針の全面的な見直しを求めた。」 

「後藤氏は、原発にとって何が脅威かといえば、想定していないことが起きることと述べ、今回のような地震などの外部事象に加え、原発内部の機能喪失などの内部事象、そしてヒューマンエラーなど全てを予測することは不可能だと強調した。そして、現在の原発は全て強固な地盤の上に建てられているという欺瞞を指摘し、地盤の隆起や地割れが起きることを想定した設計がなされていない「安全神話」が前提と批判した。」

「 添田氏は、石川県が計画した地震と津波の評価の矛盾を指摘し、今回の能登半島地震の震源や断層を早い段階からわかっていたのに何もしなかったと批判した。また、石川県は志賀原発の近くを通る邑知潟(おうちがた)断層も過小評価しているとし、これは同じように原発のある福井県と似たように行政による危険性の過小評価と指摘し、原発災害対応の眼目である住民避難について、原発を立地する行政はことさら目立たないようにしてきたのではないかと懸念を示した。」
 
今回の能登半島地震は、原発の再稼働は不可能だし、現在稼働中の原発は今すぐに停止し、廃炉へ向けて動かなければならないことを教えてくれた。

立地しなくて良かった、再稼働していなくて良かった:能登半島震災で「脱原発」が加速か

原発政策の闇 マスコミを使った情報統制・贈収賄

石川県の志賀町が発注した公共工事を巡る贈収賄事件で17日、初公判が開かれ、加重収賄などの罪に問われた前町長の小泉勝被告は起訴内容を認めました。
検察側は冒頭陳述で、小泉被告が2009年の町長就任後ほどなくして知人の土木業者に最低制限価格を教えた見返りに、現金を受け取るようになったことを明らかにしました。
これを機会に小泉被告は、複数の業者や議員に対しても最低制限価格を教えるようになったということです。受け取った金は飲食代に充てていました。
次回の裁判は3月6日に開かれます。

就任後ほどなく賄賂受け取るように…志賀町発注の公共工事巡る贈収賄事件の初公判 前町長が起訴内容認める 石川テレビ 2024年1月17日

電気事業連合会特設サイト「能登半島地震による各原子力発電所への影響について」

能登半島地震による周辺地域に立地している各原子力発電所へのこれまでに判明している影響をとりまとめたサイトとのことです。電気事業連合会は能登半島地震の「想定外」の大規模な地殻変動によるこれほどの被害を見ても、現在稼働中の原発を停止して審査をやりなおすつもりはないということ。リスクは解明されていないので問題ない、というありえない回答が並んでいます。再稼働ありきの「多分大丈夫なんじゃないの」という希望的観測であり、非科学的です。20日になっても志賀原発建屋内部の写真は公開されていません。なぜでしょうか。

Q: これほど大きな地震があったのだから、現在稼働中の原子力発電所は停止して審査をやり直すべきです。

A: 現在、稼働中の発電所は、新規制基準を踏まえた審査にて、最新の知見を踏まえた、より規模の大きな地震動を想定する等、耐震対策を強化していることから、現時点において、審査をやり直す必要はないと考えております。
なお、今回の地震発生メカニズム等の調査・研究結果を踏まえ、現在の耐震安全性評価に取り入れるべき新たな知見が確認された場合は、速やかに適切に反映いたします。(最新の情報・知見等を踏まえて2024年1月19日追加)

Q:「地震の専門家の委員から、未知の断層が動いた可能性がある」との情報があるので不安です。

A: 未知の断層の有無を含め、今回の地震発生メカニズム等については、現時点で解明されていません。(最新の情報・知見等を踏まえて2024年1月19日追加)

電気事業連合会特設サイト「能登半島地震による各原子力発電所への影響について」1月19日

時事ドットコム令和6年能登半島地震 石川で震度7 最新情報まとめ


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