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生き残りたいなら小池には投票するな

7月5日(日曜)、いよいよ都知事選が行われます。先週から新型コロナウイルスの新規感染者が大きく増加し続けている中で、いわば今回のコロナ危機に対する小池知事の対応の是非が問われる選挙となります。はっきり言って小池知事のこれまでの対応は失敗だらけでした。もっと効果的な対策を考えられる人を選ぶことが、東京だけでなく、日本全体でコロナ感染を抑え込めるかどうかを左右することになります。

まず現在の感染拡大状況について。NHKのニュースで報道されている、東京都の新規感染者数の推移グラフです。

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グラフを見たらすぐにわかりますが、本日(7月3日)の新規感染者数124人は、緊急事態宣言中の数字と同レベルと言える大きさです!たとえばゴールデンウィーク後半、日本全体で危機感がピークとなっていた頃を思い出してください、その時と同じレベル、もしくは今のほうが感染者は多いのです。

それほど感染者が多くなってしまっているのに、再度の緊急事態宣言が出されることもなく、東京都が独自に発令するとしていた「東京アラート」も、存在そのものが無くなってしまいました。現在、すでに当初の東京アラート発動の基準値を上回っているのに、東京アラートの運用は終了しているのです。

みなさん思い出してほしいのですが、もともと日本の緊急事態宣言は、しょせん「休業要請」、「外出自粛要請」でしかなく、罰則などもなかったので、勝手に営業するキャバクラ、ホストクラブ、風俗店などはたくさんありました。そういった店を放置しておきながら、なぜか東京都は営業を続けるパチンコ店の名前だけ公表。パチンコ店ではクラスター感染など発生していなかったのに…。あと飲食店の営業については、営業時間の制限があっただけで、営業そのものは許可されていましたね。

そして、小池知事は、ろくな中身のない記者会見ばかりを何回も開いて、「ステイホーム週間」という単語を繰り返すだけでした。(この呼びかけそのものは、都民の目にふれる場でメッセージを伝えることとして、多少の意味はあったと思いますけどね)

ところが、6月下旬どんどん陽性者数が増えていく中でも、そのような「呼びかけ」すら行わなかった。6月後半の感染者は新宿の歌舞伎町エリアでのクラスター感染が目立つとして、小池知事は「夜の街で感染が起きている」という表現で説明。広く市中感染が起きているわけではない、という詭弁を繰り返してきました。

しかし、実際に"夜の街"関連のケースが占める割合は半分以下。それ以外は、すでに市中感染が起きているために感染してしまった人たちなのです。さらに夜の街の感染者についても、当初の新宿エリアを超えて、現在は池袋エリアの感染者のほうが多くなってしまっています

もはや感染は東京の外にも広がっています。一番大きいところは神奈川県、特に横浜です、横浜のホストクラブでもクラスターが発生しているのです。

ホストクラブ感染者が横浜と新宿行き来していた…東京由来の感染者が首都圏に拡大か

埼玉のキャバクラでも10人以上の感染者が発生してます、この店では客の感染も見つかっています。栃木のキャバクラでも感染が発生しました。

小池知事がずっと見落としてきた(目をそらしてきた)のは、「夜の街という限定されたエリアで起きるクラスター感染を放置していたら、そこに客として訪れる普通の職業の人たちにも感染が広がってしまう」ということです。もう1か月以上も前から、キャバクラ・ホストクラブ・風俗店で感染が起きやすいということは指摘されていたのに、決定的な対策をとらないまま放置してきた結果が今の状況です。

緊急事態宣言が出ていたころを思い出してみてください、毎日のように小池知事は会見を開いて「ステイホーム おうちにいましょう」という間抜けな言葉を繰り返し語っていました。
で、なぜ6月はそれを言わなかったのか?6月後半の時点でも、緊急事態宣言中と同じぐらいの感染者数だったのに?

どうせ緊急事態宣言中に発していた呼びかけも、何の強制力もない、ろくな補償もない、「言うだけ」のメッセージだったはずです。だったら6月下旬の時点で、せめてメッセージだけでも発信しておくべきだったのに、メッセージすら出さなかった。感染を止めるための、本当に効果のある対策を何もしてこなかった。

6月上旬には、東京都の職員らが歌舞伎町を見回りして、感染拡大を防止するよう呼びかけをしていたのを皆さん覚えているでしょうか。なぜ、これを6月下旬にもやらなかったのか?記者会見では、「新宿・歌舞伎町・夜の街」と繰り返し口にしていたのに、なぜ実際の店舗へ強力な指導ができなかったのか?

一応、東京都のガイドラインとしては、水商売でも接客中はマスクをしましょう、定期的に換気しましょう、ということを言ってはいました。でも、そんなの守っているはずがない。守っていないからクラスターが起きています。(ガイドラインが完成したタイミングも遅かった)

新宿のキャバクラ、ホストクラブ、ガールズバーの店内まで見回りして、「きちんと対策してますかー!」、「マスクしてくださいねー!」と呼びかけしたらいいのに、そういう具体的な対策は何もなかったのです。

小池知事に足りないのは、
・有効なコロナ対策を独自に考える力。
・独自のメッセージを発信して伝える力。
・思い切って先取りした発言をする勇気(政府の対応が正式に決まるのを待ってから発言するのでは手遅れ)。
これが小池百合子には決定的に不足しています。

都知事選において、まともな候補者は実質2人しかいません。

小野泰輔さんと、宇都宮健児さんです。

小野たいすけ さんは、つい先日まで熊本県の副知事をしていた人です。今回の候補者の中では、最も実務能力が高い人物と言われています。もともと出身は東京都で、海城高校を卒業し、東京大学に入学、有名コンサルティング会社のアクセンチュアに入社、その後、政治の世界へ入ったそうですが、ざっと見ただけでも頭の良さが伝わってくる経歴。

熊本県政に関しては、ご当地キャラクターである「くまモン」の大成功が小野さんの功績として語られています。熊本地震という大災害への対処でも尽力し、ご自身の出身地ではない熊本という場所で、地域への貢献につながる業績を残してきた人です。

小野さんは、もともと無党派層として出馬している人です。日本維新の会との関連で語られることが多いですけど、維新からの推薦を受けたのはこの1か月間ぐらいの、ごく最近の出来事です。維新というところに抵抗を持つ人もいるようですが、政党色は少ない候補であり、政党だけで決めつけるべきではないと思います。

小野さんのnoteでは、私が前半に書いた東京アラートの無意味さについてもふれていますので、ぜひ読んでください。


宇都宮けんじ さんは、弁護士として長いキャリアを歩んできている人です。ご実家は裕福ではなく、愛媛県、大分県、熊本県など転々としながら育ちつつも、東京大学へ入学、司法試験に合格して弁護士になったという、苦労人という感じの経歴を持つ方です。

これまでの弁護士としての活動は、ひたすら社会的な問題に挑む、社会的弱者を守る、そういう仕事に取り組んできた人です。いわゆるサラ金などの悪質な金融業者によって苦しめられていた人々を守るための、グレーゾーン金利撤廃などの活動。もっと昔の話でいうと、会長の刺殺事件で注目された悪徳業者「豊田商事」による詐欺事件の被害者への救済活動。オウム真理教が起こした一連の事件の被害者の救済。このような「困っている人を助ける仕事」をこれまでずっと手掛けてきた、社会派弁護士です。

これまでに日弁連(日本弁護士連合会)の会長も経験しており、さらに都知事選にも何回か出馬した経験があるという人です。宇都宮さんの場合、今回のコロナ対策についても明確に「弱い立場にある人の救済」を打ち出しています。休業要請などにより収入が減った人への補償の徹底ということを、宇都宮さんは政策として明言しています。