黒崎江治

小説やTRPGシナリオを書いています。 商業出版:『滴水古書堂の名状しがたき事件簿』(…

黒崎江治

小説やTRPGシナリオを書いています。 商業出版:『滴水古書堂の名状しがたき事件簿』(講談社レジェンドノベルス) Kindle小説:『蒸気機関車に竜を乗せて』『アブーバースの妖石術師』 Twitter:@kuroe_trpg Mail:kuroetrpg@gmail.com

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  • TRPGシナリオ創作論

    TRPGシナリオがよりよくなるアイデア、ヒント、考え方など。

最近の記事

現在書いている(初稿はできている)小説のSNS宣伝用画像。秋ごろにKindleで出版予定です。

    • 【創作論】小説の初稿完成、その後の磨き方いろいろ

      はじめに こんにちは、黒崎江治です。最近は新しい長編小説(『伊勢佐木マスカレイドスクウェア[仮題]@近未来横浜)、(『塩と鎚矛[仮題]』@中世イングランド風・中世アラビア風世界)の執筆に力を入れつつ、Kindle出版した小説の売り上げを眺めています。  本記事では新作の初稿完成が近づいてきたこともあり、思考の整理がてら、作品のクォリティアップをするための方法・着眼点を書いていこうと思います。プロットの作り方とか、基本的なテクニックとかは、すでに記事やらブログやらがたくさん

      • Kindle出版の呼び声#2、あるいは高慢なクリエイター向けの冴えたやり方、あるいは作品が燃えあがるとき

         こんにちは。黒崎江治です。前回こんな記事を書きました。  勢いのままに綴った割には反響があり、驚いています。不遇な物書きが多いか、Kindle出版に関心を持っている人が多いか、あるいはその両方なのでしょう。  前回記事のコメントにおいて、X(旧Twitter。以下用語はTwitter時のものを使用します。老害かな)でのプロモ広告をおすすめされました。なるほどそういうものもあるのかと思いやってみることおよそひと月。思ったよりも効果やメリットを感じたので、今回はこれについて

        • Kindle出版の呼び声、または私は如何にして小説投稿サイトに見切りをつけて電子書籍を作るようになったか

          はじめにこの記事になにが書いてあるか ・筆者がKindle出版を決めるに至った経緯 ・Kindle出版を経験しての所感やメリットと考えた点 ・Kindle出版して1か月の結果と課題 ・自著の宣伝 誰がこの記事を書いているのか  こんにちは、黒崎江治です。小説以外を投稿するのはたいへん久しぶりです。本記事は以前のシナリオ創作論よりも広い対象に向けてのものなので、まずは軽く自己紹介からはじめます。  私は2019年に講談社レジェンドノベルスから『滴水古書堂の名状しがたき

        現在書いている(初稿はできている)小説のSNS宣伝用画像。秋ごろにKindleで出版予定です。

        • 【創作論】小説の初稿完成、その後の磨き方いろいろ

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        • TRPGシナリオ創作論
          7本

        記事

          記事の非公開化と作品発表先の変更

           いつもお世話になっています。  表記について、拙作『蒸気機関車に竜を乗せて』と『アブーバースの妖石術師』を、3/8以降非公開とすることにしました。非公開後はKindleにて有料販売とする予定です。上記以外の記事に関してはいまのところ非公開とする予定はありません。  また今後の活動について、おそらくKindleを主戦場とすることになるかと思います。こちらで拙作を読んでいただいた方、応援してくださった方、どうもありがとうございました。また見かける機会があればどうぞよろしくお

          記事の非公開化と作品発表先の変更

          Tips -1- スムーズなテキストセッションを目指して

          はじめに こんにちは。黒崎江治です。最近は過去シナリオのリライトとか、書いてる小説のブラッシュアップとかであんまり新しいものを作っておらず、やや焦り中です。  私がTRPGをプレイするときはもっぱらテキストセッション(以下テキセ)です。ログを読み返すのが楽しいとか、プレイヤー(PL)とまったく違うプレイヤーキャラクター(PC)を演じやすいとか、固有の楽しさはありますが、時間がかかりすぎる、スムーズにいかない、という悩みも出てきやすい形式だと思います。  今回はプレイヤー諸

          Tips -1- スムーズなテキストセッションを目指して

          クトゥルフ神話TRPG語り -1- キーパーとしてのスタンスの変化

          はじめに こんにちは、黒崎江治です。先日からソード・ワールド2.5のキャンペーンがはじまったのでワクワクしています。タイトルが『酷寒の終わり』なんですけど、初日の最高気温が34度とかで、これじゃ『酷暑のはじまり』じゃんとか思ってました。  これまでいくつかシナリオ創作論的なものを書いてきたんですが、今回はもっと肩の力を抜いてというか、エッセイ・雑記的なものになっています。 個人的な経験 私が最初に遊んだシステムは『クトゥルフ神話TRPG』でした。2013年末ごろだったと記

          クトゥルフ神話TRPG語り -1- キーパーとしてのスタンスの変化

          TRPGシナリオ創作論 -7- 読みやすいテキストを書くために

          はじめに こんにちは、黒崎江治です。最近はソード・ワールド2.5のキャンペーンが佳境になっていて、シナリオ制作からやや遠ざかってますが、リハビリを兼ねて今回の記事を書いています。  私は新クトゥルフ神話TRPGのシナリオ作者としてRole&Rollに寄稿したことがあるほかに、講談社レジェンドノベルから小説を出した経験があります。  この記事では上記のような経験なり実績なりをもとに、分かりやすい、読みやすい文章という観点から、シナリオ制作について語りたいと思います。例をたく

          TRPGシナリオ創作論 -7- 読みやすいテキストを書くために

          TRPGシナリオ創作論 -6- よいNPCとはどんなものか

          はじめに こんにちは。黒崎江治です。最近公開した自作シナリオがプレイされていないか気になりすぎて、エゴサの鬼と化しています。  今回はNPCについて書きたいと思います。私はキャラクター造形が苦手&物語のプロットに重点を置くので、シナリオに登場するNPCは薄味になってしまうんですが、そういう部分への自戒も込めて。  表題の「よいNPC」。必ずしも「魅力的なNPC」ではないのと、プレイヤーの体験に資するNPC、という観点で語りたかったので、こういう言葉になりました。 プレイ

          TRPGシナリオ創作論 -6- よいNPCとはどんなものか

          TRPGシナリオ創作論 -5- あなたは彼女を殺してもいいし、情けをかけてもいい 

          はじめに こんにちは、黒崎江治です。最近はソード・ワールド2.5のキャンペーンにプレイヤーとして参加したり、新クトゥルフ神話TRPGのジャズエイジシナリオを作っていたりします。 「記事を書いて自作の宣伝をしてえ……」という動機を元に、今回はシナリオの自由度をテーマに書いていきたいと思います。  最近プレイしているソード・ワールド2.5と新クトゥルフ神話TRPGを念頭に置いて書きますが、固有のルールを応用するわけでもないので、多分、ほかのシステムにも当てはまるでしょう。

          TRPGシナリオ創作論 -5- あなたは彼女を殺してもいいし、情けをかけてもいい 

          TRPGシナリオ創作論 -4-「ロールプレイの糸口」を活用する

          はじめに こんにちは。黒崎江治です。最近は2018年のシナリオコンテストに出した作品をうんうん唸りながら改稿していました。  住人のいる屋敷を探索するシナリオなんですが、探索者たちと住人たち(NPC)の関わりが大きなウェイトを占めるので、役割や行動パターンなんかを想定しつつテキストを書かなければいけないのが大変でした。  悩んだら基本に立ち戻るべし、ということで、ルールブック第10章『 ゲームをプレイする』とか、非線形シナリオのサンプルである『紅文字』とかを読み直しました

          TRPGシナリオ創作論 -4-「ロールプレイの糸口」を活用する

          TRPGシナリオ創作論 -3- クリーチャーと人間の関わりについて考える

          はじめに こんにちは。黒崎江治です。Role&Roll Vol.203(新紀元社)に掲載された拙作『外から訪れたもの』(新クトゥルフ神話TRPGシナリオ)。いまのところそこそこ評価されているようです。ありがてえ。  新クトゥルフ神話TRPG関連書籍について、『マレウス・モンストロルム Vol.2 神格編』が、10月末に発売されますね。  Vol.1 クリーチャー編は既に発売中。今回はそれに言及しつつ記事を書いていこうと思います。  載っているクリーチャーは、ルールブック

          TRPGシナリオ創作論 -3- クリーチャーと人間の関わりについて考える

          TRPGシナリオ創作論 -2- テストプレイ後の感想、どう尋ねるか

          はじめに こんにちは。黒崎江治です。今回は新クトゥルフ神話TRPGのシナリオに関して、Role&Roll(新紀元社)で例年おこなわれているシナリオコンテストを念頭にしつつ、テストプレイ後の感想戦(?)について書いていきます。  2021年のシナリオコンテスト締め切りが11月10日に迫り、そろそろシナリオ本文を書きあげて、テストプレイ&ブラッシュアップ作業をしている人も多いのではないのでしょうか。  私自身は2018年と2020年のシナリオコンテストに参加し、それぞれ佳作と

          TRPGシナリオ創作論 -2- テストプレイ後の感想、どう尋ねるか

          TRPGシナリオ創作論 -1- 一般的な話

          自己紹介&はじめに こんにちは。黒崎江治です。2021年9月、『Role&Roll Vol.203』にて拙作『外から訪れたもの』が掲載されました。  続くVol.204掲載の記事(瀬戸エイジさん&皐月野鷽さん)に触発されて、noteのアカウントを作り、いまこの記事を書いています。  本記事は新クトゥルフ神話TRPGのシナリオ創作論です。以下の特徴があります。 ・文章やシナリオをある程度書き慣れた人向けである。 ・公開用のシナリオを念頭に置いている。 ・新クトゥルフ神

          TRPGシナリオ創作論 -1- 一般的な話