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紙ヒコウキ



真っ黒な紙ヒコウキが飛んでいる

あっちにはピンク色の紙ヒコウキ

水色や黄色の紙ヒコウキも飛んでいる


青い澄んだ空に
様々な想いをのせた紙ヒコウキ


紙を使わなくなってしまった
この時代に
わざわざ紙に書くのは
字の大きさや濃さから
自分でも気づかなかった
思いの様子や大きさがわかるから


真っ白だった紙が
文字のカラーで染まってゆく


書いた紙を紙ヒコウキにして飛ばすと
その気持ちを紙ヒコウキがもって行ってくれる

雨空の日でも
風が強い日でも
落ちず破けずに飛んでゆく紙ヒコウキ

紙ヒコウキの行き着く先は
キレイな滝が流れ
花が咲き乱れる場所


紙ヒコウキの字が薄くなる度に
気持ちも落ちついてくるという


人はそれぞれ
いろいろな思いを抱えて
毎日を過ごしている
後ろ髪をひかれる事があっても
時がたつにつれ
前を向いて歩いていけるのだろう


Fin~➹

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