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製本会レポート

製本会報告レポート

8/11に行われた製本・おしゃべり会のレポートです。
ご購入していただいた冊子は、ここに来た方と一緒に製本したものになります。
※冊子「子育てと制作」についてはこちらから。

田端駅から徒歩10分のOGUーMAGギャラリーにて、「製本おしゃべり会」を開催しました!

製本おしゃべり会とは?

クローズドな座談会ではなく、よりオープンな形で座談会の雰囲気を感じてもらいつつ、子育てや制作などについてざっくばらんに語り合うことを目的とした会です。
「作業のために」集まったり、「作業をしながら」話すことで、
会に参加することへのハードルを下げたり、話すことへの抵抗感を減らせるのではないかと考え、このような形で場を開きました。

以下、黑田による当日のレポートです。
記録写真:伊澤絵里奈 山口梓沙

当日のようす

午後1時のオープン開始直後から19時の終了時間まで、たくさんの方が足を運んでくださいました。おかげさまで100冊分の製本は瞬く間に完了です!

開催スペースOGUーMAGについて

OGU-MAGは、田端駅から10分弱の場所ですが、行くまでの道のフラットさ、入口の入りやすさ、今までもお子さん連れのイベントなどを多数行っていた点も開催場所の決め手になりました。

スペースの作り方

OGU-MAGのスペースは、少し段差を入れて2つのスペースに分けられます。そのため、入口側はテーブルを出して製本作業スペースに、段差を上がったもう1つのスペースはギャラリーからござをお借りして自由にできるスペースにしました。プロジェクターではアニメーション作家の池さんにお薦めしてもらったDVDを流していました。

【親も楽しめそうなアニメーション作品リスト】
Yellow Submarine
バッタ君町に行く
年をとった鰐
ロシア・アニメーション傑作選集 Vol.2 フョードル・ヒートルーク作品集


お便り

当日会場には来れなかったけれど、今自分が悩んでいることをメッセージに託してくれた方もいらっしゃいました。

子どもに合わせた生活で制作をするので、時間が足りない、が1番の悩みです。家族と過ごしつつ、限られた時間の中で作家活動を継続させる資金を稼ぐのと、制作を続けていく同時進行の難しさ。もう一回1からやり直しか〜って感じです。
できるプロジェクトやできる作品がだいぶ変わるな、と感じます。
それとあまりこういう悩みを共有できる人がいない、というのもあります。
あるいはみんなこーなのかなーと思って言いづらい。

(一部抜粋)

「もう一回1からやり直しか〜」という部分が、私にはうまく飲み込めず、会場に来ていた方に、どういう意味なのか尋ねてみました。
すると、「今までなんとかして自分のやり方を見つけてきたところで、そのやり方を見直さなくてはいけない」という意味だと、自分の状況に例えながら説明していただきました。(後日メッセージをくれた方に連絡すると、本当にその通りの意味でした。)
また、別の方は「これを書いた人は僕自身だ...」と言って、共感されていました。

終わりに…

生活の話はそれぞれの家庭の事情があるので一概には言えませんが、だからと言って、それぞれが抱えている困難を漏らさないようにする必要はないと思います。「”愚痴”のように聞こえてしまうかも…」と言われていた方も多かったのですが、伝える場・話す環境さえ整っていれば、それはとても価値のある”情報”にもなると思います。

私は、人が集まって話しをすることで、それぞれのモチベーションや気持ちが少し回復できたら良いと思っています。それは、力を発揮できている人が多いほうがなんか楽しそうだし、あと、私が困ったら助けてもらおうという下心なんかもあります。

こんなモチベーションにも関わらず、いつもサポートしてくれる写真家の伊澤絵里奈さん、意欲を行動で示してくれる写真家の山口梓沙さん、大感謝です!!!!お疲れさまでした!

黑田菜月(写真家)

そして最後に、山口さんのテキストを。

色々な”居かた”ができる場で

今回の「製本おしゃべり会」は、子育て中の方からそうでない方、職業も様々(アーティスト、俳優、学芸員、批評家、デザイナー、メディア関係、通りがかりの主婦の方など)、切実な思いの方から興味本位の方まで、多様な方が集まって下さいました。
子育ても制作も、どちらも個人的で生活に密着した話なので、いくら「おしゃべり会」と気軽な雰囲気を作っても、初対面でどこまで踏み込んでいいのか、どこまで個人的なことを話したらよいか、最初は探り探りだったと思います。
同じテーブルを囲んで製本作業を行う中で、ぽつぽつと質問をしあう所から始まり、お互いの仕事や制作の事を開示しあって、だんだんと具体的な悩みを話し、そして対話が生まれる過程を体験しました。
それ以外にも、子供の遊び場スペースで自然と親同士の会話の輪が広がったり、話はあまりせず黙々と作業を続ける方もいたりと、様々な”居かた”が出来る場となりました。

印象的だったのは、「子育ても制作も自分で選択したことなのに、大変だと言うのは甘えではないか」と苦しそうに話す方と、
「周りに子育て中のアーティストは多いけど、自分は子育てをしていないから、その話をされないし、何をどう聞いていいのかも分からない。」
とこぼした対照的なお二人が、同じ場にいた事です。
同じ境遇の人と悩みや困難を共有する場は当然大切で必要ですが、それと同時に、全く違う状況の人と話すことも、新しい気付きをうむ刺激的な事のはずです。
ぎこちなくとも、すぐ隣にいる人と話をしてみることが大事なのかも?と気付けた会でした。

山口梓沙(写真家)


座談会は不定期開催ですが、また次回開催する際は、このnoteでもお知らせしたいと思います。今後とも温かい目で見守っていただけたら幸いです。

また、冊子の販売は8月末で一旦締め切っていましたが、残数がなくなるまでは販売継続します。発送に少しお時間を取ることもあるかと思いますが、こちらもどうぞよろしくお願い致します。
こちらから

それでは!

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