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種苗法改正、自家採種禁止の衝撃‼︎ 有機栽培農家への影響は⁉︎

今回の種苗法改正によって、
・自家採種(農家が種をとること)ができなくなるのではないのか⁈
・伝統的に栽培されている在来種が途絶えてしまうのではないのか⁈
・F1品種や”遺伝子組換え作物(GMO)”が市場を席巻のしてしまうのではないか
などと心配している方が多いようです。
また、そのように考えている人の中には『アメリカのバイテク企業が、遺伝子組み換え作物や毒性の強い農薬を、日本へ売り込むために仕組んだ陰謀に違いない』と疑っている方も少なくないようです。
結論的に言いますと、彼らの主張の中には誤解や政治的な意図をもったデマがたくさん含まれています。そこで、農家ではない人でも分かるように、種苗法や種苗法改正について簡単にまとめました。 

目次
1、種苗法は、全ての農家が知るべきもの
2、品種改良の目的と、その方法
3、種苗法の目的
4、新品種の購入費用は、開発者へのお布施です
5、種苗法が適用される条件
6、種苗法改正の内容
7、種苗法で規制される行為(自家採種禁止の範囲)
8、まとめ 


1、種苗法は、全ての農家が知るべきもの
種苗法はあらゆる植物の種や苗が対象になる法律です。つまりコメ・野菜・花などを扱う、ほぼ全ての農家に関わる問題なんです。全ての農家が知っておいて損はないし、知るべきことなんです。
今回の種苗法改正について、これから説明していきまが、以下の文章を一言でまとめると「種苗法とは、農家と日本の農業を守るための法律」なんです。特別に難解な内容ではないですし、マトモな農家なら”基本的な部分”くらいは知っていて当然の内容ばかりです。知らないと逮捕されるレベルの話のはずなんですけど、有機農業をやっている農家さんの中には、

・遺伝子組み換え作物(GMO作物)が流通する
・種苗法改正によって伝統的な品種が絶滅する
・日本の農業が海外のバイテク企業に乗っ取られる

などといった主張をしている農家さんも少なくありません。ハッキリ言いますが、彼らは大切な商売道具であるタネのことをマジメに考えていない農家であり、このようなデマや客の誤解を利用して利益相反で儲けようとする農家なんて信用してはいけません。
もし種苗法や自家採種のことを理解したうえで、上のようなデマを拡散している農家がいるならば、それはサギ師と思って差し支えありません。ブログなどで「私たちは有機・無農薬で安全安心な野菜を育てています」と宣伝していたとしても、最も大切な商売道具であるタネや、それに関わる法律に無関心な農家は信用に値しません。サギ師です。自分の商売道具に関してデマ情報を流す農家を信用してはいけませんよ。 


2、品種改良の目的と、その方法
それでは種苗法の説明に入る前に、新品種の開発方法について簡単に説明しておきましょう。
例えば、大根を育てた時に、長い大根や短い大根が混ざってバラバラに生えてきたら農家さん困りますよね。売るときにだって大きさが異なると1本ごとに値段を変えなければならず手間がかかります。そのような問題を解決するために、種苗会社(種屋さん、種を育てる専門の会社のこと)の人たちは新品種の開発をするわけです。

新品種開発は以下の手順で行われます(簡単な説明)
①美味しい・病気に強い・暑さに強いなど、魅力的な性質を持った品種を交配して雑種を作る
②雑種を育てて、次の世代の種子を収穫する
③雑種化した種子をさらに増やして、畑一面に何万本も育てる
④その雑種の中から、優れた性質の株を選抜する
⑤選抜した株から種をとり増殖して、再度、畑一面に栽培する
⑥以下、④〜⑤の作業を性質が安定するまで10年程度繰り返す 


実は、私も大根や人参やらのタネを収穫して品種改良をやったことがあるんですけど、とにかく手間と時間がかかって大変でした。 *この写真は以前にF1品種の大根から親株を選抜した時のものです。

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大根を品種改良する場合は、秋に大根のタネを撒いて、それを12月ぐらいに収穫するわけですけれども、そのときに形が綺麗で病気に強そうな大根を選抜するわけです。その大根を、畑のすみに植えつけてやると春に花が咲いて実がなります。そして、その実が完熟して種子が収穫できるのは7月の頃です。そこからさらにタネに混ざったゴミを取り除いたりして、ようやく市販の種に近い状態になります。こうしてできたタネを秋に播いて、また同じような作業を繰り返します。私の経験上ですが、品種としての性質が安定してくるまでに、最低でも5年以上この作業を繰り返す必要があります。このように「理想的な株を選抜して、交配して、タネをとる」という、単純な方法で品種改良に挑戦してみたのですが、それでも大変な労力と時間が必要でした。

品種改良とは、このような途方もなく時間と労力のかかる仕事を何年も繰り返します。新品種の開発には猛烈に時間とお金がかかるんですよ。もし新品種の権利が保護されなかったら「もっといい品種を開発しよう」というモチベーションが下がりますよね。そして、いい品種が開発されなければ農家も八百屋さんも、さらに消費者も損をするというわけです。 


3、種苗法の目的
一言でいうと種苗法とは「新品種を開発した人の権利を保護するための法律」です。例えるならば、マンガや音楽の著作権と似ていますね。新品種の開発には、マンガや音楽と同じく開発者の多大な努力が必要です。だからこそ「開発者の努力と、それに見合う権利を保護しましょう」という目的で種苗法は作られたのです。
注意して欲しいのが、「品種のタネや苗を保護することを、目的としていない」というところです。ここの部分、勘違いしている人がすごく多いんですよ。種苗法は、あくまでも海賊版による権利侵害を規制する法律であって、品種のタネや苗、そのものを保護する法律ではないんですよ。したがって、種苗法の改正と、伝統的な品種の保護は、全く別の問題なんですよ。
  
このnoteの最初の所に書いた、
・自家採種(農家が種をとること)ができなくなるのではないのか⁈
・伝統的に栽培されている在来種が途絶えてしまうのではないのか⁈

などと心配する人の声が、なぜデマや勘違いかというと、要するに「新品種の権利を保護する種苗法」と「在来種のタネの保存」は関係がないからなんです。別の言い方をすると【種苗法があろうが無かろうが魅力的な在来種は栽培されるし、種苗法があろうが無かろうが魅力の無い在来種は栽培されない】というだけの話なんです。種苗法改正(自家採種禁止)と在来種の永続性とは無関係なんですよ。 


4、新品種の購入費用は、開発者へのお布施です
古い品種と新しい品種では、種の値段がな何倍も違ったりします。作物によってはタネが1粒で50円もする種類もあります。大規模な農家さんの場合は、タネ代だけで何十万円〜何百万円もかかってしまいます。家庭菜園の人も含めて、タネ代をケチりたい気持ちはよくわかります。でもそれをやってしまうと、低農薬で栽培できる美味しい野菜や、綺麗な花の種が開発されなくなってしまうんですよ。

すでに書いたように、新品種の開発には途方もない労力とお金がかかっています。海賊版(自家採種)を作られてしまうと種屋さん生活ができなくなるんですよ。将来的に長く【良いタネ】を利用するためにも、種の生産者には正当な対価を払わないといけない理由があるのです。
  
いいタネが手に入らなければ、農家さんだけでなく消費者も困るわけです。ところが残念なことに、タネ代をケチって海賊版のタネを使う農家が多いのです。そこで、「開発者の権利を一定期間保護しましょうね。その期間中は開発者に適正な利益を還元しましょうね」という考えのもとで【種苗法】が作られて、段階的に厳しくなってきてるんですよ。

例えば、海賊版サイトの“漫画村”のように、マンガが勝手にコピーされてしまったら漫画家さんのところにお金が入らないですよね。漫画家が生活できなければマンガを書くことができないですし、そうなるとマンガ好きの消費者が困りますよね。

これと同じように、新品種が簡単にコピーされてしまうと、種屋さんのところにお金が入らないんですよ。お金が無ければ次の新品種の開発ができないですし、新品種の開発が止まれば、お客さんである農家やそれを食べる消費者が困るんです。反対に新品種の権利がしっかり保護されて、開発者にお金が入れば、そのお金で次の新品種の開発ができます。

つまり、新品種の開発が盛んになることは、「今よりも美味しくて、病気に強くて低農薬栽培の安心できる野菜が食べられるようになる」ということでもあり、農家にとっても消費者にとっても良いことが多いんです。

タネを購入している農家さんにしても、あるいは自家採種(自分で種を作ること)をしている農家さんにしても、品種の重要性を理解している農家さんだったら、新品種開発者の権利を保護することに反対する農家なんていないんですよ。

 
5、種苗法が適用される条件
種苗法が適用される範囲は、新品種として登録された品種に限られます。そして新品種として登録が認められるには以下の4つの条件をすべてクリアする必要があります。 

・均一性
繁殖した時にそっくりな苗(兄弟)が得られる性質。

・区別性
色や形・耐病性・成長の速さなど、すでにある品種と区別できる特徴がある。

・安定性(再現性)
繁殖した時に、期待した性質の苗が安定して得られる性質。

・未譲渡性(新規性)
すでに知られた品種(既存の品種)ではないこと。

均一性・区別性・安定性に関しては詳しい説明は必要ないですよね。未譲渡性(新規性)については、例えば在来品種と呼ばれる古くから栽培・流通している品種の場合は、明らかに未譲渡性(新規性)の要件を満たしていないですよね。つまり「在来種は新品種として登録できない」ということになるんですよ。

このNoteの一番最初の所で『自家採種(農家が種をとること)ができなくなる、伝統的に栽培されている在来種が途絶えてしまうのではないのか⁈という主張はデマや勘違いだ』と書きましたけれど、それがこの【未譲渡性(新規性)】に関わってくる話なんですよ。

在来種は未譲渡性(新規性)の要件を満たさないのだから新品種として登録することはできないし「登録されない品種なのだから自家採種や販売が可能」ということなんです。さらに言うと、種苗法で権利が保護されるのは【最長でも30年まで】であり、保護の対象外である古い品種は、自由に自家採種や販売が可能なのです。

簡単に整理すると、
・未譲渡性(新規性)の要件を満たさない在来種
・期限切れの固定種
・さらには品種登録されていないF1品種

これ等に該当する品種は自家採種や販売が認められているのです。農家であっても、素人の家庭菜園であっても同じです。全て自由なんです。 ただし、いくらフリーに利用できる品種といえども以下の2点には別途、注意が必要です。

・品種名を偽って販売したら【詐欺罪】になります。
・品種名とは別に、商標権が設定されている種苗については【商標権の侵害】として訴えられます。

*具体的には島根県が開発して「島系Hyd06-01」という品種名で登録したアジサイは、「万華鏡」という商品名で販売されています。もしこのアジサイを勝手に増殖して万華鏡という商品名で犯罪した場合、【品種の権利(育成者権)】と【商標権】という2つの権利を侵害することになります。絶対にやっちゃダメですよ!!

⑥種苗法改正の内容
これまでに種苗法は何度かの改正が行われていて、その度に「新品種に対する、違法コピーの範囲が広げられてきた」という歴史があります。つまり、以前の種苗法は違法コピーを黙認するような状態だったのです。それが今回の改正で、マンガや音楽のように「違法コピーは黙認しません。勝手に複製を作って金儲け(販売)したり、無償で配布してはダメ」という常識的な内容に改善されただけなんです。

しかも種苗法は品種登録された品種にたいして効力を発揮する法律なので、品種登録されていない在来種などは自家増殖・販売・譲渡など、なにやってもOKなんですよ。もちろん品種名を偽るだとかサギ的な行為はダメですけど、常識的な範囲であれば何をやってもいいんです。

種苗法の改正で、稲や麦などの自家採取ができなくなって大変なことになると騒いでいる農家さんて「海賊版サイトからの違法ダウンロードを認めろ!」といっているのと同じくらいおかしな主張なんですよ。 

常識的に考えて、開発者の権利を公然と侵害しようとする人が「無農薬・有機栽培で安全な野菜を育てました」って言ったところで信用できないですよね。少なくとも私は、そのような農家を信用しませんし、そんな農家が育てた農産物を食べたいとも思いません。 


⑦種苗法で規制される行為(自家採種禁止の範囲)
以下の表では「登録品種の繁殖や販売・譲渡は禁止(赤×)」となっていますが、実際にはOKのようです。ただし細かな条件に注意が必要で、その条件を知らずに間違って禁止行為をしてしまう方が出てはいけないと考えて、あえて赤×にしています。詳しく知りたい方は農研機構などでご確認ください。

その上で、一般の家庭菜園などを想定して、違法行為と合法行為の一覧を作ってみました。(間違ってるかもしれないので、あくまでも自己責任でおねがいします)


種苗法の説明 2019_10_16

主な登録品種の利用方法には、以下の3つのパターンが考えられます。
ア、登録品種を、直接的に利用する場合
イ、突然変異個体の選抜や別品種と交配するなど、間接的に利用する場合
ウ、他人のそら似

とくに、新品種を開発する場合は、他人のそら似についても注意が必要です。

ア、登録品種を、直接的に利用する場合
一般的な登録品種の利用方法といえば、ほとんどがこのパターンだと思います。
  
花の苗などを購入すると、ラベルに「農林水産省種苗登録品種〇〇〇号」とか「種苗登録申請中につき無断増殖禁止」などと書かれていものがあります。切り花は例外ですが、苗や鉢植えとして流通する登録品種の場合は、ほぼ100%このようなラベルがつけられています。生産農家として登録品種を栽培するには、品種の使用料を支払う必要があるのですが、このようなラベルの購入によって納付することもあるようです。

当然ですが、これらは申請中のものも含めて、繁殖した苗の譲渡や販売をしてはいけません。したがって、種苗登録されている品種なのにラベルが付いていない苗や鉢植えは極めて高い確率で黒(違法行為をしている)といえます。 

ちなみにですが、
フリマアプリのメルカリなどで「バラ 苗」とか「あじさい 万華鏡」と検索すると、当たり前のように登録品種が販売されています。パテントを示すラベルもついていませんしプロフィールなどを見る限り農家のようにも見えませんから、おそらく違法増殖した苗の、違法販売だと思われます。*アジサイ、万華鏡の正式な品種名は「島系Hyd06-01」であり、権利の有効期限は2045年までとなっています。したがってラベル無しの苗を出品してる彼らは、ほぼ全て犯罪者と考えて差し支えないでしょう。

在来種や野生種などの未登録品種に関しては自由な利用が認められているのですが、種や苗を入手する際に「繁殖・販売・無償譲渡・新品種の開発や研究目的での利用などを禁ずる」などといった特別な契約を結んでいる場合は、そちらの契約内容が優先されるので注意が必要です。よくある勘違いなんですが、たとえ未登録品種の在来種であっても、観賞目的や研究目的で入手したものを繁殖して販売すると捕まる可能性があります。未登録品種の在来種・野生種であってもです。

これは例えば、入手のときに「販売や繁殖をしないでください」という契約を結んでいた場合です。「販売しない約束で入手したタネや苗を、勝手に販売する」という行為は、ウソをついて金品(タネや苗)をだまし取ったことになりますよね。この場合は種苗法とかに関係なく、詐欺罪で逮捕されるんですよ。種苗法で繁殖や販売が認められているからといって「詐欺が合法になるわけではない」という当たり前の話なんですけどね。 

イ、突然変異個体の選抜や別品種と交配するなど、間接的に利用する場合
これは、
①従属品種と②交配品種の2パターンが考えられます。

①従属品種
従属品種とは、以下の条件に該当する品種のことです
・すでに存在する登録品種を親品種として利用し
・その登録品種(親になった品種)の特性を残したまま
・特性の一部を変化させた品種で
・かつ、特性により親になった品種と明確に区別できる品種

従属品種は作出方法により4つに分類できる
・変異体の選抜 
・戻し交雑
・遺伝子組換え
・細胞融合

変異体の選抜
 自然的に、あるいは人為的に生じさせた変異体を選抜する方法で得られた品種。

戻し交配
 戻し交配とは、交雑に用いた一方の親(反復親)を数代にわたって繰り返し交雑し、 選抜を重ねることにより、導入しようとする特定の特性以外のほとんどを反復親の 特性と同じものに近づけていく方法をいう。 

戻し交配 2019_10_24 16_24_02 (2)


遺伝子組換え、細胞融合については一般的な技術ではないので説明は省略します。

従属品種の育成者は【均一性・区別性・安定性・未譲渡性】の要件を満たせば、元の登録品種(親になった品種)とは別に、新品種としての権利を取得することが可能です。ただし、もとの登録品種の権利が有効である間は、従属品種のタネや苗の生産や、販売や譲渡などの利用にあたっては、元の登録品種(親になった品種)の権利者の許諾を受ける必要があるので注意が必要です。

②交雑品種
交雑品種とは「繁殖のために常に特定の品種との交配が繰り返し必要な品種」のことであり、登録品種の固定種を交配親として利用した交雑品種(F1品種など)がこれに該当します。  

例えば、 品種Aと品種Bを交配して「交雑品種(A×B)である種子」を得ることを目的とする場合、品種Aと品種Bは交雑品種(A×B)の親に当たります。 この時、親品種であるAやBが品種登録であるならば、そのAとBの育成者権の効力は、交雑品種(A×B)にも及びます。このため、交雑品種(A×B)を利用するには、AとBの両方から許諾を得なければなりません。

しかし、交雑品種(A×B)から収穫した種子を利用して、新たな固定品種Cを作出した場合は親品種の権利はCに及びません。なぜなら、交雑品種とは「繁殖のために常に特定の品種との交配が繰り返し必要な品種」とさらているからです。固定品種であるCは、繁殖のためにAやBと繰り返し交配する必要がないため交雑品種とはいえません。したがってAやBの育成者権が及ばないのです。

交雑品種の育成と利用
従属品種と同じく、交雑品種の育成者は【均一性・区別性・安定性・未譲渡性】の要件を満たせば、親になった品種とは別に、新品種としての権利を取得することが可能です。ただし、親として使われた登録品種の権利が有効であるうちは、交配品種のタネや苗の生産や、販売や譲渡などの利用には、元の登録品種(親になった品種)の権利者の許諾を受ける必要があるので注意が必要です。 

ウ、他人のそら似
他人のそら似とは「登録品種などと特性により明確に区別されない品種」のことをいいます。簡単に言うと【ソックリさん】のことです。

例えば、
ある人がAとBを交配して品種Cを開発して、新品種として登録したとします。その後に、別の人がXとYを交配して品種Zを開発したとします。

この時に、品種Cと品種Zが区別できないほどにソックリであった場合には、品種Cの権利が品種Zにも及ぶのです。AやBからの交配や変異体の選抜によって育成さえた従属品種だけでなく、AやB以外の品種から作出された品種であったとしても権利が及びます。

簡単に言うと品種Cと品種Zを比較した時に「色や形・耐病性など農業上の重要な特性について区別ができない品種は、品種登録の要件である【区別性】を満たしていない」ということです。


8、まとめ
専門的に見ていくと細かな条件や例外のようなものがあって判り難い部分もありますが、一般家庭でガーデニングや家庭菜園を楽しむ分については1枚目の一覧表をもとに、音楽やマンガの著作権と同様に考えておけばトラブルになることはほとんどないと思われます。

また、自家採種を行っている農家の場合であっても「開発者の権利を一定期間保護して、開発者に適正な利益を還元する」という常識的な判断基準で行動すれば問題になることもありません。また「この行為は微妙かな???」と思える事案については公的な機関の発表したQ&Aの中に回答がある場合がほとんどだと思います。

ネット上(ブログのまとめ記事、Twitterなど)では公的機関の発表した情報(一次情報)すら確認せずに、デマ情報をそのまま拡散している人が多いので要注意です。必ず公式情報を確認しましょう。 


*この文章は家庭菜園などの素人向けに分かりやすさを優先してまとめました。その結果として一部で表現が不適切なところがあります。

*より正確な情報を知りたい方は農研機構
(種苗管理センター/品種保護対策/よく寄せられる質問)などでご確認ください。 


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