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区の境、何と地図によって違います!

23区全区境踏破第1回

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さて、まえがきで書いた通り、私は自宅最寄りの四ツ谷駅あたりから区境踏破を始めることにしました。
江戸城の旧外堀が区境だということを知っていたからです。
JR・東京メトロの四ツ谷駅は江戸城旧外堀の上に建っています。

で、四ツ谷駅に向かう前に一応地図を確認してみました。
最初に見たのはGoogle マップです(2020年当時の仕様)。

区境はとても見にくいです。
目を凝らすと細い点線が駅の周囲をクネクネしています。
「こんなに曲がりくねってるの?」

なんだか不思議に思い、
「そうだ、国土地理院の地図(https://maps.gsi.go.jp/)も見てみよう」
こちらははっきり書かれています。
しかし一般的な「電子国土web」というネット上で見られる地図では、とても大雑把な区境しか載っていません。
でもその地図で見ても、Google マップとはなんだか全然境の描かれ方が違います。
「ええええ〜。地図で境が違うの?」
びっくりです。

同じ国土地理院の「地理院地図Vector」というものだと、細かく区境が描かれていましたが、やはりGoogle マップとは全然違うところに線があります。
この日まで、地図によって境界線が違うなどとはつゆ程も思わずに過ごしてきました。

さらに住宅地図で有名なゼンリンのweb地図「いつもNAVI」(https://www.its-mo.com/maps/)を見てみました。
これは国土地理院と境の場所は似ています。
でも微妙に違います。
建物の中の通り方など少し違うのです。

これは困った!
地図によって区境が違うのでは、どこを歩いていいのかわかりません!

歩き始めの当初はこの問題は解決せず、とりあえず国土地理院を信じて歩いていました。
ところがしばらくして地図の権威の専門家に伺ったところ、なんと
「地理院地図Vectorは境界については間違いが多いので信用してはいけません!」

ガーーーーん!

国の機関を信用してはいけないとは・・・
何が信用できるのでしょうか?
「各自治体が発行している地図が一番信用できます」
紙で使いにくいんです。
「ネットで使えるものではゼンリンが一番正確です」
とご教示いただき、以後ゼンリンの「いつもNAVI」を使って歩きました。

左がGoogleマップ(現在の仕様)、中が「いつもNAVI」。いずれも赤線は私が書き込みました。右は新宿区の地図。上が真北になっていませんので、左の二つとはややずれています。

じゃあGoogle マップはダメなのか、というとそれもまた説明が必要です。

新宿区と千代田区の境に建つ四ツ谷駅ですが、たとえば郵便物を届けたりすることを考えると、一つの住所が必要です。
現在、四ツ谷駅の住所は新宿区となっています。
そこでGoogle マップでは、四ツ谷駅の建物はすべて新宿の区境の中に収めた。
と考えられるのです(黒田推定)。
これはこれで利用者の便を考えたやり方です。
「いつもNAVI」のように区境が駅を突っ切っていると、
「四ツ谷駅は何区なんだーーー!」と叫ぶ人が出てきます(出ないか)。

いやあ歩き出す前から波乱でした。
次回からは歩いて行こうと思います。

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