心地よいひょうたん島クルーズ/人形浄瑠璃の哀愁に触れる/徳島市
★「日本の城下町を愉しむ」一覧
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★都道府県 徳島県
★城郭 徳島城
日本三大暴れ川を坂東太郎(利根川)、筑紫二郎(筑後川)、四国三郎(吉野川)という。しかし長さでいえば、信濃川や木曽川、阿武隈川などの方が吉野川よりずっと長い。吉野川が特別なのは、その上流域に四国山地の多雨地帯を持ち、雨が降ると一気に水量が増すからだ。阿波で雨が降っていないのに洪水になることがあり、古くから「阿保水」と呼んで警戒した。
江戸時代以前の吉野川は徳島平野の北側を通り、今の徳島空港の南北に分かれて紀伊水道に注いでいた。しかし江戸時代、徳島城の北側の堀とするためと、城下と上流の水運の便を良くするために掘った流れに予想以上に流れが移り、今の吉野川が本流になってしまった。
徳島城下は、このような暴れ川吉野川が作るデルタ地帯の中にあり、実は水都である。城は標高60メートルほどの小山とその周囲に築かれているが、地図で見ると新町川、助任川などの川に囲まれた島だ。江戸時代にはさらに真ん中に寺島川という川があったが、今は徳島駅を通るJR高徳線や牟岐線の線路となっている。この島の形をひょうたんと見て、城の周りを一周する「ひょうたん島クルーズ」が運行されている。
お城の堀をめぐる船下りは他にもいくつかあるが、ここでは革張りシートの座席に動力付きという小型豪華船(?)でめぐるにも関わらず、料金はたったの300円。これは運行を「新町川を守る会」という市民団体が行い、操縦する船長さんらはほぼボランティア、船体も市内の企業の寄付等で賄われているからだ。守る会は中心街の新町川の浄化活動を行なっているが、こうした団体が観光事業を行なっているのは珍しい。
中心街の両国橋桟橋で乗船し、一周6キロ、30分程度の旅。賑やかな市街
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