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孫市の街、盛り上げる動きも/熊楠が守った和歌山城/和歌山市

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 雑賀孫一(鈴木、孫市)の名は、多少戦国時代に関心を持つ方ならご存知だろう。傭兵の鉄砲隊を率い、織田信長に歯向かって苦しませた破天荒なヒーロー像が知られる。
 その根拠地、雑賀とはどこか? 和歌山市なのである。なんとなく「紀の国」との認識はあっても、意外に思われる方も多いかもしれない。和歌山市駅前の商店街を中心に「孫市の会」が作られ、その根拠地をアピールする運動もある。しかしこの雑賀衆や孫市には謎が多い。
 和歌山市南部には古代からの名勝和歌の浦があって貿易港としても栄えたらしい。中世から戦国時代には、京都などに近いため逆に大きな勢力が生まれず、小土豪の自治的な支配が続いたようだ。
 そして戦国末期に突如、大鉄砲傭兵隊雑賀衆が現れる。だがどこで鉄砲を造ったのか、輸入したのか謎である。どうしてそのような財力があったのかもわからない。
 いずれにしろ信長や秀吉から危険視されて侵攻を受け、服属したり歯向かったりを繰り返している。また雑賀孫一という人物は一人ではなく、またその名も後世に付けられたともいう。とにかく謎が多いが、ゆかりの地は多い。
 孫一の本名、鈴木重秀の城と言われるのが、紀の川北部の中野城だ。田園地帯の畑の中に標柱が立つ。とても城があったとは思えない。中世の居館規模だったのだろう。

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      中野城跡。畑と住宅の混在地の中

 やや東に行くとやはり孫一の平井城跡。ここには秀吉の朝鮮侵略時に朝鮮側に投降し戦った沙也可(ルビ・さやか)の出身地が雑賀である、との解説板がある。同じ鉄砲隊で読みが近い。すぐ近くに孫一の墓といわれる供養塔

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