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過去から現代の名建築を楽しめる街/夜は三味線、春には桜/弘前市

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★城郭 弘前城

 最近は「建物さんぽ」なる語があるらしい。様々な建築物を眺め歩いて楽しむ趣味だが、好事家にはこの弘前はたまらない街だろう。市の観光パンフレットに「レトロモダンの街」とあるが、数百年前から現代に至るまで、様々な時代の名建築が市内にひしめき、さながら街中建築博物館、といった体だからだ。

 弘前市には戦後日本を代表する建築家の一人、前川國男の作品が多い。前川はル・コルビュジエらに学び丹下健三は弟子だった。師のコルビュジエの世界遺産、東京・上野の国立西洋美術館と向かい合う東京文化会館が前川の代表作だ。

 弘前では市役所市民会館市立病院市立博物館など実に多くの重要公共建築が前川の手になる。母の出身地が弘前だった縁だという。またデビュー作の木村産業研究所から最晩年の作品まで順を追って一望でき、公共建築がほとんどのため自由に見学できるもいい。

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          前川國男設計の弘前市役所

 そして弘前は空襲を受けなかったため、戦前の洋風建築の逸品が数多く残る。青森銀行記念館弘前厚生学院記念館弘前学院外人宣教師館と国の重要文化財建築が3件もある。さらに旧東奥義塾外人教師館、白壁に赤い塔屋が印象的な旧弘前市立図書館なども見事だ。これら戦前の名建築を集めたミ

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