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不昧公ゆかりの和菓子の街/堀川めぐりでゆっくり城下町観光/松江市

★「日本の城下町を愉しむ」一覧
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★城郭 松江城

 日本三大菓子処というものをご存知だろうか。「京都」「金沢」「松江」なのだそうだ。京都は和菓子の本場という感じがするし、金沢は加賀百万石の町だ。だが何で松江? この手のものは自称など根拠が薄いものもあるが、三大菓子処にはきちんと根拠がある。人口当たりの和菓子店の数で、日本一が京都府。2位石川県、3位島根県なのだ。
 この理由は江戸時代に遡る。茶の湯を嗜まれる方なら松平不昧公の名はお聞きになったことがあると思う。松江藩の7代藩主治郷、江戸時代を代表する大名茶人である。治郷は「滅亡寸前」と言われた藩財政を、特産品の奨励や支出の切り詰めで見事に回復させた。藩主を40年近く務めた後不昧と号し、以後茶の湯三昧の暮らしに入る。
 不昧はただ茶の湯好きで、高価な茶器を買い集めたというだけでなく、近代的な精神でそれまで曖昧だった茶器の分類格付けを行い、「古今名物類従」という書にまとめる。これは現代でいう名茶器データベースで、ここで格付けされた「大名物(おおめいぶつ)」「名物」「中興名物」などが今も茶器評価のスタンダードとなっている。
 茶の湯には茶菓が欠かせない。この茶菓にも松江で受け継がれた不昧公好みがあり、幕末維新時に一旦途絶えたが、明治以降復興し現代に受け継がれている。こうした経緯から、松江では茶の湯が盛んで和菓子店も多いのだ。
 2018年は没後200年で様々なイベントが開かれたが、市内の和菓子の名店7店が、不昧公にちなんだ創作和菓子、「不昧菓」を考案して販売するなどした。江戸期からある「山川」「若草」「菜種の里」は不昧公三大銘菓とし

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