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「余韻でも旅をして」〜本のひととき〜

「旅ドロップ」江國香織

以前の「美術館さんぽ」の記事でも本書に触れた。
出会いは渋谷のBunkamuraザ・ミュージアム。同じフロアにある「 ナディッフモダン」という雑貨店。
表紙がカラフルで、タイトルも可愛らしくて、惹かれた。

「旅」も「ドロップ」も響きがすてき。

3篇の詩で始まっている。
全36章プラス番外篇。
3ページほどのエッセイだ。

「旅」と言っても振り幅広め。
それを旅と感じたら旅でいい。
べつに飛行機に乗らなくても、旅は
そこらじゅうにある。

旅の思い出や、旅に出たくなる瞬間など。
色とりどりの味わいの違う36粒。

中でも旅ドロップ⑦「日帰り旅行の距離と時間」が印象に残った。

正に旅行気分で電車に乗りながら読んでいたからだ。
行き先は片道1時間余りの場所である。

旅にまつわるエトセトラが、きっと私の中にもある。
誰かに、ちょっとお喋りするみたいに、こんなふうに綴れたら。

いつまでも甘さ(旅の余韻)を楽しんでいられる一冊。


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