心と向かい合うこと〜本のひととき〜
「満月珈琲店の星詠み〜本当の願いごと〜」望月麻衣 画・桜田千尋
シリーズ2作目。前作を読んだあとで自分の出生図(ネイタルチャート)を調べてみた。少し占星術の知識を底上げしただけだが、作中のホロスコープの説明も入りやすくなったように感じた。
神出鬼没のトレーラーカフェ・満月珈琲店。
マスターは大きな三毛猫。手元の懐中時計で星を詠む。
カフェで働くのは星の遣いたち。
美しくて神秘的な面々だ。
収められているのは3つの物語。
登場人物たちは一見順調そうに見えるが、心の中に小さな不安や迷いを感じている。
普段目をそらしている部分だから、はっきり自覚はしていないようだ。
星を知ることは自分を知ること
それはつまり、自分の「本当の願い」を知ることだそう。
人は欲張りだから、願い事を絞り込むのは難しい。
制限がなければ、あれもこれもと手を伸ばしてしまう。
そもそも、「本当の」願いごとって何?
漠然とした願いを突き詰めていく。
何度も自分に問いかけて、本心をあぶり出す。
「本当の願いごと」だったなら、「 叶う力」を持っているんですよ
真剣な思いが、叶う力を引き寄せるのだろうか。
自分と向き合うことは辛い作業かもしれない。けれど、乗り越えてわかることもある。
登場人物たちが長い時間を経て、気がついたように。
自分と向き合うのは大事な時間。
何が大切で、どうしたいと思っているのか。
3つの物語はつながっている。
登場人物はリンクしている。
本当の願いに気づいた瞬間がいとおしくて、
熱い気持ちが溢れてきた。
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